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マードック魔道具店  作者: イカ十郎
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サンーマ・イフーダーの夢3

サンーマ・イフーダーの視点


 俺は、目の前に残された悪魔の左肩を見ながら


 危なかった


 このブレスレットの力がなければ、俺はやられていた


 マードックの婆さんありがとよ


 あの悪魔はチョウフクというのか


 いつの日か必ず俺の手で殺してやる


と左手に嵌めたブレスレットを見ていた。


サン―マの回想


 俺は、ハートが死んだあの日から敵を討とうと、


 あの悪魔を探し街をさまよっていた。


 俺は、いつもハートに助けれられてきた。


 なのに、なぜハートが死ななくてはならない。


 力が欲しい。


と裏通り付近をそう思いながら歩いていると、いつの間にやら見たことのない


通りに入り込んでおり、気が付くと


 マードック魔道具店


と看板の掲げられたお店の前に、立っていた。


 俺は、その店の扉を開けて、中に入ると真っ暗だったが、奥から


 蝋燭の灯がすーーっと


こちらに近づいてきて、俺の目の前で止まった。


 俺が、蝋燭の灯を見ていると、灯の後ろに、突然老婆が現れ


  ケケケ!!


  いらっしゃい、久々のお客様だね。


と、嗄れた声で声を掛けてきた。


 俺は、老婆に


 こんなところに店があったんだな


 ここは何の店だい


と勇気を絞り出し尋ねた。


 老婆は、


 おやおや? 

 

 あんた、ここが、どこか知らずに来たのかい!!


 ここは、お前の心が、呼んだお店さ


 皆は、ここを


    マードック魔道具店


 と勝手に呼んでいるよ。


と言い、俺に、ブレスレットを差し出した。


 老婆は、


 これをお前にあげるよ


 お代だって?


 お代はいらないさ


 お代は、お前の歓ぶ気持ちだけで、十分さ


 じゃあこの商品の紹介をするよ


 よくお聞き 


 このブレスレットは魔法のブレスレットさ


 これに願いを込めれば、どんなことも解決するのさ


 どうだい、これがあれば、アンタが望んだ

 

 親友の仇がとれるんじゃないかぃ


 だけどね、どんな物も使用制限があるのさ


 3回だよ。


 決して3回以上使うんじゃないよ。


 ケケケ、約束したよ、


 サン―マ


と言ったかと思うと、俺の意識は霧に包まれた様に、そこで途絶え


気が付くと、裏通りの入り口に立っていた。


 俺は、夢でも見たのかと思い、歩き出すと左手に違和感を感じた。


 そして左手を見てみるとあの老婆が持っていたブレスレットを、


いつの間にやら装着していた。


 俺は、気味が悪くなったが、マードックと言えば、


昔ばなしにも出てくる伝説の魔女。


 なんとなく、あの老婆の言っていたことを信じることにした。


そして今日それが現実となった。


 俺は、女と裏通りへ入る悪魔を発見し、すきを窺っていた。


奴が女を食らう瞬間を狙い、弓矢を放ったが、奴に避けれられ、


逆にファイヤーウォールを放たれて、炎の壁に閉じ込められてしまった。


 俺は、


 まずい、まずいぞ


 このままでは、ハートの仇どころか


 何もできないまま焼け死んでしまう。


 考えろ考えるんだ


と炎に包まれながら、冷静に考えると、あの老婆の言葉を思い出した。


 俺は、藁にもすがる思いで、ブレスレットに向かい、


  奴に一矢報いたい。


  助けてくれ。


と願うと、ブレスレットから、不気味な炎が出て、それが俺の形になった。


 そして、その炎の意思が俺の頭に直接響き俺は、その作戦を信じることにした。


 その炎は、俺の声で


 悪魔め、この命に代えてもおまえを倒す


 ハートの為、お前に殺された住民の恨みを思い知れ


と大声で何度も繰り返し叫び、悪魔を炎の近くに引き寄せた。


 悪魔は、


 ハハハ、お前に何ができる


 お前にできるのは、丸焼けになることぐらいだ


 このチョウフク様の食事の邪魔をした罪


 おぬしの命で償うのじゃ


と油断し、無防備にも近づいてきた。


 その瞬間、ブレスレットから出た魔力は俺を包み、俺を奴の後ろへ移転させた。


 俺は、奴の後ろに移転するや否や、手に持っていたバスターソードを


力いっぱい振り下ろし、奴を切断した。


 しかし奴は、直前で回避し、左肩から先しか切り落とせず、


致命傷にはならなかったが奴を撃退することはできた。


俺は、ブレスレットを撫でながら、


騒ぎを聞いて駆け付けた仲間たちをみて、気を失った。

  

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