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善良なイケメンの僕は美少女とイチャイチャしたいがために転生しました。  作者: 死んだふり
地雷でパない! 首輪をかけろ! 魔法少女スフレ登場
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家族が笑って過ごせる家? 僕はまだ子供だ。家族を持つのは早い。



どんなに万全の計画を練ったところで、

余念なく遂行してきたとはいえ、

人間であれば成功確率なんてたかが知れている。



今、相手はどんな顔をしているのだろうか。

スフレちゃんのいるであろう空家まで案内される僕と鍋子とアイリ。


案内役のロコウさんは、ここが敵のアジトだという情報を全く知らない。

だが、それでいい。この件は僕の問題だ。

……ところで、気になったことがある。



「ロコウさんは僕の顔変わってるの……気にしないのかい?」

「リョーさんはリョーさんじゃねえか。顔がどうしたってんだい」


顔を侮るような口ぶりだが許そう。


「ならいいんだ。

 この家なんだね?」


恐らく、今もスフレちゃんの監視は続いているのだろう。

だからこそ、先程まで愉悦混じりに見ていた図が容易に想像できる。


ところが一転。


住処としている場所を当てられるが、

これが偶然か必然か判断しかねていると思う。

逃げようとすればゲートを使えば良いのだからね。


「ロコウさん、ちょっと中を見てきますね」

「おう! じっくり見てくれ。これが鍵だ」


鍵を預かり、僕たちは中に入った。

ロコウさんには適当な理由をつけて待ってもらう。




「……なるほどー、いい家だな―」


若干棒読みになっているアイリ。

我慢してくれ。もうすぐ君の念願叶うんだからさ。


「寝室! 寝室行こうよリョータ!」

「お前は首輪無いとずっと盛っているな……」


まじめに考えてみたのだが、

人間型とはいえ、鍋子とその……あれこれって出来るのか?

その上で子沢山とか出来るのかね?

だってウサギだぞ? そもそもDNA違うじゃないか。


「待ってくれ鍋子。

 こういう空家にはさ、男としてロマンがほしいんだ。

 多分、この家にはある」


「あるってなにが?」



「地下室とか天井への隠し階段とかさ」

「なんだそれすっげーワクワクするな旦那!」


君は男じゃないよなアイリ。


「……まあ、その前に寝室も悪く無いけど」



ふふふ。見てるだろ、聞いてもいるだろう。

スフレちゃん、今のは君に宛てたメッセージだ。

逃げ出したい気持ち。

でもゲート持ちだから安心できる気持ち。

分かるよ。その気持ち。スリル満点だろう?


地下か天井裏かどっちで待ち構えているか知らないけどさ、

もうすぐ君は青ざめるのさ。



「あ」


鍋子は僕の真後ろに槍を走らせる。

――ゅんと風を貫く心地よい音の先、

下卑た化物のうめき声がした。


「気を付けてリョータ。ここ、魔物いる」



その化物は煙になって消滅し、天井へと消えていく。



「……どういうことだ鍋子?

 ああいう煙になって消える魔物は、

 ダンジョン限定じゃあなかったのか?」


「そ、そうだよね? どうしてだろう?」


「旦那どうする? 一旦外に出るか?

 突っ込むか?」



疑問符ばかりの僕らに追撃とばかりに襲いかかる魔物。床から、

何もない空間から。どんどん出てきては、

僕の仲間である鍋子とアイリにだけ攻撃を仕掛けてくる。


「おんどりゃぁあああああ!」


まあ当然、そんなの物ともしないのは言うまでもない。

しかし、やはり変だ。

木造の空家。アイリは床に叩きつけるように敵を倒してるはずなのに、

全く床に穴があかない。


「……これは推測だけど、

 この空家……簡易的なダンジョンになっているかもしれない」



玄関のドアを開けようと試みたが、

やはり、開かない。


「まんまと嵌められたってことか。

 聞こえてるんだろうスフレちゃん。

 君は僕が謝るまで、出す気は無いんだろう?」



返事の代わりに来たのは魔物だ。


「え、演技は良いのかよ旦那?」


「ははは、アイリ。こうなった以上は相手も逃げないから、

 もう演技の必要はないよ」



入る時、パッと見た時は木造2階建て。

敷地面積もそこまで広くない極普通の空家だ。

僕ら3人で暮らすには良いが、

増えれば手狭になりそうな家。


……でも、今この場所はどういう技術か知らないけど、

『一時的にダンジョンになっている』。

見た目からは想像できないような、

広さを持っている可能性がある。



「鍋子、アイリ。あまり先行し過ぎないよう。

 狙いは僕じゃあ無くて君たちだ」


「サドい奴の考えそうなこったね」



魔物の残骸である霧は天井に消える。もしくは床の方に溶けて消える。

最上階と最下層のどちらかに、スフレちゃんはいるはずだ。



「まあなんにせよ、一時でも好意を持った女の子には、

 イケメンは責任をとらなきゃいけない」


ナイフを抜き、炎を宿した。

刃渡り40cm。揺らぐ炎が収束していて、

切れば灼熱が巻き起こる。


「おいたする奴は、絶対に許さないからね」




スフレちゃんプレゼンツ。

空家ダンジョン開幕!


次回予告:唐突に始まったダンジョン! しかしこの展開は予想外だ! 作者も予想外だ! そもそもダンジョンって作れるんですか!? そんな設定いつ出来たの? 今です! そして文量短いのはきっと休日だからです! 次回『空家攻略戦』お楽しみに!

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