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115.気持ちは重い

翌日、私はカイリ殿下とトキ殿下に会わなくてはいけなくなった

話があると言われれば、行かなくてはならない

そして、迎えが来ると言われれば、支度をしなければいけないわけで


私はエリちゃんによって着飾られた

普段は、カジュアルなワンピースで過ごしているから、人に会うと言われた瞬間、それっぽい格好をしなくてはならない


世の中の女の人は大変ね……

なぜ毎日こんな時間をかけて支度するんだろうか……


エリちゃんは私の髪を整えながら言った

「お加減はまだ優れませんか?」


「ん?大丈夫だよ!」


そんなに具合悪そうに見えるんだろうか

気乗りしないのは確かなんだけれど……


エリちゃんは少し心配そうにこちらを伺っている

「アクセサリーどうなさいますか?あの……ペンダント……」


私がいつも身につけていたペンダントは割れてしまって、もぅ無い


「お任せするよ」


指輪は部屋にあるクリスタルと一緒に引き出しにしまったままだ


いつも身につけていたものが無くなると、ちょっと不安でもある……でもまぁ、何とかなるでしょう!


っと言うことで、支度を終えて教会を出ると、フェンさんが待ち構えていた


ううっ………なんか久しぶりに会うと、ちょっと構えてしまう


視線が痛い……何とかならないかもしれない


すると、フェンさんは私の目の前で跪き、

「お迎えに上がりました」

と、挨拶をする


「あ。ありがとうございます」


フェンさんはスッと立ち上がって、サッと手を出した

「どうぞ。」


「はっ……はいっ」

ちょっと緊張しながらフェンさんの手を取る


すると、その様子を見てか

「大丈夫でしょうか?」

と、様子を伺ってきた


今のところ大丈夫。だと思う。緊張してるだけな気がする


「大丈夫です。なんかすいません……。」


「今回は、トキ殿下が以前幽閉されていた地下牢の方へ向かいます。ロイの魔力が影響してる塔なので、ご気分が優れないようでしたら、無理せず仰ってください」


あの場所に行くの?なんで?


「それでは。」

そう言って、裏門の魔法陣に手を伸ばす

フェンさんに連れられて、ちょっと歪んだ感覚の空間を通って、私は地下牢と言われる、塔の最上階の特別なお部屋の入口に出た


ドアノブのない扉の前に立つと、内側からカチャッと扉が開いた


扉の前には、ロイさんがお辞儀をして向かえてくれる

「お待ちしておりました。こちらへ。」

ロイさんが指し示した先には、もちろんカイリ殿下とトキ殿下が待っていた


足が進まない……。

うつむきながら足を止め、手をギュッと握った


すると、ロイさんが気配も無く隣に立ち、握りしめた私の手をとった

「少し冷えましたか?暖かいお飲み物をご用意致します。」

そう言って、そのままカイリ殿下とトキ殿下のソファーの所までエスコートされていく

されるがままに2人の目の前にたどり着いた私は、2人の真向かいのソファーにちょこんと腰を下ろした


2人はジッと私を見つめている


「みさき」

カイリ殿下が口を開いた


「すまなかった。あれから体調は大丈夫か?」


いきなり発された一言に私は、一瞬何のことを言ってるのか分からず、キョトンとした


「ネックレス壊れちゃったから、その後大丈夫かなって気になっていてね」

トキ殿下は少し申し訳なさそうにこちらを見ている



「ここへ呼んだのは、この牢は、外部の魔力が遮断された場所だからだ。外からのいかなる魔力の影響も受けないし、内側からの魔力の使用も制限される」


安全な所ということが言いたいのだろうか

私は、まだなぜ自分がここに呼ばれたのか分からずにいた


テーブルにスッとお茶が差し出される

ロイさんが暖かいミルクティーを入れてくれた

お砂糖とミルクがたっぷりの、甘い香りが漂っている


ロイさんとフェンさんがソファーに座ると、本題に入った


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