表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Sacrifice

作者: AO

秋の歴史、2023開幕。

最近全然投稿してない&歴史小説難しくて書けない、と言うことでとりあえず。



あれは、私が小学生の頃だった。

その頃、ちょうど日本は戦争中で、本当に食糧がなかったんだ。

庭でかぼちゃとか芋とかを植えていたけど、それも焼けてしまった。

「欲しがりません、勝つまでは。」

これくらいは聞いたことあるだろう?

元々開戦時から少し食料が少なかったんだけど、いよいよ戦争終盤にもなって、本当に飢え死にしそうだった。

米?そんな贅沢品、あまり食べられなかったよ。

そんな時だった。

ある日、僕が家に帰ると、いい匂いがした。

もう何日も使っていないせいで蜘蛛の巣が張ったコンロに、真っ赤な火が起こっていた。

僕がその中を見ると、母がステーキを焼いていた。

「どうしたの?この肉?父さんも喜ぶかな!」

僕は感激しながら聞いた。

すると、母はただ涙ぐんで、

「お父さんに感謝しましょうね。」

とだけ言って、それきり何も言わなかった。


父は、帰ってこなかった。

僕が父は戦争に行ったこと、そしてあの肉は父が戦争に行くことになったを知った父の実家が送ってくれたものであったこと、父はそれが届く前に徴兵されていってしまったことを知ったのは、それから数年後、母が死んだ時のことだった。


読んでくださってありがとうございました。

この話はフィクションです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ