78.朝です
重い……
苦しい………
はっ!!
寝苦しくなって目が覚めると、私の上に半身ずつ体を乗せ、仲良く手を繋いで眠る金髪の双子の姿があった
動けない……
なぜこんな状況に……
夜中は2人に押されまくって、何度目を覚ましたことか………そして、今、最終的に私の上で眠っている2人がいる
そう言えば、カイリ殿下が寝相悪いって言ってたな………
私は身を持ってその言葉の意味を体感した
朝陽は眩しく、今日も天気が良い
頭痛は感じないし、体は………物理的に重い……
「2人とも!おはよ!!朝だよ!!」
そう言って、繋がってる手を振りほどこうと、揺すりながら2人を起こす
「………ん………」
「………うん?………」
「おはよう!起きて!!」
どうにか2人を起こさないと、私が重い……
「「ん~……」」
2人はモゾモゾと、体を起こし、私を挟んでちょこんと座ると、目をクリクリこすりながら
私を見下ろした
「「………はよぅ………」」
寝起きは静かな2人を見つめ
ようやく体が自由になった私は、起き上がって伸びをした
体のダルさはまだちょっと残ってるけど、体調は良さそうだ
そういえば、夢見なかったな
ってか、二人の寝相でそれどころではなかったのかもしれない……
すると
コンコン
「おはようございます」
と、エリちゃんの声がした
「おはよー」
私が答えると、ガチャっとドアが開き、お着替えセット一式を携えたエリちゃんが中に入ってくる
え?今日どこか行く予定でしたっけ?
「先程、トキ殿下から、お迎えにいらっしゃるとのご連絡を頂きました。ご朝食を共にとの事です」
それでお着替えセットか
でも、どこで食事するんだろ?
私が悶々と考えていると、ルゥ君達は身支度を整えて
「お着替え終わるまで、僕達は向こうのお部屋で待ってるね」
と言って部屋を出ていった
寝起きから一転、もぅいつもの2人のテンションだ
寝起きがいいのか悪いのか分からない2人だな……
とりあえず、寝相が悪いことだけはわかった。うん。
私はエリちゃんの持ってきた服に着替えて、トキ殿下のお迎えを待った