クエールの夢5
後ろから嗄れた声で
ヒヒヒ、いい調子じゃないかクエール!!
と声を掛けられ、ドキッとしたが、
俺は、後ろを振り返りながら
おお、婆さん
ありがとよ!!
あんたにもらったこの薬で、
俺は永世チャンピオンになれそうだぜ!!
と言うと、老婆は笑いながら
ヒヒヒ
そいつはよかったね。
今日は一つ警告に来たんだよ!!
あんた、私との約束を覚えているかい!!
どんなことがあっても、その薬を
一日1錠しか飲んだらだめだよ!!
私は警告したからね!!
わかったね!!クエール!!
と言うと、老婆の姿が薄くなり、暗闇に消えていった。
すると、部屋の灯がまた灯り、
俺は、
まったく、気味が悪い婆さんだぜ!!
わかってるよ!!
1錠だけだろ?
この薬を飲んだ俺に勝てる奴なんていないさ
と自分に言い聞かせて、
さあ行くぜ!!
と言い、大会の会場へ向かった。
会場では、アナウンサーが順次呼び出しを行っていた。
まずは、一人目
横にデカーーーい!!
俺に食えないものはない!!
ジャイアントクロータ!!
と、横にいるとクソ暑いであろう肥満体系の男が呼ばれ
次に2人目
大食いなら俺に任せろ!!
今日の俺は一味違う!!
打倒クエールに燃える男のリベンジだ!!
帝都の大食いキングこと、ターベル
と、事あるごとに俺とチャンピオンの座を争ってきた
ガタイのいい男ターベルが呼び出された。
続いて、3人目
経歴等一切不明!!
食べたいからここに来た!!
謎の覆面 ミスX
とマスクで顔を隠した小柄な金髪の女が呼ばれた。
そして、アナウンサーは、今日一番の大声で
お待たせしました!!
永世チャンピオンまであと一勝!!
俺の全盛期は今ここだ!!
不死鳥のごとく、食欲が舞い戻った
我らがチャンピオン
クエール!!
本大会は、この4名で、大会種目は、
ラーメン!!
シンプルにたくさん食べたものが勝ち!!
制限時間は90分
以上のルールで戦っていただきます。
と言い、大会が開始された。