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49.お花と噴水

お庭には色とりどりの花が咲いている

階段を数段降りて、整備された小道をトコトコと歩いていく

小道を進むと、大きな噴水の前にたどり着いた

噴水の周りには青くて小さな花が沢山咲いている

そういえば、教会のお庭にも沢山咲いていた気がする


「こちらの花は水辺に多く咲いている花でございます」


「わっ!!びっくりした」


背後からフェンサさんが声をかけてきた

居ないと思ってたからびっくりして思わず声でちゃったよ


「申し訳ございません」


「あ。いえ。驚いただけなんで、大丈夫です」


私は大きな噴水を見上げた

水が太陽の光を浴びてキラキラと光っている


綺麗だな~


水に触ろうとして、不安定な石段に足をかけ、手を伸ばす

目一杯手を伸ばして水に触れると、水に引っ張られるようにバランスを崩した


あわわわわわわ!!!!

ちょっと待って!!落ちる!


前のめりに噴水に向かって落ちそうになるところを支えようと、フェンさんが駆け寄ると


バッシャーーーーーーッッ!!!


噴水が勢い良く吹き上がり、私とフェンさんの間に水壁を作った


どーゆーこと?!

バランスを何とか取り戻した私は、石段から降り、その勢い良く流れる水壁に触れた

すると、バチッと静電気が走ったような痛みに手を引っ込めた


『ダメよ……』

頭の中に声が響く

「え?何がダメなの!?」

「あおいお姉様!!どこにいるの?!お姉様!!」


その声は聞き間違えることがない

あおいお姉様の声だった

どーゆーこと?!


ズキッ

頭が痛い


私は片手で頭を支えながら

もう一度水壁に触れようと手を伸ばすと、


サーーーーーっと壁が無くなり、目の前に現れたラディアさんと目が合った


んんっ?!


水壁を触ろうとして、行き場のなくなった手をラディアさんが掴む


「ご無事ですか!!?」

「あ。はい。大丈夫ですが……」


頭はズキズキする

私は片手で頭をおさえたまま眉をしかめた


「どこかお怪我を?!」

「いえ……ちょっと頭がズキズキする……」

私が言いかけると、ラディアさんはサッと私の腕を自分の肩に回し、そのまま私を横抱きに抱き上げた


「重いです!下ろしてください!歩けます!!」


女の人なのに私をひょいっと抱き上げても平気そうに歩いている


「何かあってはいけません」

ラディアさんに下ろして貰えず、そのまま庭を抜け、後宮の宮殿まで運ばれていく


ラディアさんは、歩きながら

「フェン様。カイリ殿下にご連絡をお願いします」

と、声をかけると、フェンさんは無言で片手で鳥を描き、バサッと空に羽ばたかせた

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