それはさておき。『おい。フェンシングしろよ』と思うイケメンであった。
イケメンは不満だ。
こんなイケメンを長らく放置プレイし続けた誰かに対して、不満しかない。
僕を待つファンがいるというのにこの体たらく。情けない。
忘れてしまった人へのあらすじ
アルメーシャの街に付いたイケメン。そこはかつて、隕石が落ちた近くに開かれた町であり、今なお盛況である。隕石が落ちた場所にダンジョンが出来たことを知ったイケメンたちだったが、まずは己の装備発掘のためとダンジョンに数日潜り続けた。
外に出るころには大量の武器防具(レアもの多し)が積載されていて、どこかに売るのではなく自分たちで売ることに。そこで儲けたお金で新たな装備を買い込み、無双モードへ!
しかし、隕石のダンジョン最奥には、かつてこの世界を脅かした『悪夢』が眠っているのであった。
というわかりやすいあらすじだけど、そんな短いくせに何ページもうだうだやっていることが出来るのはひとえにイケメンの僕のお陰だと思う。
皆イケメンが大好きだってのは公然の事実だしね!
ああ、僕の名前は榊涼太。姓名共にイケメンな、イケメンに相応しい名前だと思わないかい?
体つきも細くたくましくシャープな顔立ちで輝いている!
ここまでイケメンに成れたのは僕の努力の賜物だ!
実を言うと僕は異世界転生をする必要がないほどのハイスペックぶりでね! 顔よし、成績よし、運動神経よしで、まさに順風満帆。末はイケメン社長かイケメン大統領にでもなれるほどと本気で思っているよ。……だけど、天は2物以上くれる代わりに最悪な呪いを僕に施していった。
それが『男にモテるスキル』だ。屈強な男からも優男からもモテる。とにかく、モテる。
正直そのせいで僕は男と見るや拒絶反応を起こすくらいだ。
男は僕以外死滅しても一向にかまわないと思っている。
だって女の子さえいれば!! どうにでもなるんだからね! そんなお願い事をしてたら神様が来て、僕のスキルリセットと同時に異世界に送ってくれた! 詳しくは最初から読んで欲しいけど、僕の最新の活躍を読んでも一向にかまわない!
まあとにかく僕は流行りの異世界転生をしてきたイケメン、榊涼太。いいかい? 榊涼太だ。だけどリョーさんとか呼ぶなよ? 別の人物を思い出すから。
「……さて」
仕切り直しに便利なセリフ個人的第2位「さて」を用いた僕が見たものは、アルメーシャ近郊にある隕石のダンジョンへの入口と……その前に立つ大勢の獣人たちだ。
隕石が落ちた場所は、想像通りクレーターがあって、その最奥中央にある場所にダンジョンはある。何百人降りたとしても、スペースに余裕がありそうなクレーターだ。
長年経って綺麗な草木はあるものの、漂う気配は誤魔化すことは出来ない。
居合わせていた獣人は皆、整列していた。物々しく暑苦しいから近寄りたくない。
「あれはなんだろう?」
出で立ちからして普通の冒険者ではない。優に50人(匹)はいる獣人全員にいきわたる装備の数々は、武器こそ個性はあるものの、防具類は統一されている。
ギルドのメンバーかと思ったけど、ここ最近このダンジョンに挑みすぎて犠牲者数も結構だから、それはないと思う。
「ああ。あれは【ダンジョン管理協会】だな。久しぶりに見たぞ」
サモンハウス(馬)を連れながら、でっかい骨付き肉にがぶりつくのはアイリだ。
先日購入した装備のお陰で、やたらと注目を浴びている。
まあとにかく、でかい。がたいも、背も、僕以上にでかく筋肉量は多い。
褐色で金髪のショート。オークの獣人というらしいが、オークというには疑問を感じるくらい、人間に近い容姿をしている。
じろじろ見てくる視線の量が多いのは前からもだったが、今や目のやり場に困る格好をしている。
額に付けた【聖獣の角】はまだいい。白く長くて目立つけど、綺麗だから良いよ。
問題は【黒紐】とかいうどう考えても紐だろという防具。あれだ、紐ビキニだ。僕が子供の頃ゲームで「こんな防具あるんだぜー」とか友達に見せられて、「ないない。こんなの着るのって痴女だよ」と笑った……あの装備に似ている。
かろうじて胸の先端付近が見えない、かろうじて下の……毛が見えない程度の食い込み具合。
思春期に対する挑戦状だよこんなの! しかも買った時は腋の毛も剃り忘れていたから指摘したけど、今も普通に剃り残しあるし、恥ずかしがっていないし、頼むから気にしてくれよと!
こんな装備でも安くて機能性が抜群というおかしな世界だ。もっとも安価だったのは「他に買う人がいなかった」からだそうだ。当たり前だよ! アニメ化しても絶対に放送拒否だよこんなの!
「ダンジョン管理協会?」
「そうだよ旦那、ダンジョンって沸いたり消えたりするものじゃん? 沸いたらそれを記録したり、管理者を決めたり、一番最初に潜るのも協会員。調査管理の団体さ」
あのエンブレムがその証拠だよとも教えてくれた。たしかに、【鎧の右肩には六芒星の魔法陣が描かれている】。
「大方、だあれもクリアできないから来たんだろう。そういう役割も担っているしさ。皆が皆、旦那みたいに強いとも限らねえし」
なるほど。やっぱり『悪夢』は強いのか。
「まあ。ダンジョンを放置するのはとても危険ですものね」
落ち着いた言葉と共に歩いてきたのは、スフレちゃんだ。
お菓子みたいな名前だけど、それと同じくらい甘い容姿をしている。
ふわりと良い匂い香る茶髪、赤い花飾りをつけていて、僕を見る眼差しには親愛がある。
背はアイリと対照的に小さく、しかし胸は大きい。
黙っていれば庇護欲の具現化をした美少女だけど、彼女も立派な犬の獣人だ。本性を出せば尻尾も出てくる。
有体に言えば美少女だけど、ぼくは以前それに騙されて酷い目にあったこともある。
その制裁をした時から僕になついてくれるようになった、潜在的Mの持ち主であるS。
スフレちゃんのSはサディストのSだと思う。
実用性があるのかないのかわからない、可愛い靴やネックレスや鞭などの装備を持っている。
僕の連れるメンバーの中で唯一の魔法使いである彼女は、これといった武装を要求しない。
だからこの間装備を買い揃えた時も、比較的安価に揃えてきた。確か一番高かったのは、白い無地の【吸魔の法衣】。これだけ。
ちなみに【スフレちゃん】と最後まで言うのがお約束。
「へえ。どう危険なのさ」
「ダンジョンを一杯のコップと仮定しますわ。底の部分から魔力というお水が延々沸いていますの。
それを冒険者がかきだしていますから、コップから水は溢れませんの。
……もしも放っておくと、水が溢れだしてしまいますわ」
魔力の本流か、魔力をもとに製造された魔獣のデスパレードが来るのか。それは怖い。
「でもあれだと通れないね……これじゃ折角装備を用意した意味がなくなっちゃうな」
「こればかりはどうにもなりませんわ。ダンジョン管理協会は、冒険者にっとって王様以上に大事な人(?)たち。
機嫌を損ねたら最悪、永遠にダンジョンに潜れないなんてこともあり得ますわ」
現代社会でもありそうだな。いうこと聞かない社員はクビとか。
なるほど。冒険者は要するに給料現地調達の社員ってわけか。なんというブラック企業だよ。
「僕がギルドを創設した暁には保険とかも作るかな……そこら辺出来るかは考えなきゃだけど」
「さっすがリョータ様……ああいえ、りょー、りょー……うぐぐ」
スフレちゃんは未だに僕の名前を呼び捨てるのに苦心している。
矯正しないといつか『旦那様』『ご主人様』とか言いだしそうだから、今の内に慣れさせなきゃいけない。
「どうするリョータ? 引き返す?」
アイリは旦那。スフレちゃんはリョータ様。の中で、僕を名前そのままで呼んでくれるのはただ一人。
「いいや。イケメンはどこだってフリーパスなんだよ鍋子。暑苦しいけど前進だ」
「そうなの?」
「そうなの」
獣人といっても十人十色(もしくは獣人十色)で、アイリやスフレちゃんみたいに、顔立ちや体つきは人間っぽい獣人もいれば、僕を名前で呼ぶ鍋子のように、獣の部分が色濃く反映された獣人もいる。
違いと言えば見た目と、獣本来の力が引き出されやすいと言う事だろう。
鍋子は兎の獣人で、長い耳や白い体毛、全体的に小柄な体。顔も、輪郭ならば人間の女の子だけど、兎寄りだ。
兎ならではの脚力や、鋭敏な聴力も発揮されやすい。それを活かせる装備【月天の靴】を先日購入し、本人はいたく感動していた。
跳ねる能力が生かされる場面が地面だけでなく、空中にまで広がった。より立体的な角度からの跳躍奇襲と、【雷撃の槍】による一撃必殺が行えるようになった。
テレビゲームで言うキラーラビットになりつつある鍋子。
この間の抜けた名前の由来は是非とも読んで欲しい。彼女が従順になった経緯もあるから。
僕にとっての鍋子とは、この異世界において最初に出会った獣人で、最初に戦った獣人であり、最初に仲間になった獣人でもある。
いわゆる僕の異世界処女を漏れなく奪って行った子である。マスコットとしても女の子としても、そう、とにかく大事な子だ。
「となりゃあ行きますか」
「ええ……ダンジョン協会に楯突くのは嫌ですわよ私」
「楯突くのとは違うね。交渉しに行くんだよスフレちゃん」
「早くこの槍を試したいなー」
クレーターを下る者はいない。だが、見張りはいる。クレーターを降りてすぐに、六芒星を連ねた鎧の獣人が僕らに槍を突きつけた。トカゲの獣人……いや、とかげって獣なのかな? まあいいや。どのみち、物騒極まりないよ全く。
「ここは現在部隊長の進撃予定地だ。部外者は立ち退いてもらおう」
「よせよ。僕がイケメンだからって熱烈なアピールするなって」
「誰がするか!? 何だ貴様、喧嘩を売りに来たのか!?」
チョロイ。こんな見え透いた挑発に引っ掛かってくれるのか。
「僕らこの街に来て、隕石のダンジョン攻略をしに来たんだよ」
「なんだと? 所属ギルドもないのか?」
「ご名答。僕らは4人で一つの団体だからね。だけど装備とかの刷新のために別のダンジョンに籠ったりしていたんだけど」
あえてのぞき込むような動作をしてみる……警戒度はまだ高いな。盾で僕の視界を塞いでくる。
「いつの間にか入れなくなっているんだよね。どうしてかな?」
「何だそんなことか」
にやりと笑った見張り。そんなに聞きたきゃ教えてやると言うセリフが似合いそうだ。
「ここのギルド連中が不甲斐ないから、部隊長殿がキッチリ倒しに行くんだよ」
舐め腐った台詞だけど僕は一向に気にしない。だって僕には関係ない話だからね。
「なあるほど」
「それよかその、そっちの姉ちゃんはそんな恰好してなんだ、罰ゲームか何かか?」
「……旦那。こいつ殺していい?」
「正論言われて怒るのはカッコ悪いよ?」
「旦那!!? な、ええ、フォローなしかよ!?」
うろたえすぎだよ……。相手も笑っちゃってるじゃないか。まあ、罰ゲームだと思われても仕方がないよねやっぱり。
「良いじゃないですの? 豚らしくチャーシューみたいで」
「犬ころぉおお! てめえ、てめえ……!」
「あらやだ怖いですわ。また豚にしちゃいましょうかしら?」
「スフレちゃん、冗談はほどほどにね。僕も豚顔にされたの思い出すから。また思い出してキレそうになるから」
「ごめんなさい旦那様!」
あ。いかんいかん。ド鬼畜になるところだった。スフレちゃん制裁時の僕は今出すとややこしいから却下。
「はっはっは! 何だお前ら、冒険者かと思ったら単なる漫才師か! はっはっは!」
「何言ってるんだ。僕はどう考えても主演男優だろう?」
「リョータ、話が進まないよ!?」
「さっきから煩いぞ馬鹿者ども!」
僕らの雑談の声が大きかったのだろうか、リーダーらしき獣人が歩み寄ってくる。
なんだろう、鍋子やスフレちゃんよりちょっとだけデカい程度の伸長で、随分と態度は大きい。
「も、申し訳ございません部隊長!」
「良い。我が物申したいのは貴様だ、通りすがりの一般人!」
「僕を一般人と言うからには君は偉いのだろうね?」
「リョータ、何言ってるのかわかんない」
猫のイケメン獣人だ。先日のダンジョン内発表の時もそうだけど、わかりやすい獣寄りの顔立ちで、真っ白と茶色の綺麗に混じった毛並みは、高級住宅街にいそうな高貴猫を彷彿とさせる。
きっと餌は一食数千円で、当然のように血統書付きだろう。やたら大きな態度などを見てそう僕は感じた。
「我はダンジョン管理協会調査部門部隊長、アルバス。白牙のアルバスだ!」
「白牙」
「白牙??」
「二つ名ですの?」
「……もっといい二つ名なかったの?」
鍋子の無垢な言葉が、アルバスの理性を粉微塵に吹き飛ばした。
ブルブルと震えあがるアルバスは、鍋子に、愛用の杖を突きだす。
「わ、我が、協会長より賜った二つ名を愚弄するか貴様あああああ!!!
それなら決闘だ馬鹿者!! この、馬鹿者!! 馬鹿者ぉおおおおあああ!!」
怒りの沸点低いぞコイツ。……いやまあ、僕もイケメンを否定されたり顔を傷つけられたらこうなるか。
どこかシンパシーを感じるね。まあでも話が早くなりそうだ。
「決闘に勝ったら通してくれます?」
「勝てればなあ! 勝ってみろ馬鹿者!」
「鍋子。言質は取った。戦って勝て。殺さないように」
「え、ああうん! 了解!」
さあて。滅茶苦茶強くなった鍋子がどこまで通じるかな。
「旦那。鍋子ちゃんを信じるのはアタイもだけど、相手強そうだけどいいのか?」
「僕は鍋子を信じているよ。アイリもスフレちゃんもね。……それになんだか、僕らの中であいつと戦って相性よさそうなのって、鍋子なんだよね」
半身で、アルバスは水晶が乗った金属製の杖を構えている。剣道ではない、フェンシングのような構えだ。
イケメン的なスポーツみたいだけど、現代的なフェンシングって地味な上に汗まみれでイケメンとは程遠い。……が、こういうファンタジーな世界だと、イケメンに見える。良いなーフェンシング。
「互いの、首に武器を突き立てた者の勝ちだ。後悔させてやるぞ兎……我ら猫の主菜は肉なのだよ!」
「なんか自信満々だね……どうしよっかな……」
クレーターを舞台に始まる、アルバスと鍋子の戦い。その火ぶたを切ったのは、アルバスだった。
「はぁ!」
突き出した杖は、異様な速さで鍋子の額目掛けて飛んで行った。
が、これに反応した鍋子は即座に後ろに跳んで躱す。
「せい! やぁ!」
……杖で斬撃の挙動をしている? 何かがおかしい。そう僕が感じた時だ。
「見よ、白き牙を!」
連撃中、鍋子も異変に気付いた。アルバスは先ほどから、一定距離を開けたまま斬撃をしてくる。
あと十数センチメートルほどの間合いを切ってくる。鍋子が躱したばかりではない、空振りの時でさえも。
その気付きがなければ、鍋子はなます切りにされていた。
「あう!?」
奴め。杖の先端部分から、氷の刃を出していた。ギリギリよけられる間合いを体に叩き込んだ後の、不意打ちじみた正攻法。
いつの間にか小さな槍からなぎなた、からのトライデント。刃が段々と長くなっていく。
相手の見切りを許すつもりはないらしい。
「避けるか。勘のいい!」
杖が、いつの間にか光り輝く剣になった。白い薄氷の剣。アイスソードと言っても過言ではない。
それを今度は大きく間合いを取って、アルバスはググっと力を溜めた。
「不味い!」
何かを感じたのだろう。鍋子は空へ跳ねた。
一瞬。アルバスは真一文字に杖を振るった。間合いなど優に数メートルはありそうな、鍋子がいた場所に零下の斬撃が奔った。
綺麗な霜が散り、大気の熱で溶けていく。
「我が一閃を避けただと!? 小癪な!」
猫も空を飛べない。鍋子は……。
「だが空に行ったが運の尽きよ!」
そう。空中では身動きが取れない。アルバスは杖本来の力である氷の魔法を放出し、極厚のツララを何本も精製した。下から対空ミサイルの如く発射し、鍋子目掛けて飛んでいく。
鍋子は一呼吸置いた。そうだ、見せてやれ。僕と最初に戦った時でも十分早かった。今はもう、そんな限界当に越えているはずだ。
「やぁあ!」
空を、蹴った。【月天の靴】でジグザグ移動を空中で行う。これが満月の夜なら、月の兎が地上に駆け降りるように見えたはずだ。
アルバスはこの挙動に驚いたが、部隊長を名乗るだけあってすぐさま体制を立て直そうとした。
「決まりだぁ!」
キラーラビット。これが命を賭けた決闘ならば、鍋子はそう名乗っても差し支えなかった。
一気に間合いを詰めて、溜めに溜めた、瞬の一撃を鍋子は瞳を煌かせて、放つ。それはアルバスの金属製の杖に穿たれた。
「うぐぅががぁああ!?」
抑えたのか。アルバスに駆け巡る電撃の量は弱く、彼を数分間痺れさせるにとどまった。
感電し、負けたショックとの複合でアルバスは前のめりに倒れた。
隊員がアルバスの敗北に唖然とする。誰もその事実を受け入れられないようだ。
「ぶ、部隊長殿おおおおおおお!!」
僕らを散々笑っていた見張りに、最早余裕の表情などない。
部隊長を抱えて、鍋子や僕らを見て、一歩、二歩、後退する。
「約束だよ。通してもらおうか」
「う、うぐぐ……」
部隊員は誰も何も言わなかった。部隊長が決闘の上でした約束事だ。それをこちらの都合で反故にしたとあれば、部隊長は一生自分たちを許すまいと誰もが考えている。
「……通れ!」
無念であり、畏怖でもあり、綯交ぜになった感情を吐き捨てるように見張りはその場を去った。部隊長なしでの進撃は出来ないと、隊員たちも撤収する。
「言っただろう鍋子。イケメンはフリーパスなんだ。よくやったね」
完全勝利に僕は頭を撫でることで報いた。それがうれしかったのだろう、鍋子はにっかりと笑った。
実に半年ぶりの更新。長かった。長かったです。未だに読んでくれている人もいて嬉しかったです。
それはそうと次回予告
謎の姫「今日は次回予告に紹介したにもかかわらず一切出番がないことを通告された哀れなお姫様の手料理コーナーよ! というかこのお話のどこに姫を出そうと思ったのかしら? 暗殺者すら放置プレイなのにキャラ増やそうとして半年も経ったころに「御免。このお話で出せない」とか詐欺ではない? 詐欺ではありません? ねえ? どころか暗殺者の伏線に全力降る姿勢ってどういうことなのかしら? まあ。もうこんな時間。料理すら出来なかった……と思っていました? ありますよここに! はい、姫特製ジャンボハンバーグ! 巨像の尻尾を使った贅沢ステーキですの!」
おのれ謎の姫ぇ! 貴様のせいでこの次回予告まで破壊されてしまった!




