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132.善は急げということで
教会に帰ると、ユミさんにもお話をして、宮廷行きの許可を貰った
明日、私は宮廷へ向かう
ちょっと緊張する……
部屋のソファーの上で明日のことを考える
勢いで行くって言ったけど、あまり思い出のよい場所では無い
カタカタカタ
テーブルの上のティーカップを取ろうとして、
自分が少し震えているのがわかった
「大丈夫ですか?」
後ろからラディアさんが声をかける
今日ももちろんラディアさんは、私をきっちりしっかり見張ってくれている
ラディアさんは、ソファーをくるりとまわって、私の前で立ち止まると、片膝をついて私の手を覆うように握った
「ちょっと緊張してて……」
正直言ったら不安だ
「カイリ殿下とトキ殿下がいらっしゃいます。御二方を信じてください」
ラディアさんは力強く私の手を握ってくれる
自分で行きたいと言った割に、ビビっている現状がなんか申し訳ない
でも、前に進まなきゃ
何も解決しない!
私も色々スッキリして、ダリア王女をこの国にお迎えする心の準備をしないと……
ラディアさんに不安なことを色々聞いてもらって、少しずつ覚悟を決めて翌日を迎えた