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後天的貞操逆転世界の異端者  作者: 水島紗鳥@今どきギャルニコニコ漫画月間お気に入りランキング1位
第2章

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第37話 これだとどっちが先輩なのか分かりませんね

 それからそれぞれ勉強を始める俺達だったが昨日とは大違いでかなり捗った。全く期待していなかった叶瀬からのアシストも地味に大きい。


「今さっき解いた英作文の問題、その単語を使うと全然違う意味になっちゃいますよ」


「本当だ、ありがとう」


「これだとどっちが先輩なのか分かりませんね」


「叶瀬が賢すぎるだけだろ」


 こんな感じでたまに煽ってきたりもするが間違っていたり見落としていたりする部分を教えてくれるため普通に助かっている。

 しかも英語だけでなく数学や化学などでも同じようにアシストしてくれているのだ。まだ習っていない二年生の範囲も普通に理解しているのはマジで凄いと思う。

 流石は中学と高校でずっと1位を取り続けているだけの事はある。これでちゃんと課題を提出していれば間違いなく優等生になれるのに本当に勿体無い。

 まあ、叶瀬は推薦入試などは初めから眼中に無いらしいので内申点のために真面目に課題をする可能性は限りなく低いと思うが。


「朝からずっと勉強してますしそろそろ昼休憩にしません?」


「そうだな、お世辞抜きに叶瀬のおかげでめちゃくちゃ捗ったしそうしようか」


「あっ、今日のお昼は特別に私が作ってあげるので楽しみにしておいてください」


 昨日のお昼と同じくどこかへ食べに行く気満々だった俺に対して叶瀬はそんな事を言い始めた。


「おいおい、急にどうしたんだよ?」


「前に先輩は私が料理苦手そうって思ってるとか言ってたじゃないですか、だから本当に出来る事を実演してあげます」


「結構面倒だと思うけど本気か? てか、そもそも冷蔵庫に食材もそんなに無かった気がするんだけど」


「だから今から買いに行きます、もちろん先輩にも来て貰いますから」


 そこまで言うなら作って貰おうか。俺の中で叶瀬はいまだに塩と間違えて砂糖を入れる系の飯まず女子のイメージが消え切ってないし。

 家の戸締りをしてから俺達は外に出る。今日は雲一つない青空が広がる快晴で天気は良いが、その変わりめちゃくちゃ暑い。


「やっぱり今の時間の外は暑いですね」


「ああ、もう完全に夏って感じだよな」


「期末テストさえ終われば夏休みですし、あと少しの辛抱です」


「そっか、玲奈なんかとは違って叶瀬は赤点なんて取る心配まず無いもんな」


「当たり前じゃないですか、玲奈先輩とはその辺りの格が違うので」


 もし叶瀬が赤点を取るような難易度のテストであれば間違いなく全校生徒がそうなる。そうなれば大問題になるに違いない。しばらくそんな話で盛り上がっているうちにスーパーへと到着した。


「それで昼は何を作る予定なんだ?」


「そうですね、オムライスとかいかがでしょう?」


「おっ、それいいな」


「じゃあ決定で」


 メニューが決まったため俺達はオムライスの材料を探し始める。家の近くにあるスーパーだが基本的にジュースやお菓子、菓子パンくらいしか買わないためその他のものがどこにあるかよく分からない。だが叶瀬はどの辺りに何があるのか知っていたため特に問題は無かった。


「こうして二人で食材を買いながら歩いていると新婚夫婦って感じがしません?」


「いやいや、せいぜいカップルとかだろ」


「へー、先輩的にはカップルになら見えると思ってるんですね」


「い、今のはあくまで例えだからな」


 小悪魔的な笑みを浮かべて煽ってくる叶瀬に慌ててそう弁明をしたが相変わらず表情はニヤニヤしたままだ。これはしばらくネタにされる事も覚悟しなければならなさそうだ。

 そんなやり取りをしている間に必要な食材を全て集め終わったためレジに並んでいると誰かが叶瀬に話しかけてくる。


「華菜ちゃんに似てると思ったらやっぱり本人だったんだ」


「あっ、由奈ちゃん。やっほー」


 叶瀬がタメ口で話している事を考えると恐らく中学校か高校の同級生だろう。普段俺の前ではずっと敬語なので中々新鮮だ。


「ここのスーパーに来るって珍しいね」


「今日は隣にいる先輩の付き添いだから」


「あっ、もしかしてこの人が華菜ちゃんのよく話してる噂の?」


「そうそう、その先輩」


 叶瀬が俺の事を同級生に対してどんなふうに説明しているのか地味に気になる。まさかとは思うが変な事を吹き込んでは無いだろうな。

 そして貞操逆転した女子あるあるで俺に対してねっとりとした視線を向けてきている。本人はバレないようにしているつもりだろうが分かってしまう。

 今だから分かるが貞操逆転前に俺がクラスのアイドルや電車の中で見かけた美人なお姉さんにそういう視線を向けていた事も多分バレていたに違いない。


「そっか、あんまり華菜ちゃんの邪魔をしても悪いしそろそろ行くね」


「また明日学校で」


「うん、またね」


 そう言い終わると叶瀬の同級生はどこかへと歩き去って行った。相変わらず最後までねっとりとした視線を向けていたがその辺りは全部気付かなかった事にしてあげよう。


「さっきの子は友達か?」


「そうですよ、同じクラスで仲良くなったんですよ」


「何というか真面目そうな感じの子だったな」


 一言で表すと文学少女という言葉がしっくりくるような外見をしていた。ちょっとギャルっぽい叶瀬と仲良いのが少しだけ不思議だったりする。


「ですね、私とは違って由奈ちゃんは課題もサボらず提出してる優等生です。まあ、私の方が成績は上ですが」


「こんな週末課題すらまともに出さない不真面目なやつに負けてマジで可哀想なんだけど」


「由奈ちゃんも一年生の中では成績トップクラスですけど、私の実力があまりにもあり過ぎるみたいで」


「そんな事を言ってたらいつか刺されるんじゃないか?」


「大丈夫です、先輩の前でしかこんな発言はしませんし」


 それもそれでどうかとは思うがこれ以上はあえて突っ込まなかった。下手な事を言って叶瀬が調子に乗っても面倒だし。

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