第二話 陽菜乃視点
管理者視点から少女視点に変わります
窓から見える赤い夕陽を見ながら私はため息をついた。
私、小桜陽菜乃は鍵の戸締りのため写真部の部室にいた。
私は写真部に所属していて、納得がいく写真を取るために遅くまで残っていたら顧問の先生に頼まれたのだ。
「もうすぐ写真コンテストの締切なのに、全然いい写真撮れない。はぁ、今日はもう遅いし帰ろ。明日また撮ればいいよね?」
部室の鍵を閉め、職員室に鍵を返しに行った。
その後下駄箱で靴を履き替え、外に出た瞬間、目の前に広がる景色が変わった。
「え!? ここどこ? 」
さっきまでは昇降口から見えるいつも通りの景色だったのに、いつの間にか目の前には一つの扉があり、後ろを振り返っても壁しかなかった。どうすることもできないので、私はビクビクしながらドアノブに手をかけドアを開けた。
そこは建物の3階まで壁全面たくさんの本で埋め尽くされた図書館であった。ただ普通の図書館ではあり得ないのが、らくがきのようなカラフルな魚や動物達が空中を自由に飛んでいることだろう。
不思議な空間を前に立ち尽くしていると、隣のカウンターの方から私に話しかけてくる声が聞こえた。
「あら、こんにちは。ようこそお越しくださいました。お客さま」
優しそうな女性が私の方に向かってきながらそう話しかけたのだ。白金の髪と青空に星々が映ったような瞳をしたまさに美少女がそこにいた。私は見惚れながらもここがどこか、彼女が何者なのかを聞いてみた。すると彼女は少し申し訳なさそうにこの場所の説明などをしてくれた。
「ああ、申し訳ございません。ここは記憶の図書館と言われる場所です。そして私はここの管理者です。どうぞよろしくお願いしますね。」
そう言いながら彼女は私を安心させるように微笑んだ。
「もう少し詳しく説明しますね。ここはあらゆる人や物、セカイの記憶が本に記録され、管理されている場所です。
私はここを管理しながら時折迷い込むお客様のお話を聞かせてもらったり、お客様に本をお薦めさせてもらっています。
あ、それと管理者と名乗ってはいますが、私のことはお好きに呼んでいただいて構いません。前に来たお客様方には管理人、司書、館長など呼ばれていましたので。」
「じゃあ、えっと管理人さん、初めまして、私は小桜陽菜乃っていいます。あの、もう遅い時間だから家に帰りたいんです。どうすればここから出れるんですか?」
「そうなのですね。できれば少しお話をしたかったのですが。ではここから帰る方法とここにくる方法を教えますね。」
そう言って管理人さんは少し寂しそうな顔をしながら帰り方と行き方を教えてくれた。
初めましてこんにちは 読んでくださりありがとうございます。
本当は1話に後書きを書こうとして忘れていました。ごめんなさい。
今回初めて物語を書いています。気をつけて書いていますが誤字などあるかもしれません、その時はなるべく直していきますので教えてくださいね。
更新は、まだ不慣れ(パソコンの使い方とこのシステムに)などの理由で不定期かもしれません。
ゆっくりかもしれませんがどうか温かな目で読んでいただけると嬉しいです。