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マードック魔道具店  作者: イカ十郎
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ガースキの夢2

 俺は、霧の中を歩き、気が付くと


 マードック魔道具店


と看板の掲げられたお店の前に、立っていた。


 俺は、その店の扉を開けて、中に入ると真っ暗だったが、奥から


 蝋燭の灯がすーーっと


こちらに近づいてきて、俺の目の前で止まった。


 俺が、蝋燭の灯を見ていると、灯の後ろに、突然老婆が現れ


  ケケケ!!


  いらっしゃい、久々のお客様だね。


と、嗄れた声で声を掛けてきた。


 俺は、老婆に


 おい、婆さん、ここは何の店だい?


 長年、この街に住んでいるが、こんな店知らないぜ


と尋ねた。


 老婆は、


 おやおや? 


 あんた、ここが、どこか知らずに来たのかい!!


 ここは、お前の心が、呼んだお店さ


 皆は、ここを


    マードック魔道具店


 と勝手に呼んでいるよ。


と言い、俺に、見たこともない金属で出来た槌を差し出した。


 老婆は、


 これをお前にあげるよ


 お代だって?


 お代はいらないさ


 お代は、お前の歓ぶ気持ちだけで、十分さ


 じゃあこの商品の紹介をするよ


 よくお聞き 


 この槌は、死神の槌と言ってさ


 これに願いを込めて、鍛冶をすれば、素晴らしい作品ができるのさ


 どうだい、これがあれば、アンタが望んだ


 あんたが生きた証を、一緒にいる猿に残せてやれるんじゃないか


 だけどね、こいつは取り扱いが厄介でね。


 使用するに代償がいるのさ。


 代償は、使用者の寿命さ!!


 命をかければかけるほど、素晴らしい効果を得ることができるよ


 ちなみに、私の見立てだがね


 あんた不治の病にかかっているよ


 このままじゃあんたの寿命は、長くて1年!!


 信じるか信じないかは、あんた次第さ


 カージよく考えな!!


 じゃあね

 

と言ったかと思うと、俺の意識は霧に包まれた様に、そこで途絶え


気が付くと、俺の店から一本裏手に入った道の真ん中に立っていた。


 俺は、夢でも見たのかと思ったが、俺の右手には、


あの老婆がくれた死神の槌が握られていた。


 俺は、急いで、自宅の鍛冶屋に帰り、サールに声を掛けた。

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