巻の八十一 荒れ寺と心中未遂(前)
巻の八十一 荒れ寺と心中未遂(前)
奥州街道は宇都宮で日光街道と合流し、江戸へと続く。
長月の終わり近く。冷たくなった風を背に、直也と弥生は栗橋、幸手宿を過ぎ、杉戸宿、粕壁宿を経て、越ヶ谷宿 (現越谷市)に差し掛かっていた。
弥生が直也の求婚を受け入れてから十日が過ぎようとしていたが二人の仲はまったく進展していない。それどころか、かえってぎこちなさが増していた。
宿に泊まっても別々の部屋で寝ていたし、
「弥生、日が暮れてきたなあ」
「…うむ、冬の日は短いから仕方ないのう」
そんな会話すら、なんとなく気持ちがこもっていない気がする直也であった。
普段なら、
「越ヶ谷の越は腰で、山地や丘陵地の麓付近にある谷、すなわち低地を意味しておる。大宮の麓にある低地、の意味じゃな」
とかなんとか、説明してくれるのに、
と内心思いながら夕方の光の名残がわずかに残る空を見上げた直也は小さくため息を吐いた。
二人は小さな川にかかる橋を渡るべく歩を進める。と、直也の目に映ったものは。
橋の欄干を乗り越え、いましも川に飛び込もうとしている二人であった。
「待てっ!」
咄嗟に一人の腰を押さえる。二人は帯でお互いを結んでおり、片方を押さえたがため、もう一人も飛び込むことは出来なくなる。
わずかに遅れて弥生も直也に手を貸し、なんとか飛び込みを思いとどまらせることが出来たのであった。
「…後生です、どうか死なせて下さい…」
そう言ったのは若い男。直也と同じくらいか。細面で、どことなく線が細い。
かたや、さめざめと涙を流しているのは若い娘であった。
とにかくそのままにはしておけないため、半ば強引に引きずるようにして二人を川から遠ざける。
そのまま近くにあった稲荷社の境内まで連れて行き、改めて尋ねた。
「若い身空で何ゆえ死に急ぐのじゃ?」
弥生の問いに、男の方が、
「…今生で一緒になれぬなら、せめてあの世で、と…」
それだけ言うとうつむいてしまう。
つまり、二人の仲を親にでも反対されたため、心中しようとしたということか。直也はそう解釈した。
「馬鹿野郎っ!」
直也の怒声が響いた。
心中未遂の二人ははっとして顔を上げる。同情でなく怒りをあらわにした直也に、弥生も内心驚いていた。
その直也は男の胸ぐらを掴むと、
「一緒になれないから心中するのか!?…それは逃げよりも悪い。ただのわがままだ。お前はそのひとのことを本当には好きじゃないんだな。…そっちの娘さんも同じだ」
そう言った直也に男は、
「そ、そんなことはありません。私はお峰のことをこの上なく好いて…います」
「あ…あたしだって…宗一郎さんのことを...」
お峰と言うらしい娘もそう言ってうつむいた。
「そうか?…なら言わせてもらおう」
直也は居住まいを正すと、宗一郎と呼ばれた男に向かって、
「男なら、好いた相手の幸せを願わないでどうする!…死ぬことが幸せか?…違うだろう。お峰さんというのか?…お峰さんの死を願っているわけじゃないだろう?」
そこで直也はお峰を見て、
「お峰さんだって、この男を殺したいと思っているわけじゃないだろうに」
はい…それは、もちろん…、と、二人の口から返事が漏れた。
「そこまで言うのなら考えてみろ。相手も死ぬんだぞ? 好いた相手を死なせていいのか?」
「……」
問い詰める直也に、二人は声もない。
「男だったら、石にかじりついても好きなひとを守れ。…そしてお峰さん、君も、好いた男を力の限り支えてやれ」
そう言い聞かせる直也の言葉を聞きながら、弥生は一人心を打たれていた。
直也がどれだけの覚悟を持って、異類である自分に求婚してくれたのか、その想いの一端に触れた気がしたのだ。
あの日、直也からの求婚を受けて以来、隠れ里の当主である直也に釣り合わぬ自分に悩み、また、直也の母、八重に拒絶され、恩人でもある現隠れ里当主、重蔵に認められなかった時のことを考えてしまうと、これで良かったのか、と、後悔にも似た思いにふけってしまう毎日であったが、今の直也の言葉を聞いて、直也が勢いや情熱といった若い想いに駆られて自分を求めたのではないということが改めて認識できた。
そして自分が何をすべきかということも。
「…私が…間違っていました。…どんなことをしてでも、お峰を幸せにしてみせます」
「…宗一郎さんについて行きます。宗一郎さんを信じます」
直也の言葉に打たれた二人も、生きる決心を固めたようだ。
「よし、そうと決まれば、旅籠を探すとしよう。二人も一緒でいいだろう、弥生?」
「…ああ、もちろんじゃ。宿であらためて事情を聞かせてもらうとしよう」
そこで一行は越谷宿に入り、外れにある小さな旅籠に宿を取ったのである。
* * *
食事、風呂を済ませ、宗一郎とお峰から事情を聞いた。
宗一郎は姓を井関といい、歳は直也と同じ十九。さる大名に仕える武士の嫡男であった。
たまたま主家が日光東照宮参詣した折に伴をし、今市宿(現日光市と合併した旧今市市)に泊まった夜、朋輩に誘われるまま訪れた岡場所、そこで女郎をしていたお峰と出会ったのが始まりで、一目惚れした宗一郎は帰りにもお峰に逢い、離れられない仲となった。
そのお峰の方はというと歳は十七、上州の百姓の娘で、口減らしのために十五の時に売られ、以来女郎をしてきていた。
そんな二人であるから、宗一郎の親が認める筈もなく、思いあまった宗一郎はこっそりとお峰を連れ出し、二人手に手を取って逃げる道中、路銀も尽き、この先の見通しも立たず、絶望した二人はいっそあの世で幸せになろうと、心中を企てたということであった。
月代も伸び、髷も乱れてはいるが、なるほど宗一郎は武士らしさが残っている。
武士の嫡男が元女郎と一緒になるなど、どうあっても許されないであろう。ましてやこの宗一郎、線も細く、親にさからった事など無いだろう。それがお峰をつれて逃げるなど、一世一代の大勝負だったに違いない。
「そうか、大変だったんだな…とりあえず今日はゆっくり休むといい」
「ありがとうございます…」
直也は、二間続きの奥の部屋に二人を休ませ、自分と弥生は手前の部屋に寝ることにした。
灯りを落とし、布団に横になると、弥生が小声で話しかけてきた。
「直也…、少し話をしても良いか?」
ここのところずっと、弥生がよそよそしいので悶々としていた直也に否やはなかった。
「あの二人…幸せになれると思うか?」
弥生は、自分たちと似たような立場の二人に自分たちを重ね合わせていたのである。
「そうだなあ、あの宗一郎がもう少ししっかりしてくれれば大丈夫なんじゃないか?」
「…ふふ」
「何がおかしい?」
押さえたとはいえ、明らかな弥生の笑い声を聞きとがめた直也に、
「…嗤ったのではない。嬉しかったのじゃ。…儂を選んでくれた殿御がお主だった事がな」
「な、な…」
うろたえる直也。無理もない、求婚してからというもの、そっけない態度だった弥生の口から、いきなりこんな科白を聞かされたのだから。
「お主のものになろうと決めたはいいが、儂のような者を選んでしまったことでお主が当主になれなかったらどうしよう、とずっと悩んでおった。じゃが先ほどあの二人にお主が言いきかせた言葉を聞いて迷いが晴れた」
「…弥生、俺は当主になれなくたっていい。弥生がいてくれれば、乞食をしてでも弥生を幸せにしてみせる」
弥生は笑って、
「そんなことは儂がさせぬよ。いざとなればどんな手段を使ってでもお主に不自由はさせぬ」
「弥生…」
そっと直也は弥生に向けて手を差しのばす…が、それは柔らかく押しとどめられた。
「今は駄目じゃ、晴れて夫婦の杯を交わすまでは、の」
翌日、旅籠を出た一行は江戸を目指した。越ヶ谷からならその日のうちに江戸に入れる…筈なのであるが、お峰の足の具合が悪く、歩がはかどらなかったため、千住までしか辿り着けなかった。
とはいえ、もうここからなら江戸は目と鼻の先である。
直也と弥生は、お峰とその面倒を見ている宗一郎の二人を宿に残して、綾瀬川の土手を散策していた。
歩きながら宗一郎とお峰をどうするか相談する。
「一番良いのは、宗一郎の親元にお峰との結婚を認めさせることなのじゃがな…」
それはほとんど無理な話であろう。それはわかっている。それで次善の方策を考えているのだ。
「商人…は無理そうだな。…剣の腕…も立ちそうもないしな」
「刀を腰に差したらその重さでふらつきそうじゃからな…」
冗談に聞こえない。それほど宗一郎は頼りなかった。今日一日一緒に歩いてわかったのである。
「あとは学問…というか、読み書きそろばん…じゃな」
この時代、江戸や大坂、京などの大都市では寺子屋と呼ばれる学習塾が生まれ、一般庶民に学問を教えるようになっていた。
「それが無難じゃな。江戸市中は無理でも、この近辺であれば筆子(寺子屋の生徒)は少しは集まるのではないかな?」
江戸にほど近い、ここ千住は近年広がりをみせ、日光街道の第一番目の宿場として発展してきていた。
「近隣の百姓衆、職人、商人などの子弟を集められればよいがのう。…あとは場所、か」
「空き家とかあればいいんだがな…」
「この辺りの名主にでも尋ねてみるか」
それで、通りがかったお百姓に名主の家を聞き、さっそく訪れてみることにした。
「ええと、この辺りのはずだけど…」
「直也、あそこではないか?」
一際大きな百姓家、庭先にいた下男に聞いてみれば、名主の家で間違いなかった。さっそく取り次いでもらう。
「どんなご用ですかな」
出てきた名主はと見れば、歳は五十そこそこ、こざっぱりした身なりである。
「私はこの東村の名主で清兵衛と言います」
「俺は上田直也、これは許嫁の弥生です。今日は相談がありまして」
「伺いましょう」
それで直也は、この村に寺子屋を作ったらどうか、そのための先生には心当たりがある、ということを話した。
「ふむ、そうですな。これからは多少の読み書きが出来ないと損をすることもありますからな」
清兵衛はなかなか進んだ考えの持ち主のようである。
「商人との取引や、お役人からの触書など、字が読めたらいいのに、と思う百姓も多いようです」
「それじゃあ…」
膝を乗り出す直也を制して清兵衛は、
「それはそれとして、実はわたしどもの村で少々困ったことがありまして、それを解決して下さったら、先ほど話されていた寺子屋の場所はわたしどもで用意させていただきます」
交換条件というわけだ。
「いいでしょう、まずは話を聞かせて下さい」
清兵衛の話によると、村外れの古寺に最近化け物が棲み着いたらしく、化かされたり脅かされる者が後を絶えないというのだ。
「住職もいませんし、化け物を退治してもらえたらその寺を好きに使ってもらってかまいません」
直也と弥生は、悪くない話、と思い、清兵衛の申し出に乗ることにした。
とりあえず一度宿に戻り、宗一郎達に話をした後、直也と弥生が清兵衛の家を尋ねる、ということにしておいた。
短い冬の日はもう暮れかかり、急いで宿に戻った二人は、早めの夕食を摂る。食べながら、清兵衛の申し出を話して聞かせた。
「寺子屋ですか、それなら私にも出来そうですね」
宗一郎に異存はなかった。
「あたしもお手伝いします。畑とか借りられれば、野菜とかも作ります」
お峰は百姓の出なので、畑仕事も出来る。これで決まった。あとは…
「でも直也殿、その…化け物退治、大丈夫なのですか?」
心配して尋ねる宗一郎に、直也は、今までも多くの妖怪を懲らしめてきたから、とだけ告げ、弥生と共に宿を出ていったのだった。
宿で借りた提灯に、弥生の狐火を入れて歩く二人。蝋燭よりもずっと明るい。
「なあ弥生、その化け物っていったい何だろうな」
「いくら何でも見てみぬ事にはわからぬ。…じゃが、たいした輩ではなさそうじゃ。このあたりには邪悪な気配はせんからのう」
早足に歩き、再び名主清兵衛の家に着いたのは六つ半(午後七時頃)。
「何度もお運び下さいまして恐縮です」
さっそく中に通され、座敷で詳しい話を聞くことにした。
出された茶を飲みながら、清兵衛が語ったところによると。
件の古寺は法生寺と言い、住職がいなくなって十年あまり。
しばらくは村の集会場などに使っていたのだが、いつ頃からか化け物が棲み着いたという。その怪異を挙げると、
夜、寺のそばを通ると青白い火が燃えているのを見ることがあるという。
雨の夜、傘の上に乗ってくるものがあるという。
時々、行灯の油がいつの間にか無くなっていたりするという。
闇夜、寺そばに架かる橋のたもとに、なにやら黒いものがうずくまっているのを見るという。
飼っている鶏を食われた家がある。
他にも挙げるときりがないくらいであるが、村人への実害は今のところ無いようだ。
「でも、いつ人が襲われるかわからないので、何とかして欲しいと思っていたのです」
かといって、無償で退治してくれるような奇特な者がそうそういるはずもなく、無為に日々を重ねるだけであったというのだ。
「そんな時、お侍さんが空き家を探しているというので、駄目で元々、とお願いしたのです」
名主清兵衛はそう結んだ。
「わかりました、とにかく出来るだけのことはしましょう」
直也はそういって、法生寺までの道を尋ねた。
闇の中、直也と弥生は寺の本堂にいた。清兵衛が用意してくれた夜食の握り飯をつまみながら、小声で話をしている。
「弥生、化け物の正体について何か思い当たることはあるか?」
「そうじゃな…いくつかあることはある、が、確証はない」
「それじゃあ…」
直也が何か聞こうとしたとき、微かな物音がしたのを弥生は聞き逃さなかった。
「しっ」
直也に合図を出した弥生は気配を消した。直也はごく普通にしている。その方が化け物をおびき出すのに向いているからだ。
みしり。
床がきしんだ。直也にも気配が感じられる。三十畳くらいの広さの本堂、その入り口あたりに化け物が来ている。
獣臭さがする。小さな光が二つ、闇の中に浮かんでいる。多分あれは目だろう。直也は大刀を握りしめた。
と、闇の中に光がともった。狐火ではない。弥生の狐火よりも青く、暗い。それはふわふわと漂い、近づいてくる。
その火を切り払うべきか…直也は考え、気配を殺して隣に座っている弥生に任せることにした。
その弥生は、狐耳と尻尾を出し、気配を消して化け物を探っていた。そして火を見て確信する。
近づいてくる火は無視。この火は無害である。が、火に気を取られていると、化け物が近づき…
「そこまでじゃ」
「ふぎゃあお」
直也と弥生が食べていた夜食の握り飯に出した手を弥生が押さえ込んだ。
「禁」
呪を称えると同時に弥生の狐火が灯る。本堂内が薄明るくなり、化け物の正体が明らかになった。
「こやつは…」
弥生の膝の下でもがく化け物。とがった耳、手足の爪、尻尾。何よりよく見かけるその姿。
「…猫?」
そう、それは黒い猫であった。大きさは人の子供くらいはあるが。
弥生は肯き、
「…五徳猫というやつじゃな。いつからかこの古寺に棲み着き、墓場の気を吸って力を付けたものと見える」
そう言いながら、直也を手招く。
「直也、頼みがある。こやつの耳に、息を吹き込んでくれぬか」
「わかった」
弥生に言われるままに直也は猫の左耳に向けて息を吹き込んだ。続いて右の耳へも。
「それでよい。お主の陽気でこいつが吸い込んだ陰気を追い出すのじゃ」
そう説明した弥生は、更に呪を唱えた。
「おんしゅりまりままりまりしゅしゅりそわか…」
その真言が終わるか終わらないうちに猫の鼻からなにやら黒い煙のようなものが立ち上ってきた。
「これが陰の気じゃ」
そう言うと弥生は、両手の人差し指と親指で輪を作り、
「陰の気よ、散れ」
そして呪を唱えた。たちまちにして黒い気は霧散して消えた。残ったのは五徳猫だったもの。
いつの間にか体も縮んで、普通の大きさに戻っている。
「これでよし」
そして弥生は、
「悪さをしなければこの寺で飼ってもらえるよう話を付けてやる、どうじゃ?」
猫にそう言い聞かせた。猫は肯くような仕草を何度もした。陰の気は抜けたとはいうものの、年を経ているだけあって人語を解するらしい。それで弥生は猫を解放してやる。
「さて、これで終わりじゃな。凶悪な化け物でなくてよかった。
五徳猫は囲炉裏の火を守るとも言われておる、こやつがおればこの寺も守ってくれよう。
そうじゃ、名を付けてやろうではないか。…五徳猫の五と囲炉裏の炉、で五炉。ごろというのはどうじゃ?」
五炉と名付けられた猫は満足そうに、にゃあと一声啼いた。
「よし、五炉、付いて来い」
そう言うと弥生は、本堂を出て、囲炉裏のある居間へ向かった。直也も続く。五炉もちゃんと付いてきた。
「寒くなってきたのう、火を熾すとしよう」
そう言って、囲炉裏に薪を置き、赤い狐火で一気に火を付けた。
すると驚いたことに、五徳猫、五炉が火のそばにやってきて、息を吹きかけている。さすがに五徳猫の名は伊達ではないといったところか。
「こやつに火の番を任せ、我々は休むとしよう」
そう言って横になる弥生。少し心配だったが、直也も横になる。五炉はかいがいしく火の番をしていた。
「これで宗一郎達も居場所が出来たな」
安心した直也に弥生が、
「うむ。…一つ聞いてよいか?」
「うん、何だい?」
「…宗一郎とお峰の事じゃがな、お主、『里に連れて行く』とは一度も言わんかったのう、何故じゃ?」
当主となる直也なら、隠れ里に住まわせるという選択肢もあったろうに、何故そうしようと言わなかったのか。
そう弥生が問いかけた。
「うん、…上手くいえないけれど、『ふさわしくない』と思ったからかな」
「ほほう、…それで?」
「それでと言われてもな…だから、あの二人は、何というか、里に迎えても駄目だと言う気がしたんだよ」
弥生は感心したように肯き、
「やはりお主はもう立派な当主じゃな。…あの二人は現世とのしがらみが強すぎる。
強すぎるが故に心中などという道を選ぼうとする。それは己が見えていないからじゃ。
そのような者達を里に入れれば、おそらく里の秩序が乱れよう。…それを直観的に判断できるお主はもう立派な当主じゃよ」
「ありがとう、弥生。弥生にそう言ってもらえると少しは判断に自信が持てるよ」
囲炉裏の火も燃え上がり、暖かくなってきたので二人は眠りに就いた。




