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第二夜:セピアの庭

セピアの庭へ、私は行ったことがありません


君に「そこに行こう」と誘われた女たちは

いつまでもそこで輝き続けるといいますが


私は誘われたことがないので

これからも

輝くことはないのだろうと思いました


黒いスーツにえんじ色のシャツ、チャコールグレーとシルバーのタイ

えんじ色のマフラーをして君は

セピアの庭で待つ

彼女のもとへ歩いていきました


短くカットされた髪は

普段無精をしているのを隠すため

彼女に会う前日に整えてきたのです


思い出を永遠に輝かせるために

整えたのです


セピアの庭には

君の愛した女の人形たちが並んでいます


君が行けばそこには

幾人もの女の顔が並んでいるのです


彼女は

今日、その一人に選ばれ

セピアの庭に陳列されるのです


もう動かない人形として


彼女は彼のコレクション

「美しかったもの」シリーズ

さて、何人目ですか?


できそこないの私は知ることはありません

君が私に教えてくれることもないでしょう


私はセピアの庭には入れません


「心が醜い」

そう、君に断罪されたから


できそこないはできそこないらしく

汚らしく

生きていくでしょう


人形の血で汚れている

君を

同罪だと非難して

罪を擦り付けて



そうして君は一層、外ばかり見るでしょう

セピアの庭を夢見て


私も

君が誰だか分からなくなるでしょう


何故なら私が見ている君は

もう君ではなくて


君はセピアの庭に住んでいて

もうここにはいないのですから

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