イメージチェンジ
「ああ・・・ここは天国ね」
まだ合宿中。
南国の浜辺を露出の多い水着で横になる私。
「流歌ちゃん、焼けちゃうよぉ?」
「別にいいじゃない」
「お父さん厳しいんでしょぉ?そんなエッチな水着の跡がついたらぁ」
「あ!!」
あ、危なかった。ありがとう頼子。
いや風呂でも覗かれない限りはバレ無いと思うけど。
それでも夏は薄着の季節。用心に越した事は無い。
パラソルの日陰に入るか。
「んー、ちょっと跡が付いちゃったかな・・・」
「ほんのりだからぁ、解んないよぉ」
「君島さん、遊んでばかりいないで指導してくださいませ」
「砂浜に塩ビ盤持って来たの?」
いいけどさ。
あ、水着で寝っ転がりながら将棋ってのもいいね。
なんだか優雅。
「お行儀が悪いですわよ?」
「玲奈も寝っ転がりなよ。リラックスした体勢で指したほうが良い手が浮かぶかもよ」
「なるほど、一理ありますわね」
横になり、玲奈のおっぱいも谷間が深くなる。
良い乳してるなぁ。
「玲奈、次の大会はいつなの?」
「去年も出た9月のオール学生団体戦ですわ。今回は2チームで出ますわよ」
2チーム?
白湯女A・白湯女Bで出るらしい。
Aは2年生チーム、Bは1年の中から選抜。
「3チーム出る学校もありますのよ。そう考えると参加校は少ないんですわね」
確か5人で1チームだっけ。
それが64チーム。
一校で複数チーム参加OKなら実質40~50校しか出ない事になるのかな。
一応全国大会なのに、そんなもんなんだね。
交通費が大変だから、遠い人は来ないという現状もある。
「来るのが大変なら、ネットで参加とか出来ると良いんだけどね」
「ですが、ネットだとソフト指しという抜け穴がありますわ」
そうなんだよね。卑怯者の存在が、範囲を狭めている。
シラケる事平気で出来る人って何が楽しいんだろ?
実力で勝たなくても嬉しい物なのだろうか。
「あ・・・この手はどうですか?」
「よく気付いたね。良い手だよ」
嬉しそうな玲奈。将棋はこうでないと。
「でもこうすると・・・」パチン
「おんのれええええ!!!」
砂浜を転がる玲奈。
暴れるとおっぱい見えちゃうよー。
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「君島先輩、ウチにも指導をお願いしたいんやけど・・・」
おお、君はHカップの織華ちゃん。
引っ込み思案のせいか、今まで言って来なかったね。
エッチな水着のお陰で大胆になった?
「それもあるかもしれへん。なんか生まれ変わった気分やわ」
そうでしょそうでしょ。
私はそれを計算していたのよ!嘘だけど。
「でも、本当に良い体をしてるわね、もっとお洒落したらいいのに」
「う、ウチに似合うやろか?」
「髪ももっとサッパリして・・・可愛いんだから」
「ええ?ウソやろ?」
本当だよ?磨けば光る逸材だよ。
大学デビューしたら?
「う、ウチ、そう言うのよう解らんから」
「その気があるなら見立ててあげても良いわよ?」
「え?お、お願いします!」
おお、凄く食いついて来た。
ちょっとびっくりしちゃった。
かっこつけたけど、私の服もママの見立てなんだよね。
・・・ここはママに丸投げするか。
「さ、早速今日にでも」
「ええ?さすがに石垣島のお店は知らないよ?」
「あ、せ、せやね。ここやとお洒落ショップがあるかどうか」
「(お洒落ショップ?)東京に戻ったら、お店と美容院を紹介するからね」
「は、はい」
凄く嬉しそう。
綺麗になりたかったんだな・・・
でも勇気が出せずにいた。
これをきっかけに、変わってくれると良いのかな?
変わりすぎてビッチになったらどうしよう。
ママにはその辺も気を付けてもらうよう言っておこう。
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東京に戻った。
すぐにママに頼み、織華ちゃんを連れ、服を身立てる。
それ派手すぎない?え?あの子にはエッチな水着の跡があったから大丈夫?
さっき更衣室で見たの?
私にもあるんだけどな。
ほんのり焼けたと思ってたけど、一日経ったら結構くっきりになった。
服の次は美容院。
ママのオススメで私も使っているお店だ。
美容師に任せて私達は喫茶店で一休み。
そして2時間後。
「す、すっごい変わったね」
「素材が良かったのよ」
ちょっぴり恥ずかしそうな織華ちゃん。
でも笑顔で解る。凄く嬉しそう。
織華ちゃんは、美容師に勧められるままに、カラーリングまでして髪が明るくなってた。
厚ぼったく目元まで隠していた髪はスッキリし、自信に満ちた顔をメイクしてもらっていた。
そしてHカップのボディ・・・凄く色っぽい。
「谷間が・・・」
「いややわ、君島先輩♡」
「凄いわね、流歌ちゃんももうちょっと・・・」
何よ!貴方の遺伝子でしょ!
でもママはDだっけ?
遺伝子仕事しなさいよ!
「あれ?メガネは?」
「メガネすると台無しやから、コンタクトも買わんと・・・それと化粧品も」
「まあ、出費続きね。大丈夫なの?」
「ほんで、その君島先輩、ウチも記録係のお仕事やりたいんやけど」
ああ、やっぱり予算オーバーなの?
記録係の仕事なら私より玲奈に頼んだ方が良いわよ。
私なんかよりも連盟の職員さんと仲良くしてるから。
織華ちゃんを車で送って、バイバイした。
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すぐに女流玉座戦の本戦二回戦があった。
相手は清氷女流六段。
リベンジのチャンスがやってきたか。
今回は前のようにはいかない。
序盤から差をつけ、中盤には大差をつけることに成功した。
清氷さんは潔く投了。
やった、これで次は準決だ。
立て続けに今度は男性棋戦の玉座戦の第一予選。
なんと持ち時間が5時間。ひぇぇぇぇ。
こんな長い持ち時間でやった事無い。
相手は40代でフリークラスの六段。
正直実力的にはかなり弱い人。
だが案の定、正座に苦しむ事になる。
い、いたい、いたいよぉ。
と言うか、この人すっごい私の脚見てるよ。気持ち悪いよぉ。
この短めのスカートは失敗だったかな。
もう大差が付いてるのに、持ち時間一杯まで使って私の足を見つめる六段。
早く投了してよぉ。辛いのよぉ。
私が悶えるもんだから、余計興奮してるような。
残り時間10秒切ったところで投了して来た。
「そんな短いスカート履いて来るなんてけしからん」
「ええ?じゃあ次から先生との対局の時は脚を隠します」
「・・・いや、でも夏だしな。暑いから無理はしないように」
なんなのよ!
何をいきなり説教始めてんのよ!
もう絶対履いて来ないから!
そして次の日、夏休み中の大学に行く。
「織華、おっぱい出しすぎなのだ」
「せ、せやろか?」
すっかりイメチェンした織華ちゃんが大胆な服で将棋指してた。
わー、あれは目の毒だね。
「あ、君島先輩、ちょっとご相談があるんやけど」
「どうしたの?」
廊下に呼び出される。
なになに、皆には聞かせられない話?
「告白された?」
「はい、ウチどうしていいんか」
「え?付き合いたいなら付き合えば?」
「そ、それが、告白されたん初めてやし・・・」
そんな事私に聞かれても。
「そもそもその人の事好きなの?」
「それが、歩いてたら初めて会った人にいきなり」
「ナンパ?」
「そ、そうなんやろか?」
織華ちゃんは学校の近くにアパートを借りてるそうなのだが、学校に来る途中に歩いてたらいきなり声をかけられたらしい。
その恰好で歩いてたの?
それは良くないよ、何か上に羽織らないと。
「明らかなナンパじゃないの」
「で、でもウチよう解らんから」
メアドだけ教えてしまったらしい。
スマホ見せて?
あーあ、メッセージがいっぱい来てるよ。
「良さそうな人なら、別に付き合っても良いと思うけど、ナンパは当然体目当ても多い訳で」
「か!体目当て?!」
「そ、そんなビックリしなくても」
「ど、どないしよ、ウチ、どないしたらええの?」
えー、私がナンパされた訳じゃ無いからなぁ。
ちょっとメールの内容を見ても良い?
「・・・ああ、お酒飲もうってこれ」
酔わせてどうしたいか丸解りだ。
織華ちゃんはまだ18歳なのに。
「その気が無いなら、受信拒否した方が良いと思うよ」
「そ、そうするわ、東京怖いぃ~」
いや、関西でもその恰好で歩いてたら・・・
というか文京区は治安が良い方なんだけど。
ああ、もっとちゃんと教えとくんだったな。
「織華ちゃん、記録係の仕事したいのなら、渋谷区に行く事になると思うけど、ナンパの他にもキャッチとか、酷いのになるとAVのスカウトとかも居るんだからね」
「え、AV・・・」クラッ
「電車に乗るならチカンにも気を付けないと」
「ち、チカン・・・」クラクラッ
「だ、大丈夫?その恰好はまだ早かったのかな?」
「そ、そんな事は、お洒落はむっちゃ気にいっとるんですけど」
急にモテだして、対応が追いついていない。
大丈夫、すぐに慣れるよ。
男のあしらい方は遥が得意だよ。
聞いてみると良いよ。
「だ、大丈夫です。そうやね、慣れへんと」
「うん・・・でもあまり無理しちゃ駄目だよ?」
モテる事は悪い事じゃないからね。
でも自衛手段も必要だよ。
私も防犯ブザーと催涙スプレーは持ってるし。
すぐに通販で買うって。
ナンパ相手にいきなり噴射しちゃ駄目だよ?
悪い人ばかりじゃないからね。




