79.お迎え
ルゥ君達と部屋で待っていると、トキ殿下がお迎えに来た
「やぁ。おはよう」
そう言ってニッコリ微笑むと、両手をスっと横に広げた
その手に吸い込まれるように、ルイ君とルカ君が、両サイドからぎゅっとトキ殿下に抱きついた
「「おはようございます!!兄上!!」」
トキ殿下は二人の頭をポンポンと撫で
「おはよう。2人とも」
と、声をかける
そして、私に目線を向けると
「昨晩は眠れたかい?」
と聞く
「あーーいえ。はい。」
過去の夢は見なかったし、眠れたと言えば眠れた……けど………
「2人の寝相大丈夫だった?」
「………あーーー……」
私は、はいと言えずに宙を仰いだ
「フフフッ……だよね………笑」
トキ殿下は笑いながら返事をする
「さあ、カイリが待ってる。早く行かないと1人で朝食を終えてしまうかもしれないからね」
トキ殿下がそう言うと、ルゥ君達は「は~い」
と言って、トキ殿下の元を離れてスタスタと外へ向けて歩いていく
「さ、みさきも」
そう言って、私を手招く
ソファーから立ち上がり、トキ殿下の元に歩み寄ると、殿下は、私のおでこに手を当てた
「薬、効いたかな?」
「あ。はい。頭痛はもぅ大丈夫みたいです」
「そう。良かった」
そう言って、私の額から手を離すと、そのまま私を抱き上げて、横抱きに抱えた
「えっ!!ちょっ。1人で歩けます!!」
トキ殿下の顔が近い
私は慌てて、下ろしてくださいアピールをした
「1人で行くなんて寂しいこと言わないで、一緒に行こ?」
いえいえ。行きます
一緒に行きますとも
なので、下ろしてください………
無駄な抵抗もトキ殿下には通用せず、私はそのまま朝食会場へと運ばれた