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76.魔法薬

「みさき。そろそろこれ飲む?」

ルイ君はピンクの小瓶を掲げながら私に問いかける


トキ殿下が特別に作ってくれたという魔法薬

お姉様も、私が体調を崩すと作ってくれたっけ


「みさきはピンクなんだね」

ルカ君が小瓶を眺めながら言った


「ん?色って何か関係あるの?」

瓶の色で効能が変わるとかそういうやつだろうか?お姉様は全て同じ青い小瓶だった

多分、まだいくつか残っていて、ユミさんが管理している気がする


「ボクは黄色」

「僕はオレンジ」


んんっ?ということは、人によって色が違うの?


「トキ兄上がその人に合わせて調合したものは、わかりやすいように、いつもとは違う小瓶に入れてるんだよ」


「僕達は、お揃いの色がいいって駄々こねたのに、双子でも、魔法特性が違うように、魔法薬も別物だからって言って、変えてくれなかった」

ルカくんはそう言って、ちょっとすねている

なんだか可愛い


「トキ兄上が作る魔法薬は、一般向けに流通しているものもあるけど、それは一般人の魔力に合わせたものだから、やっぱり自分に合わせて作って貰ったものが1番いいよ」


「だから、このピンクの瓶はみさき専用!」


私は渡された小瓶を受け取った

「今は大丈夫なんだけど……飲んでおいた方がいいの?」


「今は僕の魔法で気にならないだけだよ」


「具合が悪い時は休むのが1番!動き回ったり、寝たくないとかワガママ言ってると、治らないよ」

「そうそう。大人しく寝よ!僕達がついてるから、怖くないよ」


眠るのが怖いとか………あるな。

確かに、私、眠るのを拒否している気はなかったけど、確かに今まで見た過去の夢は見るにはあまり楽しいものではなかった


でも、私は過去を知らなきゃって思う

知って、お姉様がどこにいるか探したい

会いたいとか、寂しいとか、そんな感じじゃなくて、お姉様を探さないといけない

そんな気がしてならない

なんでそう思うのか分からないけど、

ユミさんに言ったら、『お導きです』とか言われそう

私はその導きに身を委ねようと思う


私は、トキ殿下に貰ったピンクの小瓶の蓋を抜き取り、中の液体を口に入れた

すると、スっと口の中で消えて無くなり、次の瞬間、心地よい睡魔に襲われる


「あ。みさき眠そうだね」

「やっぱり兄上の魔法薬は特別だな~」


そう言いながら2人は私をベッドに横たえると

小瓶の蓋を持って、フーっと息を吹きかける


辺りにはキラキラとした光の粒が舞い、見慣れたこの光景に癒されながら、フワフワした意識のまま眠りについた

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