サンーマ・イフーダーの夢2
サンーマの回想
俺は、サンーマ・イフーダー。
帝都を守る騎士団の一人さ。
今、俺は、チョーエイドのスラムに侵入してきた
悪魔を追っている。
奴は、狡猾で、これまで何人もの仲間や住人を殺してきた。
今日俺は、仕事を終えて帰宅するときに、偶然
奴を見かけたので、追いかけてきたんだ。
あの野郎、よりによって、俺の親友のハートに化ける
なんて舐めてやがる。
ハートは、子供が生まれたばっかりだったのに、一ヶ月前に
奴に殺されたんだ。
俺は、怒りを抑え込み、奴の後をつけ、ぼろを出すのを
待つことにした。
悪魔の視点
我は、一年ほど前に、欲にまみれた人間共に、
召喚されこの世界に降り立った。
しかし人間は、バカばっかりだ。
少し甘い言葉をかけてやるだけで、我らを信じ、欲望に溺れる。
我を召還した奴らも、すきを見て殺してやったがな。
まあ、そんな奴がいるから、我ら悪魔族が、繁栄するのだ。
せっかくこの世界に来たのだ。
好き勝手やってやるさ。
しかし、最近は少し厄介になったな。
この街で、少し好き勝手しすぎた為、人間共に目をつけら始めた。
殺した人間の顔を奪い、何とかやり過ごしてきたが、面倒くさいな。
この間も、この街の騎士が襲ってきて、返り討ちにしてやったが、
そろそろ潮時か、別の街でも行こうかね。
そう思いながら歩いていると、夜の街角に一人の女が立っているのが
目に入った。
そういえば、お腹すいたな
おねーさん、ちょっと食事でも行かないか
と我は、女に魅了の魔力を込めた声を掛け、一緒に裏通りへ移動した。
そして、女の魅了を解いてやると、女は
え、ここはどこ?
私は何をしていたの
あなたは一体
と正気に戻り、おびえながら訪ねてきた。
我は、女をビビらすため、変化の一部を解除し、
角と裂けた口を見せながら、
ここは、裏通りで誰も来ない。
そしてお前は、餌だ。
と告げてやると、女は、ガタガタと震えだし、その場に
しゃがみこんで
だ、だれか助けて
私は、私は死にたくない
と言い泣き出した。
我は、その様子を見てうれしくなり
ヒヒヒ、恐怖は最高のスパイスだ
泣き叫べ
と、言いながら、口を大きく広げ一気に食らおうとした。
その瞬間、我に向かって、矢が飛んできた為、
我は振り返りながら矢を避け
誰だ、我の食事の邪魔をするのは
と矢の飛んできた方向を見ると、ひとりの男が立っていた。
男は、更に矢を放ちながら、
俺の名は、サンーマ・イフーダー
悪魔め、ハートの仇だ
思い知れ
と叫びながら、我に対峙したのであった。
我は、男にファイヤーアローの魔法を放ち、男の矢を
燃やしながら、女を抱きかかえ、屋根の上に飛び上がった。
我は、そして男に対して、
フフフ、人間よそんなに殺気を振りまいてはダメだよ。
我は食事中である。
おぬしの相手は、後でしてやるから、しばらく待て
と言い、男の周りに、ファイヤーウォールを展開させると、
共に抱きかかえた女を投げると、口を広げ一気に丸のみにした。
我は、女を食らいながら、
美味い、美味い
復讐と絶望の視線を感じながら食らう
恐怖に焦がれた女の肉はうまい
さてとデザートと行くか
と、ファイヤーウォールの方へ向かうと、中から男が
悪魔め、この命に代えてもおまえを倒す
ハートの為、お前に殺された住民の恨みを思い知れ
と叫ぶのが聞こえたのだった。
我は、
ハハハ、お前に何ができる
お前にできるのは、丸焼けになることぐらいだ
このチョウフク様の食事の邪魔をした罪
おぬしの命で償うのじゃ
と笑いながら、奴の最後を見てやろうと、ファイヤーウォールに近づいた。
その時我は、いきなり後ろから殺気を感じたので、
とっさに横に裂けたのじゃが、痛みを感じた左肩をみるとそこから先がなく
地面には、我の左肩から先が落ちていたのじゃ。
我は、すぐに跳躍し、屋根の上に移動するや否や、男に対して
馬鹿な、なぜおまえが後ろから・・・
ではあの炎の中にいるのだ誰なのじゃ・・・
痛い、痛いぞちくしょう
おのれ、我の左肩を、よくもよくも
お前の名前は覚えたぞ
お前の失敗は先ほどの一撃で我を殺せなかったことだ
我はチョウフク、ひとまず我の左肩はお前に預けてやる
我の目標は、たった今お前を殺すことに決めた。
いつの日か必ずお前の命もらい受ける
と叫びながら、移転の魔法を使い、いったん退却することにした。