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巻の十九    修行

 次話の前置きみたいな話です

巻の十九   修行


 ここは花のお江戸の西外れ、内藤新宿、四谷追分稲荷社前。

「それでは、弥生様、直也様、お世話になりました」

「こちらこそ、江戸案内ありがとう」

御先稲荷おさきとうがのお役目、しっかり勤めるのじゃぞ」

「はい、それでは」

 環は一礼をし、鳥居をくぐっていった。

「さて、これからどうするかな、直也? 何か希望はあるかの?」

「…うん、ある」

「ほう? 言うてみい」

「高崎でも言ったと思うけど、剣術の修行をしたいんだ」

「うむ…反対する理由はないが、前にも言うたが道場というのは考え物じゃぞ」

 道場というものは、序列があり、入門したての町人が即座に剣術を教われるはずがないからである。最初は道場の掃除や兄弟子の世話をしなければならないだろう。

 一年以上そうして努めなければ、師範から教えて貰えることはないだろうというのが弥生の意見であった。

「そうだよな…いくらなんでもそんな悠長なことしてられないな…」

「じゃろう?…じゃがしかし、直也が剣術を習いたいというのであれば、個人指導を頼むが良いじゃろう」

「個人指導か」

「うむ。一対一で教わるのじゃ。…江戸には浪人者が多い。その中から腕の立つ者を選んでじゃな…」

「なるほどな、それはいいや。…弥生、当てがあるのかい?」

「一流の使い手は剣気という一種独特の気を纏っておる。それに加え、人柄の良い者を選べば良いのじゃ。とりあえず人の多い所を探してみよう」

「…結局当てはないんだな」

 そういうわけで、直也と弥生は人の多そうな所を巡ってみることにした。手始めに神田方面へ向かう。神田明神の門前は大賑わいである。

「さあさあお立ち会い、誰でも良い、この木刀でそれがしの身体を打つことが出来たら一朱あげよう、一回が十文だ、どうだねどうだね」

 浪人姿の男が口上を述べている。要は腕自慢の浪人が日銭稼ぎに行っている大道芸だ。

「直也、やってみよ」

「え?…うん」

「おっ、お兄さん、やってみるかな?…それではこの木刀で。…そうそう、はい十文、確かに。それでは、どこからでも参られよ」

 直也は木刀を振りかぶると、上段から唐竹割に振り下ろす。それを浪人は軽く受け流す。

 弾かれた剣の勢いを殺さず、胴を薙ぐ直也。見事に脇腹にめり込み、浪人はくずおれた。見物人からやんやの歓声が上がる。直也は浪人の傍に屈み込み、

「ご…ごめん、あの…、大丈夫ですか?」

 直也のお人好しも相当なものである。弥生は冷淡に一朱をもぎ取ると、直也の袖を引き、境内を後にした。

「直也、わかったであろう? お主は並の武士などより余程強いのじゃ。じゃからお主に剣を教えられる者はおのずと限られてくるのじゃよ…」

「うん…探すだけでも大変だと言うことがわかった」

 次に二人は、日本橋方面へ。水天宮の門前にも、似たような浪人が大道で腕試しをやっていた。

 しかし、これもまた直也の一撃を肩に喰らい、一朱は直也の物となった。

「なあ、なんだか賞金稼ぎしてるような気になってきたよ」

「ふふ、それも良かろう。いずれにせよ、お互い承知の上。別に悪いことをしているわけではない。次へ行くぞ」

 深川方面へ行ってみる。富岡八幡の門前が賑わっている。ここで、弥生が目を光らせた。

「む?…」

 その視線を追ってみると、その先には痩せた浪人が、傘を持って歩いている。傘貼りの内職をしているのだろう。仕上がった傘を納めに行く所か。

「あの浪人…できる」

「え? あの痩せた人か?」

「うむ。…見ておれ」

 弥生はそう言うと、物陰に引っ込み、何やら術を施している。すると突然、浪人の前に化け物然とした影が二つ現れた。その影は物も言わずに襲いかかる。

 浪人は無言のまま、刀を抜き放つと、袈裟懸けに一撃、返逆袈裟でもう一体に一撃、只の二撃で二体の泥鬼でいきは崩れ去った。

「すごい…」

「うむ。見たところ小野派一刀流じゃな…免許皆伝と見た。…元は大名家の指南役あたりではないか?」

「しかも…左腕に傘を抱えたまま、右手だけで…だぞ」

「これで人柄が申し分なければ、教授を頼むことにしよう」

 そう言って、直也と弥生は離れて後を付けることにする。

 その浪人は、問屋に傘を納めると、元来た道を引き返し始めた。悟られないよう後を付けていく。路地に入り、薄汚れた長屋へと入っていった。

「どうやらここが住まいのようじゃのう…」

「きたない長屋だな…」

「それだけ、浪人の生活というのは困窮しておるのじゃろう。…しかし、あの者、あれだけの腕があるのなら仕官の口くらいありそうなものじゃ」

 とりあえず、長屋の人に、浪人のことを聞いて回ることにした。

「え? あのご浪人さん?…おまいさん、あのご浪人さん、何て名前だったっけ?」

「えーっとな、確か浜田平八郎様とおっしゃって、一年くらいこの長屋に住んでるよ」

 浪人、浜田平八郎は傘貼りの内職の他、長屋の子供達に必要最低限の読み書きなども教えているようだ。それによって長屋の住民からは慕われている。

 子供達からの評判も悪くない。弥生は、あとは面と向かって話をしてみよう、と直也を促して、平八郎の家の戸を叩いた。

「開いている。入りなさい」

 その言葉に応じて中に入る。中はと言えば、傘貼りの道具やらなにやらでちらかっていた。

「おお、さっきから後を付けてきていた人達だね。何用かな?」

 弥生は軽い驚きを覚えた。気取られないよう十分な距離を空けていたのに、この男は自分たちに気が付いていたという。

 近くで見て判ったが、浜田平八郎はまだ三十を少し過ぎたくらいの若さであった。その若さであれだけの腕前、やはり只者ではない。

「儂は弥生と言い、ここにいる直也の後見人をしております。見聞を広めるために諸国を旅しておるのですが、旅先は危険が多く、護身のために剣術を習わせたいと思っておりました所、貴殿の腕とお人柄を見込んで、是非この直也に剣術を指南して頂きたく伺いました次第です」

 弥生の話し方も自然、いつもとは違った口調になる。

「ほう?…お見受けした所、悪くない家柄の息子さんと見ました。こんな貧乏浪人に頼まずとも、いくらでも師匠はいるでしょうに」

「そうでもありませぬ。見かけ倒しや口先だけの剣客が多い中、浜田様の技前は群を抜いているとお見受けしました」

「はは、買いかぶられたものですな。…それで、どのくらいの期間をお望みか? 旅の途上と言うことであれば、そう長くは滞在できないでしょう」

「では、お教え下さりますか? もちろん、授業料はお払い致します。一日につき金一分でいかがでしょうか。とりあえず一月、お願いしたい」

「それならば、まずは直也殿の腕前を拝見してからと言うことにしたい。…この先に神社がある。そこまでご同道願おうか」

 そう言って、浜田は木刀を持ち、家を出た。直也と弥生も後に続く。

 神社の境内で、木刀を直也に渡し、好きに振り回してみろ、と平八郎は言った。それに従って、素振りをする直也。

「よろしい」

 平八郎の声。

「筋は悪くない。敏捷だし、目の動きも良い。ただ自己流に凝り固まって、このままでは大成出来ない。基礎をみっちりと叩き込めば、…そう、一月で化けるでしょう」

「では、お教えいだだけますか?」

「お引き受け致しましょう。…あなた方、宿は?」

 気が付けばもう夕暮れであった。

「…まだ、決めていません」

「それなら、狭い所で申し訳ないが、今夜は我が家へお泊まりなされよ。拙者一人なので気兼ねはいらぬ。旅の話など聞かせて貰いたいものだ」

 それで、その日は平八郎の家に泊まる事となった。

「何もないが」

 そう言って、麦飯と沢庵、それにわずかばかり菜っ葉の入った味噌汁が出された。旅を続けている直也と弥生は、何の不満もなく、それを頂いた。

「ほう、直也殿は育ちがよいと思っていたが、こんな粗末な食事にも不満を言わずに召し上がる所を見ると、旅でかなり揉まれてきたと見えますな」

「はは、野宿も多くしてきましたから」

「なるほどなるほど、それは良い経験をされておる。歳の割に心胆が練れておられるのはそういうわけですか。…弥生殿と申されたな、貴殿は武家か公家のお生まれですかな?」

「なぜにそう思われます?」

「いや、立ち居振る舞いに気品があるし、お見受けした所、僅かに上方の訛りがおありになる。それで…」

「その昔、さる公家にお仕えしていたことがありますれば…」

「おお、別に詮索するつもりはござらん。失礼致した」

 その後は旅の話をして時が過ぎた。

 

「それでは、弥生殿はこの奥の部屋をお使い下され」

 奥とは行っても、この長屋は入った所が三畳ほどの土間、次が四畳半の居間、そして奥が三畳という作りであり、裏手は川である。

 直也は四畳半の奥、平八郎は土間よりに布団を敷きーーー布団とは名ばかりの煎餅布団であるがーーー眠りについた。

 

 翌朝。

 明け六つの鐘が鳴ると、直也は平八郎に起こされた。

「これから鍛錬に行く。支度するように」

 寝起きは良いので、身支度を調え、顔を洗って、昨日の神社へと向かった。

 平八郎は、境内で直也に木刀を構えさせ、

「そなたは身体が揺れすぎておる。まずはしっかりとした構えを身に付けるように」

 そう言って、中段、正眼に構えさせ、そのまま動かないように、というと平八郎は距離を取った。

 そして、地面に落ちていた団栗を拾い、避けてみろという。但し、構えを崩さないように。つまり足捌きだけで避けろと言うわけだ。これがなかなか難しい。直也は大半の団栗をぶつけられてしまった。

「よし、それでは私が手本を見せる。直也殿、団栗を投げてみられよ」

 平八郎が代わって木刀を構え、直也が団栗を投げ付ける。

 平八郎は足捌きだけで、直也の投げる団栗をかわしていく。百個近くの団栗を投げたが、一つとしてぶつけることは出来なかった。

「わかったかな?…昨日の直也殿の素振りを見て思った。上体が揺れすぎるのだ。まずは安定した構えを身に付けることだ」

 そう言って、足捌きの基本と、構えの型ーーー上段、中段、下段、八双、一通り教授すると、まずは基本中の基本、正眼から上段に振りかぶり、真っ直ぐ打ち下ろす素振りをやらされた。

「まだ上体が揺れている!」

 厳しい声が飛ぶ。

「足捌きが鈍ってきたぞ!」

 平八郎の指摘は容赦がない。

 それは一刻以上続き、あたりがすっかり明るくなった頃、一旦朝食を摂りに戻ることとなった。直也はふらふらである。

「ただいま帰り申した」

 弥生がいるはずなのでそう声をかけて戸を開けた平八郎が見たものは。

「おお、これは…」

 ほこほこと湯気を立てる朝食であった。

「お帰りなさいませ。朝食の支度は調っております。差し出がましいとは思いましたが…」

 平八郎はすっかり慌てて、

「いやいや、弥生殿にこんな事までしていただいては…」

「何、直也のお師匠様に礼を尽くすのは当然でありましょう」

「恐縮です。…それではいただきましょう」

 朝食を食べながら、弥生が言うには、今朝、ここの大家に頼み、隣が空いていたのでとりあえず一箇月、借りてきたという。つまりこれから向こう一箇月、直也と弥生は平八郎の隣に住むこととなったわけである。

 

 朝食後、昼までは直也は一人、神社で復習をする事を言い渡された。

 平八郎は長屋の子供達に読み書きを教える約束があるのだ。大家の家の一間を借り、二十人ほどの子供達にいろはを教えている。

 特にすることもない弥生は、何とはなしに平八郎の手伝いをしていた。子供が書いた字を見て、朱で添削してやる。

「すまんな、弥生殿」

 書かせれば、弥生は字が上手い。特に仮名文字は得意である。

「お姉ちゃん、先生より字、上手いね」

 平八郎は苦笑している。

「お姉ちゃんって、先生のお嫁さん?」

 子供の一人が尋ねる。 それに対して平八郎は、

「違うよ、この人は弥生お姉さんと言って、先生のお弟子さんのお姉さんなんだ」

「ふーん」

 わかったのかどうか、子供達はそれで一応納得したようである。

 

 昼、子供達が帰ると、弥生は昼食の支度に掛かる。ついでなので、三人分ーーー自分たちと平八郎の分を作る。

 平八郎は神社へ直也の様子を見に行った。

 直也は一人黙々と素振りに勤しんでいた。元々、自分から言い出して鍛錬を始めたので、怠ける気は毛頭無い。故に秋とはいえ、汗まみれになってひたすら素振りを続けていた。

 それを見た平八郎は、

「直也殿」

 と言って団栗を投げ付けた。

 それを直也は、足捌きで見事にかわした。平八郎はそれを見て、

「見事、見事。筋が良いとは思っていたがこれ程とは。…とりあえずお昼にするとしよう」

 それで連れ立って家へと戻る。直也は井戸で身体の汗を拭いた。

「直也殿は思った以上の上達ぶりだ、この分なら一箇月あれば十分でありましょう」

「それは良かった。…先生、おかわりして下され」

「…ところで弥生殿、ここまでしていただくのは気がとがめるのですが…」

「何を申される。二人分も三人分も同じ事。直也がお世話になっている間は儂が先生のお身の回りの世話をさせて頂きます」

「かたじけない」

 平八郎は弥生に向かって頭を下げた。

 午後は、他の型を教えられ、反復練習。その繰り返し。

 そのようにして、あっというまに二週間が過ぎて行った。


「大分型が身に付いたようだ。次はその型から抜け出ることだ」

 修行は新たな段階に入った。

 剣術の基本的な動作は身に付けた直也、次は応用である。まずは平八郎と手合わせをすることとなった。

「思いっきり来なさい」

 木刀を無行の位に構え、待ち受ける平八郎。それに対し、中段、正眼に構える直也。

「やああっ!」

 直也が気合いと共に振り下ろす木刀を軽く受け流し、小手を狙う平八郎。それを辛うじてかわした直也は、一旦下がり、再度胴を狙うべく踏み込む。

 しかし振り抜いた木刀はぎりぎりで届かなかった。

 空振りに体勢が崩れるかと思いきや、振り抜いた木刀の速度を殺さず、上段に持って行き、袈裟懸けに振り下ろす。

 それを平八郎は叩き落とすと、前につんのめった形の直也の面を打つ。実際は打つ寸前で木刀を止めたのだ。

「これまで」

「ありがとうございました」

「直也殿、格段の進歩が見られるな。足腰の強さは申し分ない。これで次の目標が決まった。防御だ」

 剣術における防御は、ただ守るだけではない。相手の力を殺ぎ、自分に有利になる体勢に持って行く事、そして途切れないことである。

「これは一人では無理なので、毎日、朝と夕に拙者と模擬戦をする。その他の時間は、復習だ。動きを頭の中で反芻するも良し、実際に木刀を振るも良し」

 このようにして更に一週間が過ぎていった。


 ある日、平八郎の元に、口入れ屋の善兵衛という男がやって来た。平八郎に用心棒を頼みたいというのである。

「期限は今夜から三日。前金で二両、済んだ時に二両。…いかがですか?」

「金額よりもそのお守りする方についてお聞きしたい」

「…そうですな…」

 そう言って善兵衛が話した内容は、さる大名の跡目争いで、正室のお方様の若君を守って欲しいと言うことである。

 大名の名前は伏せさせて欲しいとのこと、もっともである。

「わかりました、いかがわしい内容でなければ結構」

 と言うわけで、向島にあるという善兵衛の別宅にかくまわれているその若君を守るため、平八郎は出かけることとなった。出がけに、

「直也殿、済まぬが三日間だけ離れることを許して欲しい。善兵衛にはいろいろと仕事を斡旋して貰っている恩義があるのでな」

「大丈夫です、お気を付けて行ってきて下さい」

 

「…善兵衛さん、」

 弥生が立ち去りかけた善兵衛に声をかけた。

「何でございましょう?」

「平八郎様に差し入れなどはしてもかまわないのですか?」

「ああ、昼間であれば、構わないと思いますよ。門番に私の名前を告げて下されば」

「そうですか、わかりました。…平八郎様、行ってらっしゃいませ。つつがなくお勤めを果たされますよう」

 そして平八郎は出かけていった。残ったのは弥生と直也。

「…なあ弥生、最近弥生って先生の身の回りのこと随分面倒見てるよな」

「ん?…うむ」

「…差し入れまで持って行く気なのか?」

「…ちょっと気になるのでな」

「そっか」

 それきり向こうを向く直也。

「直也?」

 弥生が声をかけるが、直也は返事をしない。

「……」

 弥生はしばらく考えた後、直也に近づき、後ろからそっと抱きすくめる。

「や、弥生!?」

 慌てる直也。

「直也、儂が平八郎殿の世話をしているのは、少しでも直也の稽古に専念して貰う為じゃ。他意はない」

「…そんなこと聞いちゃいないよ」

「まあ黙って聞け。…儂はお主の為だけに生きているようなものじゃ。そんな顔をされるのが一番辛い」

「…!」

 直也は耳まで赤くなった。

「ふふ、お主は可愛いのう」

「か、からかうなよ、弥生…」

「すまぬ。お主に気を揉ませる気はなかった。それだけは信じてくれ」

 そう言うと、弥生は直也の背から離れる。直也はその弥生の手を取った。

「直也?」

「悪い。なんだか…いつも俺の傍にいてくれた弥生が離れて行っちまうような気がして」

 弥生は婉然と微笑み、

「ふふ、少しは成長したかと思ったがまだ子供じゃのう…まだまだ目を離すわけには行かんな」

 微笑んだ後、真面目な顔つきになり、

「さて、こうなったらお主にも話しておいた方がいいのう…」

 そう言って、弥生はマーラの話をかいつまんで直也に説明した。

 天竺、中国を乱した悪魔がこの日の本に渡ってきて、世を乱そうとしていること。

 戦国の世、島原の乱などはそいつの仕業であったこと、などをかいつまんで説明した。

 自分の過去に関わる部分はまだ時期尚早と見て、ぼかして説明を終える。

「…すると、そいつがあちこちに散らばって、悪さを始めているのか…」

「そうじゃ。…ぬえを影で操っていたのも奴じゃし、この間の神隠しもそうじゃ。…そうやって世の中に不安の種を蒔くと共に、力を溜めていくつもりなのじゃな」

「俺に何が出来るんだろう?」

翠龍すいりゅうじゃ。翠龍の力を持ってすれば、おそらく奴を斬る事が出来る。儂では無理なのでな」

「わかった、気持ちをあらためて、剣の修行をするよ」

「うむ、しっかりやれよ」

 冷たい雨の降る昼下がり、二人の話声は雨の音に消えていった。

 剣道は高校の授業でやっただけです…

 一番好きなのは北辰一刀流の千葉周作なんですがまだこの時代には生まれてさえいませんしね。

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