ミーノの夢9
時は、社交界から帰宅後に遡る。
キレーナの視点
私は、自室に戻ると、すぐに我に返り
なんて事なの!!
あのイボカエルを引き立て役にして
スルーゼ殿下に認められようとしたの
に!!
どうして、どうしてなのよ!!
ミーノめ!!許さないわよ!!
どうしてやろうかしら?
と、私の心は、ミーノへの怒りと嫉妬で
一杯になった。
そこへ、マーリンが、
キレーナ様!!
とうとう、あのイボカエルが
隠していた魔道具を手に入れましたわ!!
お二人が、社交界に行かれている間に、
あのイボカエルの部屋を探し、
奪ってきましたわ!!
と言い、私に
一枚の白い布
を手渡してきた。
私は、
よくやったわマーリン!!
でもこれってどうやって使うのかしら?
とマーリンに言い、布を受け取ると、
その瞬間マーリンの動きがとまった。
そして、急に、辺りが、白い霧に包まれ、
私の前に奇妙な老婆が立っていたの。
老婆は、嗄れた声で、
ヒヒヒ、人の物を盗むなんて、
イケない子だね!!
まあ、いいさ!!
それは、心の姿を、
容姿に変える魔道具なのさ!!
使うのは、オススメしないけど、
もし使いたいなら、
朝一番に、顔を洗い、
その布で顔を拭いてごらん
あんたの心が一番強く願った姿に
なれるはずさ!!
この話は、誰にも言ってはいけない
よ!!
じゃあね、キレーナ!!
約束したよ!!
と言うと、すぐに消え去り、
そしてマーリンは、
何事もなかったように動き出したの。
私は、マーリンに、
マーリン聞いて!!
これが、あのイボカエルの
秘密の魔道具なのよ!!
あなたが、私にこれを手渡した瞬間に
どこからともなく老婆が現れて、
使い方を教えてくれたわ。
明日、あのイボカエルを送り出したら、
これを使うわよ!!
楽しみだわ
と言い放ち、今日は、ゆっくりと休むことにした
のよ。
次日の朝、あのイボカエルが、
馬車で我が家を去るのを
これから、私がもっと美しなり
目にもの見せてやる
私が一番美しいのだから!!
殿下も当然振り向いてくださる
と思うと、当然笑顔になれたので、
その顔のまま、見届けると、
マーリンを呼び
あのイボカエルから取り上げた
魔道具を使ったの。
私の顔は、すぐにドス黒い光に包まれたので、
私は、
アハハハ
これで、殿下もミーノも
みんな見返しやるれるわ!!
私が、この世で一番美しいのよ
と叫びました。
光が、収まると、私の方を見たマーリンが、
ギャー!!
と言う悲鳴を上げ、その場に倒れ込みました。
私が、鏡を覗き込んでみると、
そこには、
般若の様な顔をした女
が映っており、その女は、
おのれー!!
マーリンめ!!騙したな!!
と口走ると、そばに立っていたマーリンの首を
爪で跳ね飛ばした。
そして、私は、意識は永遠に化け物にとりこまれ、
失われたの。