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31.秘められた過去1

ルゥ達が自己紹介をして話し始めてから、少しずつみさきの様子に異変を感じた

多分本人も自覚がないのかもしれないが、顔色が良くない


そして、案の定彼女は急に意識を失った


「おい!大丈夫か?!」

呼びかけても反応は無い

カイリにもたれ掛かるように倒れたみさきの体はとても冷たかった


その手を握って、魔力の流れを確認する

普段なら体の中を魔力が巡っている

その流れが全く無い


カイリは眉間にシワを寄せた

状況はかなり悪いのかもしれない……

しかし、なぜ……


みさきからは一切の魔力も感じられなくなっていた

魔力は生命そのものだ

無くなるのは死を意味する


胸元に手を当てると、心臓はドクンドクンと、規則正しく鼓動を打っているので、とりあえず大丈夫そうだ

だが、原因が分からないと対処のしようがない


「……う……っ……」


何か嫌な夢を見ているのだろうか

苦しそうな表情が見て取れる

額に目をやると、何やら見たことの無い文様がうっすら浮かんでるように見えた

(なんだこれは?)


「ねぇ、兄上!!みさきはどうしたの?」

「大丈夫!?」

オロオロする双子に後ろで控えていたフェンが声をかける

「ルイ様、ルカ様、落ち着いてください。カイリ殿下が様子を見られておりますので、大丈夫です」


「「フェン~~……」」


2人をなだめ終えると


「カイリ様。外部からの影響はないかと存じます。ルイ様の魔法の干渉力と、私の結界のサポート、この周辺の人払いは済ませてあります」


「そうだな」

「だが、みさきの魔力が感じられない……。浄化が上手くいっていないのか、何かの術が発動したのか……あるいは……」


額の文様が気になり、顔をしかめた


「いや。とりあえず、教会に戻ろう。あそこが1番安全だ。」

カイリは、とりあえずこの場を離れることを提案した


(ユミが何か知っていれば良いのだが……)


先代のマリアに仕えていたというユミという使用人は、何か隠しているような素振りを見せることが時々あるが、確信に触れるようなことは話してこない


(封印関係だとしたら、厄介だな……)


奥歯をキリッと噛み締めながら、みさきを抱き上げると、聖堂へと急いだ

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