登場人物
●速水誠司
土御門機関によって戦前の日本に召喚された、ごく平凡な現代人。
本人は気付いていないが、すぐれた霊的才能と英雄の素質を持つために、梨花の秘術によって召喚された。
霊感は鋭敏だが、異性の好意には鈍感。
過去の帝都東京にて、謎の少女・相馬さつきと出会ったことで、彼の運命は大きく変わる。
●相馬さつき
帝国陸軍の軍服に身を包み、様々な妖術を操る怪人。妖術だけでなく、武芸百般にも通じ、鬼神をも従える霊力を持つ。
大日本帝国陸軍には存在しないはずの女性の将校であり、しかも外見年齢は少女と言って差し支えない。このような彼女の存在は、正しい歴史における大正時代とは何かが違うことを確信させる。
霊的国防を司る土御門機関に所属するが、独自の謎めいた目的を持ち、大正時代に迷いこんだ誠司を導く。その真意は計り知れない。
●土御門梨花
安倍晴明の末裔として知られる、土御門子爵家のお嬢様。怪しげな神秘学に傾倒する放蕩娘として、周囲には認知されている。
しかしその正体は、神秘学を扱う帝国陸軍秘密部隊「土御門機関」に所属する陰陽師である。
好奇心が強く、新しいものが大好きで、最近は西洋魔術のパワーを積極的に取り入れている。ソロモン王の悪魔召喚の魔術を応用し、未来人である誠司を戦前の帝都に呼び出す。
●葵
ある華族の娘で、座敷童を連想させる愛らしい少女。
歳の割りには、非常に落ち着いた性格と物腰を併せ持つが、年期の入ったやくざ者もかくやという豪胆さも併せ持ち、大半のことには動じない。
ある秘密を抱えているために、さつきや梨花に狙われることになる。
●ちーちゃん
梨花には専ら「ちーちゃん」と呼ばれる、本名すら不明の謎の人物。
古風な口調からは、年月の重みが感じられる。人間離れした体術と不思議な妖術は、フィクションにおける忍者を思わせる。
土御門機関の創設に関わる人物だと言われているが、彼女自身は独自の目的を持って暗躍しているようである。