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13.初めてのお出かけ

顔を真っ赤にしながらバタバタと走る私をユミさんが追いかけて、

「こちらです!!!」

と、引き戻され、お部屋に案内される


動揺が治まらない

(ははは……はじめての……キ……)

ダメだ。思い出すと恥ずかしさMAXで、カイリ殿下に顔向けできない


「お召し物はあまり目立たないものがよろしいかと思いますので、こちらのワンピースに致しました」

ユミさんは与えられた業務を淡々とこなしている

言われるがまま、なされるがままに支度され、私のお出掛けの準備が整った


カイリ殿下の待つ部屋に戻る


「おまたせ…しました」

声をかけると殿下はこちらを振り向き、少し間を置くと


「では、行くか」


と言って、手を差し出した

なんかまだ恥ずかしくて、変な距離を取ってしまっていたけど、手を出されたら、その手に自然と自分の手を重ねていた。習慣って怖い……


ぎこちなく歩きながら教会の門を出る


鏡を渡って満月の泉と行き来したことはあるけど、普通に外に出ることがないので、教会の敷地から出るのは、少し不安だった


すると、どこからともなく

「カイリ様!!!?」

と、呼ぶ声がした


誰もいないと思っていたので、人がいることにびっくりして、体がビクッとなった


「少し街に出ようと思う」

カイリ殿下は、そう言って自分の着ている宝飾品で飾られた上着をフェンさんに渡した

そして、その代わりにフード付きのローブのような上着を受け取る


「街にですか?!それより隣の女性はあの時の……?」

何故、隣にいる?という目線と、お前は何者だ?という疑念のオーラが口調から感じられる


(この人から向けられる負の魔力は強すぎるから……)


と思っていたけど、前に感じたチクチクとした体を蝕んでいくような痛みが無い


「大丈夫か?」

「あ。はい。大丈夫です」


「『護り』は効いているようだな」

カイリ殿下は、部下で術の効きを確かめた


「フェン。お前は少しコントロールを覚えろ。でないと、永遠にマリアの聖堂は出禁だ」


(出禁って……)


「すぐ帰る。先に戻って良いぞ」

「しかし!おひとりで何かあっては……」

「お前の魔力はみさきの体に良くないからな」

「その…みさき様とは一体…??」

「帰ったら話す。私邸にて待て」


命令が下ると、側近であるフェンさんは跪いて命令を受け取る姿勢を見せ


「かしこまりました。いってらっしゃいませ」


と、主を見送った


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