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107.カイリ殿下もお疲れモード

一方カイリ殿下は、向かい側のソファーに座って、ものすごい疲れた様子でソファーにもたれていた


この感じ……見たことあるな


「はぁ……」


空気の重たいため息が聞こえてくる

トキ殿下の膝の上に乗せられたまま、ため息に誘導されるように、カイリ殿下の方を向く


カイリ殿下は片腕で目元を覆ってグッタリした様子だった


お疲れモードだ……

2人ともお仕事忙しいのね……


すると、トキ殿下の、腕が緩まる

「みさき。カイリ大変だったからさ。癒してあげて」


「?!」

どうやって?

癒すとは?

私何も出来ませんが……


トキ殿下は私を膝から下ろすと、カイリ殿下の方に送り出した


カイリ殿下の方に向かって数歩足を進める


なんか緊張する

私、何したらいいの?!


「あ…あの~。大丈夫……ですか?」


とりあえずぐったりしてるカイリ殿下の様子を伺った


カイリ殿下は私の声に反応して、腕に隠れた目元を覗かせる


すると、無言で手招きをして私を呼んだ

何をしたら良いのか分からないが、招かれるままカイリ殿下の目の前に立つ


殿下は私をじっと見つめて、両手を伸ばしてくる


トキ殿下のように、このまま腕の中に収まるのか?!と思って私も手を広げようとしたら、体をくるりと反転させられた


んん!!?


なされるがままにカイリ殿下に背を向けると、そのまま後ろに引っ張られる


「わっ……!」


バランスを崩すようにソファーに座り、結果、カイリ殿下は私を後ろから抱きしめ、肩にはカイリ殿下のおでこが乗っかっている


目の前に座るトキ殿下と目が合った

殿下はソファーにくつろいで座りながら、ニコニコしながらこちらを眺めている


えっと……私このままじっとしている感じですか?!


カイリ殿下は微動だにせず、無言で私を抱きしめ続ける


あの……これはこれで緊張してくるんですけど!!


すると、トキ殿下が席を立ち、こちらに近づいてきた


「カイリ。カーイーリ?」

トキ殿下の呼び掛けに反応しない


「カイリ寝てるね。」


「えっ?!!!!なんで!!?」


びっくりした。人はこんな一瞬で眠るものなの?しかも、こんな状況で……


「う~~ん……。みさきにはちょっと言いづらいんだけど、今、隣国のお客様が来ていてね…。その……。相手に手を焼いて連日まともに寝てないんだよ。」


カイリ殿下がこんなにお疲れモードなのは、ルゥ君達が押し掛けてきたって言ってた時以来だと思うんとけど、一国の王になる人は、おもてなしも大変なんだろう。


「お疲れ様……ですね」


「あぁ……うん……。」

トキ殿下は煮え切らない返事を返す


「まぁ、それで僕が朝廷の頭のお堅い人達の相手をしなきゃいけなくなって、もぅクタクタだよ」


トキ殿下は、カイリ殿下の頭に触れると、ボソボソ呪文を唱える


「どうせならこのまま寝かせておきたいんだけど……」


え?私、朝までこのままなんです?!


「さすがにこのままだと大変だから」


そう言って、トキ殿下はカイリ殿下の腕を剥がすと、俵担ぎで持ち上げる


「起きないんですか?!」


「ん?あぁ。ちょっと魔法使ってるから大丈夫だよ」


そんなに寝かせておきたいの?むしろなんで?


「さ。みさきも一緒に寝よっか」


「え?」


トキ殿下は私の手をとり、カイリ殿下を担いだまま、奥にある寝室へと歩みを進める


私はトキ殿下になされるがまま誘導されて、さっきのバックハグ状態になるようにベッドに寝かせられた


「あの……この状態じゃないとダメなんですかね?」


「多分これが一番いいよ」


抱き枕状態……カイリ殿下は抱き枕が好きなのか?


「幼い頃、大きなぬいぐるみ抱っこして寝てたからね……笑」


意外すぎる……

想像ができない……


トキ殿下が私の目の前に横になる

そして、私の前髪をサラリとよけ、おでこにチュッとキスをした


「……!!」


ナチュラル過ぎて声も出ないうちに、手を握られ、「おやすみ」と囁かれる


眠れない気がする……


後ろではカイリ殿下がスヤスヤと眠っている

目の前のトキ殿下も、目を閉じてしばらくすると、規則正しい寝息が感じられた

2人とも超お疲れモードだ


私も目を閉じると、気づいたら夢の世界に旅立って行った



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