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130.なんかちょっと気まずい私
何故か、ラディアさんに隠れるようにして別室にいるカイリ殿下とトキ殿下の所へ向かった
「お待たせ致しました」
ラディアさんの声にふたりが振り返る
私はモジモジとラディアさんの腕をキュッと掴んで、ちょっと身を隠した
2人は、無言で立ち上がると、「行くか……」と言って、外へ向かう
門に施されている転移の魔法陣に手をかけながら、カイリ殿下が声をかける
「みさき。指輪は持っているか?」
前に身につけなくていいから持ち歩けと言われていたので、ポケットの中に入れてある
「はい……」
「なら、良い。」
「行くぞ。トキ」
そう言って、名残惜しそうにこちらを見つめてるトキ殿下を引っ張って、魔法陣に入っていった
ラディアさんは、「行きましょう。」と声をかけると、私をヒョイっと抱き上げて、魔法陣に吸い込まれて行った