虚構の時代がやってきた
AIの精度が上がった。
最初の頃は微妙に変な動きや描写があってすぐに生成AIの動画だとわかったけれど、最近はよくよく見てもわからないことが増えてきましたね。
動画に加え声も違和感がなくなって本人が実際に言ったのかと勘違いしてしまいそうだ。
溢れるように流れる生成AIにほっこりしたり笑ったりしている。笑えるうちはいい。でもね、ちょっとばかし怖かったりもするのです。
技術を磨かなくてもプロ並みの絵を作れて、素人でも本物のような動画を作れる。誰でもアーティストとして稼げるようになったと思えば画期的だ。だけど、生成AIの発達が少し怖い。
本物と偽物の境が危うくなったことに加え、他人の生み出したものを気軽に拝借してもかまわないと思ってしまう感覚が育っていたりはしないだろうか。
昔の写真を動かした動画がテレビで紹介されているのを見たことがある。写真を動かせるなら同級生や知人が写っている動画を使って、さらにリアルで自然な動画を作ることが素人にも容易くできるようになるのではないか?
■誰でも生成AIで簡単に動画を作れるようになったら。
回転寿司のお店で醤油の入れ物に口をつけて動画を上げ炎上したケースがありましたね。
誰でも使えるということは、面白いと思って「しでかしてしまう人」でも扱えるようになるということです。そんな事を考えるとひやりとしませんか?
面白いと思って悪ふざけが過ぎただけならまだいい。(いいのか? 苦笑)
いじめを面白がってする人や誰かを貶めたいと思う人が、ターゲットの映像を元に動画を生成AIで作ることが可能になると思うとそら恐ろしい。
本人が実際にはしていなくても、本当の映像だと錯覚するクオリティーで、しでかし映像をネットに拡散されたらたまらない。
ある日、玄関に警察がやってきて何がなんだかわからないうちに拘束されてしまう。そんな事が起こったら怖い。考えすぎかもしれないけれど、枝葉を考えてしまうのは創作系人間の性なのだと思う。想像することを止められない。
■オールドメディアと叩くけれど
情報が片寄っている、情報操作だ、外国資本に操られているなどなど。色々と叩かれているメディアだけど、私はSNSも油断がならないと思っている。
切り抜き動画が沢山出回っている。それに反応する人は多いけれど、実際の話の流れはどうだったのかと元になった動画を探してじっくり見る人はどれだけいるんだろうか。
自分が気に入って見ているYouTuberの発言を鵜呑みにしてはいないか。
生成AIはリアルさを増し、素人でも本物のようにしか見えない偽動画を作れる時代がやってきている。
そして、私たちは気軽にその動画を拡散できるんだ。
正義の心をくすぐられて、あるいは手助けをするつもりで、自分が見聞きしたことが正しいと思って。お金を稼ぐために視聴回数を増やしたいと思う人間の口車に乗っていると気づかずに、事実ではないことを拡散してしまうことも増えてきそうだ。
センセーショナルな謳い文句に過敏に反応して、いいねを押す感覚で気軽にコメントを残す。叩かれた瞬間「痛い!」と瞬時に反応するみたいに、感情そのままの強い口調で他人を叩く。
面と向かってなら言えないような強い言葉を選んでサンドバックを叩くように言葉をぶつける。先に付けられた誰かのコメントに触発されて、他人が先にやってるんだから自分もやっていいと勝手に思い込んで人を攻撃する。
記者会見で罵声を浴びせるような記者を見て眉をひそめながら、ネット上では似たようなことをしてしまう。
動画が事実か作り物かを調べるより先に叩いてしまう。辛辣な言葉を投げつけても相手を目の前にしていないから実感は伴わない。
■虚構がリアルさを増していく
人の手を介した画像が溢れるネットの世界に人はどれだけの時間を割いているのだろう。現実よりバーチャルに浸る時間が長い人はどれだけいるのか。
現実の人間関係は希薄だがネット社会ではけっこう本音を吐ける友達が沢山いるという人も増えているかもしれない。
出社せずアバターを使ってネット会議、なんて事が当たり前の時代も近いんだろうな、などと考えたりもします。
相手の素顔も知らずに人間関係を構築しているのは現代では珍しいことではない。Xで繋がるFFさんといろんな話をするけどオフラインではあったことがない。私にもそんなお友達沢山います。
ネットで繋がっているだけで実際に会うことがない友達や知り合い。ネットだけなら相手がAIでもわからないですね。
いまのAIは人と話しているより楽しく会話できるってこともありそうですが、気づいたら繋がってたFFさんの大半がAIでした・・・・・・なんて、笑えないことになっていたりして。
いや、もうそんな時代だと虚構こそがリアルなのかも知れなくて。繋がっている全員がAIだと知ってもなんとも思わないのかもしれないですね。
◆◇◆ 虚構の時代がやってきた/終わり ◆◇◆




