87.第4都市
第4都市は王都とお隣なので、比較的近くだった
問題なく、都市の中心地に来た私たちは、ルゥ君とラディアさんの案内で教会まで向かう
第4都市の教会はこじんまりとしていて、周りには大きな建物が建設されており、それに囲まれた影にひっそりと佇んでいた
ガチャガチャ
門に手をかけると、きっちり施錠されていて、中に入ることは出来ない
普通はこの時間は、浄化を求めて訪れる人のために、解放されているはずなのに
近くの呼び鈴を鳴らす
すると、奥からシスターが現れた
「中に入れてもらいたい」
カイリ殿下は端的に要件を話す
シスターは困った顔で、
「申し訳ありませんが、お引き取りください」
と告げた
すると、ルイ君が
「シスター?何か気がかりなこと、もしくはお悩みがございませんか?」
と、シスターに話しかけた
「え……いえ……」
言葉をつまらせつつ、シスターは視線を外して答えた
その少しの動揺の隙を2人は見逃さなかった
辺りにモヤがかかったような感覚になる
視界はクリアなのに……
「ルイ。シスターはお疲れになってるのでは?ここは、誰もが心の平穏を祈りに来る場所だ。ご自身がお疲れになって、門を閉ざしているのかもしれない」
と、ルカ君が合いの手を入れた
そして、2人はシスターに向き直ると
『シスター。僕達はきっと、あなたのお力になって差し上げられると思いますよ?』
と、ルカくんが言うと、
『この門を開けて、ボク達を迎え入れてくれませんか?そして、お話をお聞かせください。さぁ……』
魔法を発動している
シスターは、言われるがままに門を開けて、私たちを迎え入れた
「どうか……お救い下さい」
そうルゥ君達に弱々しく告げた
「大丈夫ですよ。シスター。」
こうして、私たちは問題の協会の中へ足を踏み入れた