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後天的貞操逆転世界の異端者  作者: 水島紗鳥@今どきギャルニコニコ漫画月間お気に入りランキング1位
第2章

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第39話 じゃあ先輩と付き合う事になってから泊まりに来ますね

 昼食を終えた俺達は再び勉強を再開したわけだが、午前中同様時折サポートをしてくれたためめちゃくちゃ順調に進んだ。現在はジュースとお菓子を食べながら二人でまったり休憩している。


「叶瀬と一緒だと本当に勉強が捗るな」


「でしょ、かなり先輩の役に立ってると思いますよ」


「ああ、何だかんだで玲奈の英語もだいぶマシになってたし流石叶瀬だ」


 玲奈の英語の正答率は勉強会をする前と比べて遥かに良くなっていた。だから玲奈がよっぽどヘマをしない限りは赤点回避は問題なく出来ると思う。

 まあ、それを本人に直接言うと調子に乗って手を抜く可能性があったため昨日はあえて危機感を煽るような厳しい事を言ったのだが。だから恐らく今日も真面目かどうかは別として玲奈は勉強自体はしているはずだ。


「やっと先輩も私の実力に気付いたみたいですね」


「叶瀬の事は中学時代から凄いやつとは思ってたぞ」


「えっ、そうなんですか?」


「叶瀬は俺達の学年まで話が届くくらいには有名だったから」


 叶瀬は中学校に入学した時から常に二位を大きく引き離して一位を取り続けておりその噂は上の学年まで聞こえてきていた。その上この外見だったため有名人になるなという方が難しかったに違いない。

 成績優秀な上にルックスも良かった叶瀬は生徒会執行部から熱烈な勧誘をされていたがそれを蹴って水泳部に入部したため周囲が驚いた事は言うまでもない。

 ちなみに叶瀬が生徒会を断ってまで水泳部に入った理由は夏さえ頑張れば放課後堂々と家に帰れてなおかつ運動部で内申点も良く一番コスパが良いからと本人が言っていた。

 最初その話を聞いた時は冗談だと思ったが先輩という立場から関わっているうちにどんな人間か良く分かったため今では叶瀬らしいとすら思う。こいつはとにかく面倒くさがりで効率厨なのだ。


「へー、先輩も私の事を凄いって思ってくれてるんですね」


「でも週末課題を出さないのとかはマジで辞めた方がいいぞ、職員室に行ったらちょいちょい困った顔で叶瀬の事を話してる先生を見かけるから」


「せっかく良い感じに上げておいて一気に落とさないでくださいよ」


「ごめんごめん」


 さっきまで上機嫌だった叶瀬が膨れっ面になった姿を見て俺はそう謝った。そう言えばこんな感じのやり取りは中学時代もよくしてたっけ。

 いつの間にか俺に懐いてウザ絡みをしてくるようになった叶瀬を最初は適当にあしらっていたが気付けば今のような関係になったのだ。

 その後もしばらく雑談した俺達は適度なタイミングで勉強を再開する。相変わらず勉強が捗ったため時間はあっという間に過ぎた。


「……もうこんな時間か」


「あっという間でしたね」


「だな、想像以上に勉強も出来たしこの感じなら明日から始まるテストも大丈夫そうだ」


 そんな話をしていると玄関の方からドアを開ける音が聞こえてくる。恐らく父さんと母さんが帰ってきたのだろう。

 ちょうどきりも良いしこの辺りで叶瀬には帰って貰おう。そう思っていると部屋の扉が開かれて母さんが顔を覗かせる。


「潤ただいま」


「おかえり母さん」


「お邪魔してます」


「あれっ、今日は玲奈ちゃんじゃなくて華菜ちゃんを家に連れ込んだの?」


「人聞きが悪い事を言うな」


 ニヤニヤしている母さんに俺はそう返答した。玲奈も叶瀬の場合は連れ込んだというより押しかけて来たという表現の方が正しいだろう。


「そうなんですよ、先輩から俺の部屋に来いって言われて」


「へー、潤も隅におけないわね」


「叶瀬はさらっと嘘をつくな」


「ちょっと、何ですぐにバラすんですか」


「万が一母さんが信じたら面倒くさいからに決まってるだろ」


 このまま二人を会話させているとろくな事にならない気しかしない。母さんと叶瀬は波長が合うらしく結構仲が良いため放っておけば永遠に話し続けそうな気がする。


「てか、明日からテストなんだし叶瀬はそろそろ帰れ」


「えー、今日は先輩の部屋に泊まろうと思ってたんですけど」


「あら、それは楽しそうね」


「いやいや、不純異性交友になりかねないんだから母さんは止めろよ」


 貞操逆転してから世間では女性による男性へのレイプ事件が多発している事くらい知ってるだろ。叶瀬をうちに泊まらせるという事は羊の檻の中に狼を解き放つ行為に等しいのだ。


「流石にそれは冗談よ、潤とお泊まりするならせめてちゃんと付き合ってからにして貰わないと」


「じゃあ先輩と付き合う事になってから泊まりに来ますね」


 母さんと叶瀬は二人で盛り上がっていたがもはや俺は口を挟む気にすらならなかった。結局母さんと叶瀬が話で盛り上がってしまったためしばらく帰らなかった事はまた別のお話。

【読者の皆様へ】


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