タローの夢3
俺は、急いで商会に帰ると、店番をしていたジローに
おいジロー、俺はしばらく新しい仕入れのルートを探して
旅に出る。
店のことは任せたぞ
仕入れた商品は、送るから、
半分は、必ず下町の皆が安心して買い求めることができる値段で
売るんだぞ。
じゃあ行ってくるぞ。
と声を掛け、自室に飛び込むと昔使っていた行商セットを持ち出し
商会を飛び出した。
店番をしていたジローは、
はあ・・・・
こんな時期に新しいルートなんてあるわけないでしょ。
ほんとに馬鹿なんだから
しかし兄さんは、下町、下町ってあいつらが一体何をしてくれたって
いうんだ
まあ、兄さんがいない間、俺が責任者ってことだよな
好きにやらせてもらいますか
と店を飛び出したタローの背中を見つつ、呟いた。
店を飛び出した俺は、まず帝都の図書館へ行き、
婆さんがくれた地図に載っているチョーフク山と言う場所が
どこにあるのかを調べることにした。
しかし・・・・
ちきしょう、この地図に載っているような山なんて
どの地図にも載っていないぞ
チョーフク山だって?
ほんとにそんな山あるのか
あ、そこの図書館の人
この地図に載っているチョーフク山ってしりませんか
ああ、そうですよね
そんな山あるわけないですよね
はぁ、だまされたのかな
と当方にくれてたが、俺は、
いやいや、あんなにリアルな夢はない
実際に、この石のハンドルと地図もここにある。
なにか手掛かりがあるはずさ
と気を取り戻し、とりあえず帝都を飛び出し旅を続けることとした。
そして、俺は、諦めずに、半年ほど旅を続け、辺境都市ヤーマンに
たどり着いた。
ふー、やっぱりチョーフク山はないのか
ここの辺を探してみて、なければ
皆には悪いが、もうあきらめよう
と思い、まずは宿屋を探し、ヤーマンの街に入った。