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第8話 今どきの女子って本当ヤベェな……

「玲奈先輩ってエロ漫画はどのジャンルが好きですか?」


「うーん、私は純愛系かな。寝取られとか浮気の要素があったらあんまり抜けないし」


「じゃあこの辺が多分好みに合いそうですね」


「うわっ、表紙の時点でめっちゃエロいじゃん。見てるだけであそこがびちょびちょに濡れそうなんだけど、ちなみに私的にはこっちの凌辱物が最高に興奮するからおすすめだよ」


「……二人とも仲直りしたのは良いんだけどさ、もう少し自重してくれないか?」


 服屋を出てから本屋に来ていたわけだが玲奈と叶瀬は俺の前だというのに堂々とエロ漫画について語り合っていた。


「あっ、そう言えば潤も一緒だったね」


「ごめんなさい、つい普段のノリで話してました」


「そんな日常会話みたいなテンションでよくエロについて話せるよな」


 貞操逆転前の男子でもここまであからさまに話す奴は少なかったと思うんだけど。


「えっ、私の友達は皆んなこんな感じだけど」


「ですね、私の友達も一緒です」


「今どきの女子って本当ヤベェな……」


 ぶっちゃけ貞操逆転前の男子達より今の女子達の方がエロに奔放で性欲も圧倒的に強い気がする。出せば賢者タイムに突入する男子とは違って女子にはそれがないため余計にたちが悪い。

 実際に女性から求められ過ぎて衰弱死する男性もいるくらいだし、多分クラスのヤンチャ女子である暁さんも彼氏がついて行けなくなって振られた可能性が高いと思う。


「ちなみに潤は貞操逆転前はどんなジャンルが好きだった?」


「えっ、この話まだ続ける気か? てか、さらっと俺にセクハラ紛いな質問をしてくるなよ」


「やっぱり定番の幼馴染物とか?」


「いやいや、後輩物でしょ」


「俺は絶対答えないからな」


 ちなみに俺が好きなジャンルは貞操逆転物だったりするがそんな事を言えば何をされるか分からないため絶対に口が裂けても言えない。

 しばらくして本屋を後にした俺達はゲームセンターにやってきた。シューティングゲームやクレーンゲームなどを一通り遊んだタイミングで叶瀬がプリクラを撮りたいと言い始める。


「プリクラとかやった事ないから操作とか全然分からないんだけど」


「その辺は私と玲奈先輩が知っているので大丈夫です」


「だから潤も一緒に撮ろうよ」


 あまり乗り気ではなかったが二人がやって欲しそうな顔をしていたので付き合う事にした。それから三人でプリクラ機の中へと入り、玲奈と叶瀬が手慣れた様子で機械を操作している姿を横から眺める。

 そしてあっという間に撮影画面まで進んだ。撮影開始のカウントダウンが始まったので指定されたポーズを取ろうとしていると叶瀬が突然体に密着してくる。


「おいっ!?」


 突然の事に驚く俺だったが、その瞬間カウントがゼロになりシャッター音が鳴り響いた。


「……華菜ちゃん抜け駆けは良くないんじゃないの?」


「ごめんなさい、無防備な先輩の姿を見たらつい」


 気を取り直して次のポーズを取っているとカウントがゼロになる寸前で今度は玲奈が先程とは逆側から胸を押し当てて来る。


「玲奈まで何をやってるんだよ」


「だって私だけ仲間はずれは寂しいじゃん」


「言っておくけどこれって普通にセクハラだからな」


 冷静なふりしてそう伝える俺だったが下半身が元気になってきており非常にまずい。頼むからこれ以上は刺激しないでくれ。

 そんな事を思いながら追加で二枚撮られいよいよ最後の撮影になる。これでようやく解放されると思って油断していた事がよくなかった。


「隙あり」


「ちょっ!?」


 何とシャッターの瞬間玲奈が俺に思いっきり抱きついてきたのだ。女の子特有の良い匂いと胸の柔らかさに俺の我慢は限界を迎えた。


「……えっ!?」


 玲奈は驚いたような表情を浮かべて俺の顔を見てくる。そう、俺は勃起してしまった上に密着していた玲奈の体に当ててしまったのだ。

 間違いなく玲奈には俺の下半身が今どんな状態になっているのかバレてしまった。あれっ、これって結構不味くね。


「さっき抜け駆けするなとか言っておいて堂々と抜け駆けしないでくださいよ」


「ご、ごめんね」


「……玲奈先輩、なんか顔が赤いですけど大丈夫ですか?」


 明らかに様子のおかしい玲奈を見て叶瀬はそんな言葉を口にした。ただでさえ玲奈にバレてしまって困っているというのに叶瀬にまで知られたらもっとやばい。ひとまず俺は玲奈にアイコンタクトを取って口を開く。


「プリクラ機の中が思ったより暑かったから顔が赤くなってるだけだろ、玲奈は昔からめちゃくちゃ暑がりだし」


「じ、実はそうなんだよ」


 俺が適当にでっち上げた理由に玲奈は話を合わせてきた。玲奈はアイコンタクトの意図を理解してくれたようだ。


「そんなに暑いですかね?」


「って訳だから俺と玲奈は先に出てるぞ」


「うん、落書きとかは好きにしてくれてて良いから」


「あっ、ちょっと待ってくださいよ」


 俺は叶瀬の言葉を無視してそのままプリクラ機の外に出た。とりあえず叶瀬については一旦これで良しだが、玲奈についてはマジでどうしよう。

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