124.ことのあらまし
お姉様のことを考えながらユミさんの帰りを待っている
すると、お姉様の気配を感じた
「ん?あおいお姉様?」
私は、パタパタと部屋を出て、教会のあちこちを歩き回った
声が聞こえる気がする
外かなぁ?
裏門から外に出て、辺りを見渡しても誰もいない
でも、なんだかどこかに……
私は自分が感じた感覚を頼りにお姉様の魔力を辿って歩き続けた
教会からだいぶ離れたところに来てしまったけど
ここ、どこだろう……
エリちゃんに何も言わずに出てきちゃったから、今頃私を探してるかもしれない
ごめんエリちゃんっ!
『みさき……』
お姉様??
橋の上に来た私は、キョロキョロしながら声のする方に歩みを進める
橋を渡りきると、橋の下を流れる川の水がキラキラと輝いて見える
辺りには、青い花がチラチラと見え隠れする
あおいお姉様の周りには青い花が咲いていた
あ……。
その川の水に招かれるように私は河川敷に無理やり降りていった
草花をかき分けて、川の水に触れられるところまで来た
『ダメよ……』
水の方からお姉様の声がする
ダメと言われても、お姉様の声がするのが気になって、その何かを掴むために、私は川の水に手を伸ばした
そして、見事にバランスを崩して、そのままドボンと川の中に落ちた
不思議と、焦りはなかった
このキラキラと輝く川の水からは、あおいお姉様の魔力を感じる
私は川の水に体を委ねると、意識を失った