表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マードック魔道具店  作者: イカ十郎
28/44

サンーマ・イフーダーの夢4

 気がついた俺は、ベットで寝ていた。


  お、サン―マ、気が付いたか


  お前もう3日も寝ていたんだぞ


と、キーマン隊長が声を掛けてきた。


 俺は、


  隊長、あいつは


  あのチョウフクと言う悪魔はどうなったのですか


と聞くと、キーマン隊長は、


  ああ、悪魔には逃げられたみたいだな


  俺たちが駆け付けたときには、


  お前がやけどを負って倒れていた


  そして横には、妖気を放った魔物のもの思われる


  左肩から先が落ちていた


と答えてくれ、隊長はさらに


  そして、俺たちは、お前をここまで運び


  落ちていた魔物の手を拾い上げて


  国の研究機関に届け出てたんだ


  そしたら、この魔物の妖気が、帝都で発生していた


  連続殺人事件の現場に残されていた妖気と一致し


  お前は、この功労者として後日、


  褒美がもらえることが決まって今に至るわけさ


と続けて教えてくれた。


  俺は、ベットの上で


   そっか、逃げられたのか


   無念だ


とつぶやくと、キーマン隊長は


   そんな顔するなや


   いつかきっとかたき討ちができるさ


   今は、回復し力を蓄えろ

   

   じゃあ3日後に迎えにくるぜ


   えらいさん方にちゃんと報告できるよう


   考えをまとめておけよ


というと部屋を出て行った。


 3日後


 俺は、今帝都の中心部、


エード城を訪れ帝と謁見する為、謁見の間にいる。


 俺は、帝をはじめ、偉いさん方に、事の次第を


説明し、謁見の間に


   チョウフクの左肩


を運ばれてきたところへ、帝の母親である帝母が現れた。


 帝母は、


   おお、息子よ、それは悪魔の素材じゃな


   悪魔の素材は、長寿の薬となると聞く

  

   息子よ、この母の命もあと少しじゃ


   冥途の土産に、少しだけ近くで見させてもらえんかの


と帝に申し出られた。

 

 帝は、


   母上、出歩かれては、お体に触りますぞ


   母上の望みじゃ、誰かその左手を母上の傍へ

  

と言われ、すぐにそばに控えていた者たちが、


   悪魔の左肩


を帝母の傍へ持っていった。


 帝母は、左肩の傍へ近寄ると、泣き出し


   アハハ、アハハ


   コレジャ、コレ


   これこそ、我の左肩


   馬鹿な息子よ、


   これで、これで我は


   完全復活じゃ


と叫ぶと、悪魔チョウフクの姿になり、


   左肩


をつかみ己の肩に嵌めると


突如出現した黒雲にのり、空高く駆け上がった。


 そして、謁見の間には、


  アハハ、帝よ


  お前の母は美味かったぞ


  死に際に、お前の名を叫んでおったわ


  そして、そこにいるのは、憎きサン―マ


  帝ともどもお前もここで死ぬがいい


と言う声が響き渡り、チョウフクが飛び立った方向


にある黒雲が、


  ピッカと光る


と、巨大な稲妻が城に向かって放たれたのであった。


 俺は、


  やばい、なんとかしなくては


  みんなが死ぬ


と思い咄嗟に、左手に嵌めていたブレスレットを


右手で握りしめた。


 その途端、


  ブレスレットが光り輝き


ブレスレットから大量の水が、高速で曲線を描くように出現し


稲妻をそのまま、黒雲へはじき返した。


 黒雲からは、


  ギギギ


  このままでは死んでしまう


  仕方がない奥の手を使うしかない


  お、おのれ


  サン―マ


  1度ならずも2度までも


  覚えおれ、いつか我は力を取り戻し


  お前を殺す


という声が辺り響き渡り、


黒雲付近の空が割れ、漆黒の闇が出現し、


サン―マが出した水などを吸収し終えると


何事もなかったかのように再び、その裂け目は


閉じてしまった。


 あとで判ったことだが、帝母様の部屋は、


ぐちゃぐちゃに荒らされており、血だまりなどが


あったことから、やはりチョウフクの手により


殺害されていたことが判明したそうだ。


 そして、俺は、先の件と謁見の際の褒美として


男爵の位と田舎ではあるが、領地を拝領することと


なったのであった。

   

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ