35.記憶
どうやら私は、何らかの記憶の封印がかかっていて、それに触れて気を失ったらしい
カイリ殿下とルゥ君達で、封印をこじ開けて、眠りについた私を起こしてくれた
大まかこんな感じのことを殿下は教えてくれた
空白の記憶は封印のせい……?!
でも、そんな封印されるようなことあったの?
私……何したんだろ……なんかヤバイことしちゃった?!
思い返せば、人生やり直しを願ったらこの世界に転移して、ようやく転移前くらいまで時を過ごしたと思ったら、多分その辺から今まで記憶が無い。私、この間に何したんだろう……
最近はカイリ殿下に出会ってから、毎日が目まぐるしくて、そんなこと考える暇もなかった……
そんなことを思い返していたら、日が沈み、夜が訪れる
私のためにルイ君が魔力をすごく使ってくれたらしく、2人の様子を見に夕方頃カイリ殿下は私邸へと帰っていった
『何か起こったら呼べ』と言われてるけど、何か起こるというんだろうか……
言われると、何か起こるかもって意識しちゃって、無駄に構えてしまう
でも、何事もなく、いつもの日常が穏やかに過ぎていっただけだった
そろそろ寝よっかなっと、ベッドで横になる
目を閉じると、闇に包まれる
体の冷たさから寒気を感じて、はっ!と目をひらいた
(なんか、ちょっと怖いかも……)
なぜかは分からないけど、眠ることがちょっと
怖い……
(記憶の封印と何か関係があるのかなぁ……)
すると、
コンコンっと扉をノックする音が聞こえた
「みさき様。お休みのところ失礼いたします」
エリちゃんの声がした
布団から起き上がると
「カイリ殿下がいらっしゃっています」
と言って、扉から殿下が入ってきた