表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マードック魔道具店  作者: イカ十郎
4/44

ツエーノの夢4

 俺は、鞄から再びビッグボアに目を戻すと、


奴は、まさに俺にとどめを刺すべく、


 まるでスローモーションの様に、

 

 ゆっくり


と突進してくるのが、見えた。


 俺は、目の前の現状に驚きながらも、


身体を動かし、持っていた予備の剣を


素早く構えて、奴の眉間に突き刺した後、


奴の突進の勢いを利用し、


横っ腹に刺さり放しの剣に手をやり、


身体に、湧き上がる力の限り、


横一文字に切り裂いた。


 ビッグボアは、


  グギャー!!


と言う、叫び声と共に、再び


  ドーン!!


と大木にぶつかり、倒れ込み


  ピクピク


と痙攣し続け、暫くすると動かなくなった。


 俺は、肋の痛みを治すべく鞄から


ポーションを取り出し、一気に飲み込み、


その場で、横になりながら考えた。


  何だ、この力は?


  まるで、俺の身体じゃないみたいだ!!


  スピード・力・技のキレ


  全てが、俺が憧れていた


  上級冒険者の動きのようだ。


と思い、鞄の中から、


  黒い薬が入っている瓶


を取り出した。


 そして、


  この薬が、 あれば俺も上級冒険者だ


  まさかあんな子供向けの昔話が、


  真実だったなんて!!


  誰も信じないだろうな


  ククク……


  ……面白い……


  この力使わせてもらうぜ!!


と呟くと、一気に立ち上がり、


仕留めたビッグボアを解体し


街へ持ち帰った。


 そして、ビッグボアを持ち込むべく、


ギルドの扉を、開けたところ、


そこにいた奴らが、俺を見て、


鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔を


しているのを尻目に、俺はギルドの担当者に


 これで試験は合格だな?


と聞くと、ギルド中から


 マジかよ!!


 あのビッグボアの大きさ、 スゲーぞ!!


 嘘だろう? あのツエーノだぜ?


等の声が聞こえ、辺りは騒然となった。


 ギルドの担当者は、


  は、はい


  ツエーノ様、 Dランク昇級おめでとうございます


と言うと、更に騒ぎは大きくなった。

 

 そこから、俺は、短期間で、様々な依頼をこなし、


帝都チョウエードの冒険者ギルドの中でも、


数少ない 


  Bランク冒険者


の一人になった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ