表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マードック魔道具店  作者: イカ十郎
35/44

ガースキの夢5

 オイラは、サール!!


 大好きだったカージ・ガス―キの旦那が死んだので、


旦那に言われたとおり鍛冶ギルドへ向かい、副ギルドマスターのアークって


奴に手紙を渡しに来た。


 しかし、カージの旦那の作ってくれた爪は凄いや。


 オイラの体にピッタリはまり、使わないときは本当の爪に薄く張り付き、使いたい


と思った時だけ、元のサイズに戻る魔法の道具ってやつだ。


 ところで、会いに来たアークってやつは、なんか気に食わない!!


嫌なにおいがプンプンするぜ!!


 アークは手紙を読むと、にやりと笑い、


  おい、あいつは死んだのか。


  じゃあ約束を守る必要はねぇーな


  魔物に何で金をやらなきゃダメなんだ!!


  お前の持っているその剣もおれがもらってやろう


  おい、誰か、魔物が暴れだしたぞ。


  こいつを捕まえろ


と言い放ったので、オイラは、アークの顔を爪でひっかき


手紙を取り返して、部屋に入ってきた強そうな男たち


を引っ掻き回して、その混乱に紛れて逃げ出した。


 オイラは、


 ちきしょう!!


 旦那にもらった剣は俺の物だ!!


 お前らにはぜったいにやらない!!


 お前ら人間は旦那を馬鹿にした許さない!!


と心に誓いながら、生まれ故郷の山逃げ込むことにしたんだ。



アークの目線


 俺が、ギルドで仕事をしていると受付嬢から


猿が俺宛の手紙をもってを訪ねてきていると連絡があった。


 馬鹿が、とうとう死んだか


 まあ約束だし、少しの金を与えて帰らせよう


と思いながら、猿とあってみると、猿は一本のバスターソードを背負っているではないか


 まさか、あれもあいつの作品か


 しめた


 作戦変更だ、あいつからあの剣も奪い取ってやろう


とすぐさま部下に目配せをして、強靭な冒険者数名を隣の部屋に待機させていた。


 俺が、猿に対して話しかけ、冒険者たちにあの猿を捕まえるように大声を出したところ


猿は、いきなり俺にとびかかってきて、俺の顔面を切り裂き、俺の手元から手紙を奪い取った。


 俺は痛みでのたうち回り、これは後から知った話だが、集めた冒険者たちも歯が立たず、


   ある者は、腕を飛ばされ

   

   ある者は足を飛ばされ


   ある者は持っていた鎧ごと、胸部を切り裂かれ絶命した


とのことであった。


 事態を重く見た国は、あの猿を


   金色の爪 サール


と言う名前で討伐対象に認定したが、今もあいつは捕まっていない。


 俺は、その後、あいつにつけられた傷が膿み、人前に顔を出すことが


難しくなり、ギルドを引退し、ひっそりとした町で暮らしている。 


 こんなことなら、素直に金を渡しておくんだったと今となっては後悔している。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ