126.そうなりますよね
昨日のことがあって、私は朝からラディアさんと一緒にティータイムを過ごしている
カイリ殿下曰く「外に出るならラディアを連れていけ」
そうですよね。そうなりますよね……
昨日は帰宅したらエリちゃんが血相を変えて出迎えた
取り乱したエリちゃんを、ユミさんがなだめ、それを見たカイリ殿下がラディアさんの派遣を決めた
故に、どこで何するにも、ラディアさんがしっかりきっちり見張っている
初めは、
「本日からみさき様の護衛の任を仰せつかりました」
と言ってドアの前で立っていたんだけど、申し訳なさ過ぎて、一緒にティータイムを過ごしてもらっている
「みさき様は水との相性が良いのでしょうか?悪いのでしょうか?」
唐突にラディアさんが聞いてきた
相性?考えたこと無かった
「水はあおいお姉様の魔力が強く影響することがあって……魔力に相性とかあるんですか?」
「後宮の噴水の時も水が関係しておりましたし、今回は川に引き寄せられたと聞いています」
あおいお姉様の魔力に引き寄せられてしまっていることはあるかもしれない
よし!!
バンっと勢いよく立ち上がると、ラディアさんは少し驚いた表情を見せた
「私、噴水を見に行ってもいいですか?」
「噴水とは後宮の……でしょうか?」
「そうです!」
「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「特にはないんですが……。」
勢いよく行くと言った割にはこれといった理由はなかった
何となく、行ってみたら何か感じられることがあるんじゃないかなと思って
「かしこまりました。明日で宜しいでしょうか?」
「あ。はい!」
ラディアさんは片手で鳥を描き、窓の外へ向かって羽ばたかせた
そして、たわいのない話をして夜を迎えた