2,序章
次からが、本編です。
暗くなる世界に、月光が差し込んだ。
ある町に、三人の人達が車道の真ん中を歩いている。
その町は、街灯も家や店や会社の電気という電気が消え、人も車も誰も何も、いなくなってゴーストタウン化していた。
その町で、月光が一番光り輝いていた。
「カゲの仕業でっすか?」
三人の中で一番背が低く、若い顔つきをしている青年は、真ん中にいる隊長だと思う人物に話しかけていた。
「カゲ次元だ」
隊長と呼ばれた人は、とてつもなく人情が厚い顔をしていて、一番老けてみえる。
カゲ時間。カゲが人間を取り込むために、今の世界の裏、カゲ世界に引き込み逃げられないようにする。しかし、ある特定の人は、カゲ時間の入り方を知っている。
そして、三人が、倒すべきターゲット。
絶望の姿ーカゲ
カゲは、頭が前に尖って、体が棒人間で、真っ黒の生命体。カゲは、人の負の心を喰らい強くなっていく。その上、カゲは人間の肉体ごと喰らう。
「でも、カゲ時間なのに、カゲがいn「た、助けてくれ!!」
一人の男が、声を上げて走ってきた。そして、男は、真ん中の隊長に縋りついた。
「た、助けてくれ!か、金ならいくらでも払う、だ、だから・・」
「少し黙れ」
睨みをきかして、男を見ると、体を震わせ気絶していた。
「隊長、なに一般人を脅してるんですか」
三人目の最後の一人は、女性でこちらも若く髪の毛も短髪だ。ポケットから死榴弾(誤字ではない)を出しながら、呆れ顔で言う。
「今から私語は禁止だ。お客さんがいらしゃるからな」
隊長は、手に持っている大剣を鞘から抜き、両手で持つ。青年は、腰のポーチから二丁の白銀の拳銃を取り出した。
道路の真ん中で、月光の届かない暗闇を三人は凝視している。暗闇から、どんどんとターゲットが月光を浴びながら姿を現す。
「soloだ。ザコだが気を抜くな」
soloーカゲで両手に三本爪が付いていて、一番の最弱。ただ、敵に向かって爪を振り回すしか能のない生命体。
「行くぞ!」
掛け声とともに三人は走り出した。
「砕け散れ!」
大剣の射程範囲までカゲに近づき、隊長は、大剣を振り上げ、勢いよく振り下ろした。カゲは、右に飛び跳ねて回避する。勢いよく振り下ろした大剣は、ターゲットを外して、逆に、アスファルトを思いっきり抉り、黒い破片が飛び散った。
「逃がさないっすよ!」
青年は、二丁銃をカゲに向かって発砲した。銃弾が当たるとカゲは、黒い煙を出しながら、少し怯む。
「止め」
女性は、死榴弾の安全ピンを外して、カゲに投げる。
死榴弾は、爆発をして、爆風と爆煙を起こしカゲと、ともども飲み込む。
「やったっすか?」
「まだ、わからん。だが、気を抜くなよ」
三人が爆煙を凝視していると、突然、煙の中から、カゲが飛びだした。
そして、カゲはその場から逃げだした。
「ちっ。追いかけるぞ!」
追いかけようとした時、三人がいる町に、何事もなかったかのように、人が歩き、車が走り、電気が付き、月の光は弱くなった。
「ターゲットLOST」
隊長が、襟元に口を近づけ、無線で報告する。
《このまま、待機してください。今から、ターゲットを探し出します。ターゲット発見次第に、報告します》
無線機から、電気質な女性の声が流れる。
「隊長、これから、如何するんすか?」
「このまま、待機。発見次第に、こちらに、報告が来る」
「でも、なんで今回、逃がしたんすかね?隊長」
「油断大敵」
二人からの突っ込みに、隊長は、少し苦笑する。場の空気が少し重くなる。
《ターゲットの居場所がわかりました》
無線からの声で場の空気が、元に戻る。
「ナイスタイミング!で、ターゲットの居場所は?」
《?、ターゲットは、この先、二Kの所にある、黒海町に、身を潜めています》
「了解だ。今から向かう」
「どうしたんすか?隊長」
「ターゲットの居場所が判明した。今から向かう」
「了解っす」
「わかりました」
三人は、目的地に向かうために、駅の改札口に向かった。
これは、始まりの序章ー
終わりへのー
感想、アドバイスをくれると、泣くほど喜びます。というか、泣きます。