このフラグだけは…
俺の名前は、安藤 圭…フリガナが付いてないのは気にするな。どうせこの話だけの登場人物なのだから、フリガナも要らないって作者の判断だろう…って俺はなにを言ってるんだ。
さて、気を取り直して、俺は帰宅部なもんだから学校が終わると帰ることしか用事はない。早く帰ってなにをしよっかな~なんて考えながら校門まで向かう。
「もし…」
誰かの声がする。普通は気にしないのだろうが、なぜか不安になりその声の元へ向かう
「もし…俺がホームラン打ったら…付き合って…くれませんか?」
その瞬間俺に戦慄が走る…告った奴は野球部のエース、告られた側は俺の好きな花ちゃんだったから…
これはフラグでホームランを打って本来ならハッピーエンド、本来ならな。
俺は知っている。ここはフラグの成立しない世界だと。残念だったな野球部のエースくん。お前にホームランは打てない、花ちゃんは俺の物だ。(残念ながら圭くんのものでもありません。)
なんやかんやで大会日になりました。圭くんは実は心配で野球を見に来たそうです。その結果は……
「ごめん俺、ホームラン打てなかった。」
こんなに無様な姿があるだろうか? ここまで恥ずかしい姿を…晒して…ぷぷ
圭は笑っているが、こんなにクズ野郎もいるだろうか? ここまで来ると人間の恥だ…。
「でもね、私…」
初めて花ちゃんが喋った! この話で初声だ! この話にしか出ないけど。
「頑張ってる姿も…かっこよかったと思う…」
雲行きが怪しくなる…ゴクリと唾を飲み、圭はその場を見守る。
「だからね! これからも頑張って!!」
それだけ言い残すと、圭の隠れている元へと走ってくる。野球部のエースは凄く残念そうだ。
「花ちゃん!」
花ちゃんはこちらに気がつくと進めていた足を止める。
「花ちゃん…俺…花ちゃんの事が…」
「アンタは100パーないから」
それだけ言い残すと、花ちゃんは足早にどこかへ行ってしまった。