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小さな探偵、愛理の事件簿  作者: けろよん


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第18話 事件の解決

 和宏は愛理の活躍に驚き、目を大きく見開いていた。


「信じられない……! 愛理ちゃんって本当に熊を倒せるほど強かったんだね……!」


 桜子はその後ろで驚きながらも、少し安堵の表情を浮かべた。


「探偵さん……本当に強いんですね……」

「熊を倒せたからって、私が強いわけじゃありません」


 愛理は冷静に言いながらも、目の前に倒れ込んだ熊の動きを見守った。


「みんなを守ると誓ったから、これほどの力が出せたんです。ここまで一緒にいてくれたみんなのおかげです」


 愛理は少し疲れながらも、みんなに向かって笑顔を見せた。

 ここに真犯人は倒れ、事件は解決したのだ。

 熊は愛理の力に完全に制圧され、今ではすっかり動かなくなっていた。後は警察の仕事だろう。

 スタジオ内は静まり返り、空気が落ち着きを取り戻すのには少し時間がかかった。




 和宏は愛理の勇気と強さと決断力を目の当たりにして、改めて彼女の実力を信じるとともに、安心に胸を撫で下ろした。


「ありがとう、愛理ちゃん……本当に助かったよ。正直ここまでしてもらえるなんて思っていなかった」


 愛理はその言葉にただ静かに微笑み、答えた。


「私も無事に桜子さんを守ることができて良かったです」


 桜子は感謝の気持ちを込めて、愛理を見つめながら言った。


「本当にありがとう、探偵さん。あなたのおかげで、みんな、無事に帰れるんですね」

「ここまで来れたのはみんなの協力があったからです。これからも探偵としてみんなを守ってみせます」


 愛理はみんなを見守りながら、そう力強く誓った。




 その後、警察が来て熊の件も無事に解決し、町には平和が訪れた。

 桜子も和宏も心から安堵した。金井は桜子を守るためにスタジオに留まっていたことがわかり、彼の行動が誤解されていたことを桜子が説明したことで、彼もまた桜子にとっての恩人であることが明らかになった。


「私たち、もう大丈夫ですね」


 桜子は涙を浮かべながら、金井に向かって微笑んだ。

 金井はその言葉を聞いて、桜子の手を取った。


「これからも一緒にいられるね」


 その様子を見て、和宏は不審そうな顔をしていたが。

 愛理は少し遠くからその様子を見守り、心の中で静かに思った。


「無事に事件が解決できて良かった」と。




 事件が解決し、桜子も無事に家に帰って和宏と共に新たな一歩を踏み出すことができた。熊の問題も解決し、町に平穏が戻った。


 愛理は警察から少しの事情聴取を受けてから探偵事務所に戻ろうと考え、改めて自分の仕事を再開することを決めた。

 一緒に警察に呼ばれていた和宏と桜子からお礼を言われ、帰り支度をしながらふと立ち止まる。


「愛理ちゃん、ちょっと待って」


 和宏はにっこりと笑いながら、続く言葉は桜子が言った。


「お礼をしたいんです。父と金井さんもあなたには感謝しています。今日、みんなでお礼のパーティーを開こうと思ってるんです」


 愛理は一瞬、驚いた後、少し照れくさそうに笑った。


「そんな、私もお世話になったのは同じなんですから……お礼なんて、こっちからしたいぐらいですよ」

「いや、君がいなければ桜子も無事に帰れなかったし、僕たちもどうなっていたかわからない。本当に感謝してるんだ」


 和宏も桜子も、本当に心から愛理に感謝していた。


「愛理さん、本当にありがとう。これからも何かあったら頼らせてもらいますから、今日は私たちからの気持ちとして、少しでも楽しい時間を過ごしてください」


 愛理はその言葉を受けて、にっこりと微笑んだ。


「それなら……お言葉に甘えて、少しだけお邪魔させてもらいますね」




 歓迎を受けて和宏の家に行くと、桜子が手際よくテーブルを用意していて、温かい料理の香りが家の中に広がっていた。和宏も、少しはしゃいだような表情で、「準備できたよ!」と愛理を迎えた。


 和宏、桜子、そして愛理は、久しぶりに落ち着いて食事を共にした。桜子が愛理に手料理を振る舞い、和宏も笑顔で二人を見守りながら、家族のような温かい空気が流れていた。


「桜子さん、和宏さん、こんなに美味しい料理を作ってくれてありがとうございます。これ、すごくおいしいです」


 愛理は感動したように一口食べて言った。

 桜子は嬉しそうに笑って答える。


「ありがとうございます、愛理さん。これ、金井さんに習って作ったんです」

「金井さんって音楽だけじゃなくて、料理も作れるんですか?」

「ええ、本当に凄い人で。また旅に出てしまったのが残念です。私もついていきたいなあ……」


 桜子の音楽の悩みだったが、しばらくは学業に専念する事で決着がついたようだった。だが、卒業した後は……

 和宏はその事を感じ取ったのか、無言で食事を食べ続けていた。


 その後、しばらくはみんなで軽く歓談に興じ、桜子と和宏が愛理に感謝の言葉を伝え続けた。愛理はそんな温かな時間を心から楽しんだ。事件が終わり、平穏な日常が戻ったことに、胸が満たされるような気がした。




 パーティーが終わった後、愛理は少し静かな場所に移動して、外の風景を眺めながら深く息をついた。


「桜子さん、楽しそうだったな。彼女が無事に帰れて、私もすごくホッとしました」


 愛理は心の中でそう思いながら、夕日が西の空に沈んでいくのを見つめた。


「和宏さんも、桜子さんも、これからは平穏な日々を送れるといいな。私も次の仕事を頑張らないと」


 愛理は心の中でそっと誓った。

 その時、和宏が後ろから声をかけてきた。


「愛理ちゃん、ここにいたのかい。外の景色、気に入った?」


 愛理は驚いて振り返ると、和宏がにこやかに立っていた。


「ええ、とてもきれいですね。それに家が暖かいです」


 愛理は微笑みながら答えた。

 和宏は少し照れながら言った。


「そう言ってもらえると嬉しいよ。桜子も、君が来てくれて家がもっと明るくなったって言ってるし、君がいいならここで暮らしてくれてもいいんだよ」


 愛理は少し恥ずかしそうに肩をすくめた。


「そんな……私には待っている場所がありますから。でも、私も楽しかったです。これからもお世話になると思いますから。もちろん仕事でという意味ですけど」


 和宏はそれを聞いて、穏やかな笑顔を浮かべた。


「もちろん。君はこの町みんなの探偵だものね。でも、気が向いたらいつでも来ていいんだからね」

「ありがとうございます」


 その夜、愛理は和宏の家で心からリラックスできる時間を過ごした。事件が解決し、桜子の無事が確定したことに加えて、和宏と桜子との絆も深まっていた。


「もう少しだけ、この温かな時間が続けばいいな」


 愛理は心の中で静かに思った。そして、探偵事務所に戻っても、ここで過ごした時間がずっと大切な思い出として残るだろうと確信していた。


 和宏と桜子、そして自分が新たに築いた絆。それは、これからも続いていくことだろう。愛理は微笑んで、自分の新しい一歩を踏み出す準備を決めた。

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