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後天的貞操逆転世界の異端者  作者: 水島紗鳥@今どきギャルニコニコ漫画月間お気に入りランキング1位
第2章

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第43話 うわっ、そう言えばそうじゃん……

「……おかげで命拾いしたぞ」


「これに懲りたら今後は足元にはよく注意する事ですね」


「ああ、肝に銘じておく。後の残りは私でやるから沢城は帰ってくれて大丈夫だ」


「ありがとうございます……ところでさっきからずっと気になってたんだけど何で玲奈と叶瀬はここにいるんだ?」


「ああ、私は部活が終わった後教室に忘れ物を取りに戻ったら潤のリュックがあったから一緒に帰ろうと思って探してたんだ」


「私は課題をほとんど出さなかったら先生に捕まって居残りさせられてて、帰ろうとしたら玲奈先輩とバッタリあったので一緒に先輩を探してたんですよ。それで先輩と雨宮先生が資料室にいるって情報を入手してここに来たってわけです」


 なるほど、それで二人はここにきたのか。それにしても来るタイミングがあまりにも悪すぎる。狙っていたとしか思えないレベルだ。

 てか、叶瀬は今まであれだけ注意されたり居残りさせられてたというのに懲りずに期末テストの課題を出さなかったのかよ。


「じゃあ無事と言えるかは微妙ですがとりあえず先輩も見つかったので帰りましょうか」


「いやいや、どこからどう見ても無事だろ」


「雨宮先生にのしかかられたんだから無事とは言えなくない?」


「そうですよ、事故とは言えあんな目に遭わされたんですから迷惑料くらい貰っても良いと思います」


 玲奈と叶瀬は好き放題言っていたが迷惑料という部分には同感だ。これだけ拘束時間が長かった上に面倒ごとに巻き込まれた対価がジュース一本では割りに合わなさすぎるし。


「じゃあ二人の言う通り雨宮先生には迷惑料を払って貰う事にしますね」


「……ちなみにいくらだ? 今の私はあまり懐が暖かくないんだが」


「俺は今世間で流行りのママ活男子とかではないのでそんな無茶な要求はしませんって、この間みたいにご飯でも奢ってさえ貰えればチャラにしますから」


 俺の言葉を聞いた雨宮先生はあからさまにホッとした表情を浮かべた。いくら雨宮先生をいじるのが楽しい俺でもその辺りは流石に弁えている。


「分かった、また食べたいものを考えておいてくれ」


「あっ、潤と雨宮先生が二人きりなのは心配なので私も一緒でお願いします」


「私も玲奈先輩と雨宮先生が先輩を襲わないか心配なので着いて行きます」


 なんと玲奈と叶瀬もちゃっかり同席するつもりらしい。二人が一緒だと本来は起こらないはずの面倒ごとに巻き込まれそうな気しかしないんだけど。


「ちょっと、雨宮先生ならともかく私が潤を襲うわけないでしょ」


「自分では自覚が無いかもしれませんけど玲奈先輩って先輩を見つめてる時の表情がマジで腹ペコの猛獣みたいですから」


「それを言うなら華菜ちゃんだっていつも潤にねっとりとした視線を向けてるじゃん」


「私は後輩なので許されます」


「それなら私も幼馴染だから問題ないよね」


「どうでもいいがこれ以上私のメンタルに大ダメージを与えるのは勘弁してくれ……」


 二人は雨宮先生に追加ダメージを与えた後そんなくだらない言い争いをしていた。もう雨宮先生のHPはとうの昔にゼロを下回っていて蘇生不可能になりそうなところまで行ってるからそろそろ許してやれ。

 てか、玲奈も叶瀬も俺にやばい視線を向けている事に関してはお互いに否定しないんだな。まあ、二人とも貞操逆転してからその辺りを全く隠さなくなったし今更か。


「じゃあ俺はそろそろ帰るから」


「あっ、先輩待ってください」


「私達を置いて帰らないでよ」


 玲奈と叶瀬を放置して資料室から出ると慌てて飛び出してきた。さっきまで口喧嘩をしていたというのにこういう場面では息がぴったりだ。それから俺達は学校を出て家に帰り始める。


「そう言えば先輩は今回の期末テストはどうだったんですか?」


「手応えは結構あったし多分全部八十点は超えてると思う」


「いいなー、私なんてどれも微妙な手応えだったよ。多分赤点は無いけど」


「赤点は論外ですからね、ちなみに私は多分今回も学年一位です」


 そう口にした叶瀬はかなりドヤっていた。俺達の通う赤陵高校は偏差値もそれなりに高い進学校だというのに中学生の頃と変わらず一位を取り続ける叶瀬はマジで凄いと思う。


「期末テストも終わったし、後少しで夏休みだよな」


「だね、今から待ちきれないよ」


「でもその前に三者面談がありますよね」


「うわっ、そう言えばそうじゃん……」


 三者面談という言葉を聞いた瞬間玲奈のテンションは一気に下がった。それもそのはず、三者面談で話す内容は前期の成績のメインため結果が思わしく無い玲奈にとっては苦痛な時間にしかならないだろう。


「私と先輩は成績が良いので何の心配もいらないですね」


「叶瀬の場合は課題を全く出してない事について絶対何かしら言われると思うけど」


「私はしっかり結果を残してるのでそれで担任とママを黙らせます」


 叶瀬は自信満々な表情でそう言い切った。何はともあれ期末テストも無事に終わったため楽しい夏休みまで後少しだ。

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