サンーマ・イフーダーの夢5
回想を終え、時は現代に戻る
儂は、チューヤンから、ブレスレットを受け取った。
これじゃ、この魔法のブレスレット
こいつがあれば、なんとかなるじゃろう
対チョウフク用の切り札じゃが仕方がないわ
と思いながら、左手にブレスレットをはめた。
そして、再び、城壁を昇り、ヤーマンを守るため
指揮を執ることにしたのじゃ。
儂が城壁の上から、戦況を見ると、我が軍は、
大量の魔物たちに押し込められ、壊滅寸前であった。
儂は、あの時のように、右手で
左手のブレスレットを握りしめ、
頼む、この街を
ヤーマンを
儂の愛する皆を救ってくれ
今一度力を貸してくれ
と願うと、ブレスレットが光り輝いた。
そして、ブレスレットから
一筋の光
出るや否や、その光は魔物の大軍を一閃し、
魔物を焼き払った。
魔物たちを焼き払った火は、更に燃えあがり
ほとんどの魔物を死滅させたと思ったときに
燃え上がる魔物たちの空が割れ、その漆黒の隙間から
あいつが
悪魔チョウフクが
が再び現れたのじゃ。
辺りにチョウフクの
我
復活したり
という声が響き渡り、更に
おおお
憎きサン―マの匂いを追って
こちらに移転すれば
そこにいたか
しかし其方も老いたな
だが、我の恨みは消えはせぬぞ
と叫けび、こちらに視線を向けた。
儂は、もう駄目じゃと思っておるとブレスレットが
再び光が
チョウフクめがけ
一閃したのじゃ。
チョウフクは、微動だにせずに、
ふ、この前の奴を返してやるよ
と言い、大きく息を吸い込むと
大量の水
一気に矢のようにを吹き出し、光を相殺した。
チョウフクは、
あはは、どうじゃ
お前が我に食らわせし、水
お返しじゃ
というと、更に水を霧のように吹きだし、
燃えていた魔物たちに吹き付け魔物の火を消した。
そして、奴は、儂に
さてと、お遊びは終わりじゃ
その街を蹂躙してから殺してやるわ
絶望とともに死ぬがいい
と言い、黒雲をまとい、こちらを睨んだのじゃ。
儂は、
もう駄目じゃ
と思ったが、ふとマードックからブレスレットをもらった際の
3回じゃよ
3回以上使うんじゃないよ
という言葉を思い出し、
もしかして3回以上使えるんじゃないのか
このままでは、みんな死んでしまう
お願いじゃ、チョウフクを倒し皆を救ってくれ
とブレスレットを再び握りしめ願いを込めた。
そして儂の意識はそこで途絶えた。
サン―マの体は光に包まれ、そしてそれは光の玉となり
チョウフクの元へ飛び立ち、そこで光の渦となった。
そして、その渦は、邪悪なる全ての物を吸い込み始め、
チョウフクの
おのれ、おのれ
あと少しで、復讐できたのに
またしても許さんぞ
サン―マ
ぎゃあああ、体が溶ける
こんな聖なる力の世界に吸い込まれるなんて
いやじゃーーーー
死にたくない
の叫び声のみを残し、
吸い込み終わると何事もなかったかのように消え去った。
そして、その光の中心部分には、一本の木の苗が残されたのであった。