第3話:初配信の準備
[月詠 イザナ]とVtuber名前を決めてもらったついでに初配信のことを相談しようとしたのだが。
「あの〜お疲れのとこ悪いんだけど、初配信どうしたらいいんかな?」
『グゥ〜むにゃむにゃ…え、修正ならいますぎゅやりゅわ〜、、、ぐぅ〜……』
寝てる⁉︎
さっきまで7轍していたとは思えないくらい元気だったが、尋常じゃない疲れのせいで寝落ちしてしまったようだ、
そこで俺は起こさないよう小さな声でおやすみを言いそっと通話を切った、
「あーおやすみなさい」
プツ、
Vのガワ勝手に作ったこと寝言で言うぐらい気にしてたんだ、
それならちょっとぐらい俺の意見聞いてくれても良かったんじゃ…
結果的に良いガワ作ってくれたからいいんだけどさ〜
俺は送られてきた2dモデルを眺めてるとなぜか既視感を覚えた、
「なんか見覚えが……ってなんか俺に似てる気が⁉︎、、」
これを人の前で言ったら絶対に自意識過剰だと言われると思うが、
この輪郭や髪の色など若干美化されているが実際にどことなく自分に似ていた、
(やっぱりさっきの謎発言といい、ポン子先生俺のこと知ってるのか?)
流石に偶然が重なり合ってポン子先生について考えたが知人にイラストレーターをしているひとは思い当たらないので深くは考えないようにした、
(まぁ、偶然だよな…)
偶然とは思えないぐらい似ているアバターをジーっと眺めながら考えるのをやめた、
そんなことよりもデビューするまでにやることが多いので早速作業を始めた。
まずは細かな設定を考える、
どうしよ、月詠っていう神様の名前だから、人について知るために人間界に降り立たが、人とのコミュニケーションがわからず途方に暮れていたところVtuberを知り、配信を通して人について勉強中、ってのはどうだろ?
ありきたりだけど一旦これで保留にした。
次は〜ファンネームか、使徒?、信者?なんか違うな〜
ツクヨ民とか?結構いいんじゃね? 一旦保留〜
ファンアート、、、描いてくれる人いるかわからんけど考えるかぁ〜
ポン子先生なんで俺が素質あるって断言?するんだろ?
有名な企業勢でもなければそんなに甘くない業界じゃないことは知っている
が俺の目的には結局Vtuberになるだけではダメなんだ!
俺は数字にそこまでこだわる訳ではないが、人気Vtuberとコラボするにはそれなりの登録者数がいるに違いないので、
頑張って30〜50万人まで目指したいところである、
といっても50万人は中枢と言われるぐらい困難で、100万人まで行くとこの業界では知らぬものがいないぐらいの人気Vtuberになるつまり神。
モデルのビジュが良くないと人気は出ない、ビジュはポン子先生がいいガワを作ってくれたので問題はないが、結局は中身つまり俺自身によって人気が左右される。
色々考えながらも着実にTwitterアカウント、YouTubeアカウントを作り終えた。
Twitterにはさきほど考えた自己紹介などを投稿した、
だが本当に重要なのはここからだ、
YouTubeに自己紹介動画を出すことだ、大体の人は初めて会った時のイメージで定着するのと同じで俺はVtuberも同じだと思っている、
この動画によって俺のVtuber生のスタートダッシュが決まる!
早速俺はヘットホンにマイク、パソコンをひらいてポン子先生におすすめされた英語でなんて読むかわからないアプリを開いた、
決して俺が英語が苦手というわけではない、、、
ネットなどでやり方を勉強したので設定などはてこずらなかった、
早速動画を取り出したが、
『どーも、ひゃじめまして!みゅしょじょくVtu…』
『どーも、ひゃじめ!…』
「ちょったまて!緊張でめっちゃ噛むんだが⁉︎ よし、一旦落ち着こう…」
勢いでVtuberになったが、当然の如く俺にはゲーム実況やYouTuberをやったことがないため、当然動画慣れをしていない、
その後も数えきれないミスをした、そして、
『こん月〜 どーも!無所属Vtuberの月詠イザナです!……………』
「やった! やっとミスしないでできた!」
あまりの喜びで勝利の舞? を踊っていたがすかさずYouTubeに投稿した。
「これで〜投稿っと…」
「よし、明日は初配信も控えてることだし寝るか、、」
デビューするための準備で窓の外はすっかり真っ暗になっていた、
シャワーをさっと浴びてスマホを充電して布団に入ってすぐに眠りに落ちた、
だが優真が眠りに落ちた後にスマホの通知が充電が切れるまで止むことはなかった、