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マードック魔道具店  作者: イカ十郎
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タローの夢4

 辺境都市ヤーマンに入った俺だが、


 やはりどこに行っても手掛かりは見つからなかった。


 あきらめて、帝都の商会へ帰ろと思ったが、ここまで来たので


ヤーマンの観光名所であり、都市の守護樹であるサン―マの大樹を


訪れることにした。


 サン―マの大樹は、街のどこからでも見ることができる見事な樹で


俺以外にも観光客もたくさんいた。


 俺は、ジローへの土産を探そうと出店を探していたところ、


この街に伝わる昔話、


 領主サン―マと悪魔チョウフク


の劇をしている見世物小屋を見つけた。


 ほう、この街には、そんな昔ばなしがあるのか


と看板に書かれた劇のあらすじを見ていたところ、


付近に民家から母親の怒鳴り声と子供の声が聞こえてきた。


 (母親の声)

 こらー、アラン


 またそんな悪さをしてきて。


 そんな悪さばっかりしてると、山からチョウフクが来て


 あんたを食べちまうよ。


 (子供の声)


  へへんだ、そんなの昔ばなしよ


  山からチョウフクが来たって、サン―マの大樹様が


  あるから街に入ってこれねぇよ


  ゴン(何かがぶつかる音)

  

  いだだだだ、ごめんかーちゃん


 俺は、


  ふふふ、どこの場所でも一緒だな


  さてとあきらめてそろそろ店に帰ろうか


と思い、宿に向かって歩き始めたが、何か心に引っかかった。


 俺は歩きながら、


  うん、まてよ


  あの母親、さっきなんて言っていた


  山からチョウフクが来る


  山、チョウフク、


  ・・・・


  チョーフク山


  まさか


と思い、街の冒険者ギルドを訪れ、


この付近にチョーフク山があるかどうか聞いてみた。


 俺は、ギルドの受付嬢に


 こんにちは、ぶしつけで申し訳ありませんが、


 この付近に、この地図に載っているチョーフク山っていう


 山はありませんか


 あるのであれば、その山のふもとまでの護衛のプランを一緒に


 立ててほしいのですが


と聞いてみたところ、受付嬢は


 チョーフク山ですか


 そんな山聞いたことがありませんね


 ちょっとお持ちの地図を見せてもらえませんか


 あれ?これって、この街の近くにあるオーソレ山に似ていますね


 あ、ドルイドさん、いいところにきてくれました。


 この地図の山ってオーソレ山ですよね。


 実はこの方が、チョーフク山っていう山を探されていて、オーソレ山って


 そんな別名ありましたか


と偶然近くを通りかかった、年配の冒険者に声を掛けた。


 ドルイドと呼ばれた冒険者は、


 あはは、なんだローラしらないのか


 あ、そうかあんたはこの街育ちじゃねいもんな


 オーソレ山は、昔ばなしに出てくるチョウフクっていう


 悪魔が潜んでいたっていう伝説があってな


 この街じゃ子供が悪いことをすると、山からチョウフクが


 やってきて悪い子をさらって喰っちまうぞと脅されるのさ


 だから、子供の間では、オーソレ山はチョーフク山って言われる


 こともあるのさ


 「それだーーーーー」

 

 なんだあんた大声出すなよ


と笑いながら、ローラと呼ばれた受付嬢に答えた。


 俺は、無意識に


  それだー


と大声を出していたようで、


  すみません、ずっとその山を探していまして、


  つい興奮してしまいました


  ローラさんでしたか


  ご相談があります


  その山は危ないところですか


  もし危ない場所でしたら冒険者に護衛の依頼したいのですが


と申し向けた。


 ローラは、


  うーんどうでしょ


  山の奥まで入るなら、D級の冒険者1名程度で大丈夫かな


  あそこの山はそんなに危険じゃないと思いますよ


  ドルイドさん、暇なら付き合ってあげたらどうですか


と答え、ドルイドと言う冒険者に声を掛けた。


  ドルイドは、


  暇だし、簡単な依頼だ


  一日 銀貨1枚なら受けるぜ


  どうだ


と言い、俺に答えた。


 俺が少し考えているとローラが


  ドルイドさんは個々のギルドの古株のC級冒険者ですよ


  銀貨一枚なら依頼料として妥当な線だと思いますよ


と言ってきたので、俺はドルイドを雇うこととし、その後一緒に、酒場へ繰り出した。  


 

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