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2フレーム目 『ものぐさな彼』
また彼がバイトをサボったらしい。
運送会社はきついと言う。
「猫が運んでくれたら楽なのにな」
「それはもうあるでしょ」
私からすると、彼はものぐさだ。人の荷物はおろか自分の荷物すらろくに運ぼうとしない。
1メートル先のものを取りに行くのも億劫だという。ものぐさにも程がある。
牛乳が少なくなったら、気づいた方が買っておくルールなのに、彼が率先して買いに行ったことは、一度も無い。まったく。
そうそう、こないだは私がゲリラ豪雨にあって、「駅から帰れない」と連絡したのに、なかなか傘を持ってこなかった。
数十分待ってたら、やっと彼が来た。
彼の手には近所の洋菓子屋の箱を持っていた。
「これ急に食べたくなったんだ。後で食べようぜ」
なんだよ。キミ、変なところで、ものぐさじゃないな。
ちゃんとバイト行けよ。
ケーキ美味しかったです。