52.2人のお迎え
後宮の宮殿に着くと、そこにはカイリ殿下とトキ殿下が立っていた
ラディアさんは、私の様子を見て丁寧に下ろすと、殿下に向かい、サッと跪いて挨拶をする姿勢をとる
完璧にお仕事モードだ
隣にフェンさんも跪き、同じく両殿下に礼を執る
「何があった?」
カイリ殿下が私の目を見つめて問いかける
なんて説明したらいいんだろう……
お水に触りたかっただけなんです。とか、説明にならないよね……
「噴水の水に触ろうとしたら、水に引っ張られて、噴水の水の壁ができて、その水に触れたら、ラディアさんが目の前にいました」
説明能力の無さよ……
カイリ殿下は私の説明では状況が分からないと思ったのか、フェンさんの方に目線を送る
「外部からの痕跡はございませんが、何らかの魔術が発動したものと思われます。護衛の任を仰せつかったにもかかわらず、不徳の致すところでございます。申し訳ございません」
と、報告した
すると、カイリ殿下は次にラディアさんを見る
「私には魔術的反動は来ませんでしたので、フェン様を拒む何らかの魔術のように思います」
「なるほどな」
カイリ殿下は状況を把握したらしい
ふると、トキ殿下が
「フェン。ちょうどロイを連れてきていてね。彼に朝廷のあれこれを案内して欲しいんだ。頼めるかい?」
と指示を出した
「承りました。」
フェンさんはトキ殿下の意図をくみ、さっとその場を離れる
「他に気になることは何かあったりするかな?」
トキ殿下はラディアさんに問いかける
「いいえ。特にはございません」
「じゃあ、この場を頼めるかい?」
「みさき。帰るぞ」
私は2人に連れられて帰宅した