84.出発の朝
私の朝はユミさんのお小言から始まる
まぁ、全ては自分のせいなんですけど……
「みさき様?なぜこのようなところでお休みになられてるのでしょうか?」
「………あ……ユミさん………」
「おはよぅ……ございます」
私はポカポカと陽の光を浴びながら、心地の良い眠りから覚めると、ソファーから体を起こし良く寝たとばかりに伸びをした
「よく眠れたようで、大変結構ですが、せめて、ベッドでお休みになられた方がよろしいかと」
そうですよね~~
「体調はいかがですか?」
ユミさんは厳しいけど、全ては私のことを案じてくれているからなのは、わかっている
でも、辞められないんです……寝落ち
そういえば、夢を見なかった
まぁ、毎日過去の夢を見るってのもしんどいし、前に見たものも、記憶が混同してきて、感情と事象がバラバラで気持ち悪い
あと、断片的に挟まれる羞恥の記憶で思い出すのがはばかられる
もしかしたら、それで塗り替えられている部分もある気がする
冷静になれば、感情に支配されて壊れそうな窮地を救ってもらっていた気がしないでもない
いや……でも……恥ずかしい……
「みさき様?お加減が優れませんか??」
「あっ!!全然!大丈夫です!!」
私は慌てて返事をすると、バタバタと支度を済ませた