46.お茶会の招待状
私は自室のベッドで目を覚ました
「お目覚めになりましたか?」
エリちゃんが窓際の植木に水やりをしている
ライラさんから貰った、多分バラが咲くだろう植木
蕾がいくつかついているようだけど、なかなか咲く気配は無い
「トキ殿下の使用人の方がお送りくださいました。よくお眠りとの事でしたが、お加減はいかがですか?」
あ~~~~~~
覚えてます
だいたい目が覚めると状況が変わってたり、記憶がなかったり、不安なことが多いけど、全てまざまざと思い出せます
が、故に……
恥ずかしすぎる……
自分が口にした言葉を思い返しては恥ずかしさが増す
トキ殿下何者??!転がされるだけ転がされて寝落ちとか……しかも最後に……キ…キス……
思い出すと顔が赤くなる
どーしよー
どうしようもこうしようも無いんだけど……
どーしよー……
「もし、体調が整わないようでしたら、こちらの魔法薬をお飲みいただくように、と預かってございます」
エリちゃんは飾りがついた青い小瓶を持っていた
どこかで見たことがあるような縦長の、香水瓶のような形状をした小瓶には何かしらの液体が入っていた
「それは何?」
「トキ殿下の調合された魔法薬のようです」
トキ殿下お薬調合できちゃうの?
自主的に幽閉って言ってたけど、カイリ殿下の言ってた引きこもりって言ってたのが、ちょっとわかる気がする
「お加減がよろしいようでしたら、ライラ様からお茶会の招待状が届いてございますので」
そう言いながらエリちゃんは1枚のカードを差し出した
水色の台紙に切り抜かれたバラのイラストがあしらわれ、ガーデンパーティのお誘いが書かれていた
パーティなんて行ったことないし、どうやって行くか分からないし、そもそも私に無縁じゃん?どうするべきなの??
すると、コンコンと、ドアをノックする音がする。ガチャっとドアを開けてユミさんが入ってきた
「フェン様がお迎えにいらっしゃってます」
「え?なんで??」
「お茶会のお迎えかと存じます」
お迎えに来ていただいたのに、行きませんとか申し訳なさすぎる
私は意を決してライラさんのパーティのご招待を受けることにした