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第一章一話

勇者召喚に巻き込まれた少年篠原汰一。勇者とは違い初期能力は、最低だった。無能と罵られ国から逃げるように出て行くことになる。異世界での生活は、日本とは何かもが違い魔物に襲われ命を落としかける。そんな時汰一の真なる力が覚醒する。

         プロローグ

 「来たぞ黒薔薇だ。殺せ」彼女の登場で周りは騒然となる。彼女こそ世界に厄災を招く黒魔女である。

 「私は、貴方達に構っている暇はないの。白き者達を殺さないといけないから。邪魔しないでくれる」

 そう言いながら魔法を展開する。

 「黒稲妻(サンダーレイン)」そう唱えると右手から漆黒の闇を纏った雷が放たれる。兵士たちが倒れていく中誰かが黒薔薇へと近づく。

 「ふーん。まだそんな元気があるんだ。だけど残念君のお友達は全員殺したよ」

 少女は、そう言うとニターと笑う。その目に映るのは、殺すことが楽しくて仕方がないと言う狂気だけだ。

 「まあ、君も邪魔だから死んでね」

 そう言うと左手を横に振る。瞬間辺りに炎が巻き上がる。側から見たらそれは、神の炎にも見えただろう。それ程その炎は綺麗であった。

 意識が薄れゆく中黒薔薇は、一人の人物を思い出す。

 「ごめんねフローラ」

 そう呟き瞳を閉じた。

 「魔女の封印はなった。勝鬨をあげよ」

 その声に生き残った兵士たちは、喜びの声を上げた。一人の少女だけは、何かを考え込み姿を消すのだった。

 それから千年。異世界より()()の勇者が召喚される事で物語は動き出す。

 「来たね黒き王。この時を待っていたわ」

 そんな言葉を残して。


        第一章:異世界

 

        一話:出会い


 「おはよう汰一君」

 そう篠原汰一に声をかけたのは、幼馴染でクラスメイトでもある西音寺佳澄だ。佳澄は、成績優秀容姿端麗と非の打ち所がない優等生だ。一方の汰一は、成績も普通で容姿も普通という何処にでもいる高校生だ。

 「おいおい、朝から調子に乗ってんじゃねえぞ」

 そんな乱暴な声を上げながら篠原汰一を睨みつけているのは、クラスメイトの一条琢磨である。彼を一言で言い表すと不良である。金髪であり両サイドを刈り上げ常に人を威圧する様に睨みつけている。一条琢磨は、とにかく篠原汰一を嫌っている。勿論汰一に心当たりはないのだが。

 「一条君。君はもう少し人の気持ちを考えるべきだと思う。そんな態度ならいつか後悔する時が来るよ」

 そんなことを言っているのは、クラス委員長の柳宮遼である。彼は、真面目である。「正義」を何よりも重んじている。しかし、時にそれが人を追い詰めると言うことを彼は自覚していなかった。


 同時刻ある城では、兵士たちが慌ただしく動いていた。研究者らしい人物が周りの兵に指示を出している。その中心には、魔法陣が燦然と輝いている。

 「ラグナス様準備が整いました」

 兵士の言葉にラグナスは、頷いただけで視線は魔法陣に注がれている。ふと誰かの声が聞こえそちらに意識を集中する。

 「いよいよなのだな。これで我々の目的も達成出来る。せいぜい儂等の役に立って貰おう」

 そんな言葉と共に黒い笑みを浮かべる人物にラグナスは、一瞬視線を向ける。しかし、直ぐに魔法陣に向き直る。

 「儂の役目はここまでじゃ。後はこちらに来る()()に任せるとしようかの」

 そう呟くと呪文を唱え始める。ラグナスの声に応えるように魔法陣が淡く光り始める。暫くして光が収まると魔法陣の上に()()の人物がたっていた。 


 汰一たちは、授業の為に教室に移動していた。佳澄と共に移動をしていた汰一はふと誰かの声が聞こえた気がして、歩みを止める。そんな行動に佳澄が訝しげに首を傾げる。気のせいだと歩き始めようとした時、佳澄を中心に何かの模様が浮き出した。

 「キャー」

 佳澄の叫びを最後に汰一達は、光に包まれた。


 目を開けるとそこは、何もない真っ白な空間が広がっていた。その中央には、椅子に腰掛け興味深そうにこちらを見ている少女の姿があった。黒のローブを目深に被りその顔は見えない。しかし、この何もない白い空間で彼女の白い肌だけが印象に残っていた。

 「初めましてだね。私は、シルベスタ・ネア・アークランド。黒薔薇の魔女と人々は呼んでるね。今はまだ会えないけど、いつか君が私の前に来ることがあると思うからその時のために繋がりを与えておくよ。君に幸あらんことを。ああそうだ彼らには気をつけて。決して安易に繋がりを作っちゃダメだよ。もう時間か。それじゃあ君が来ることを楽しみ待っているよ」

 黒薔薇の魔女と名乗る少女の声を聞きながら、篠原汰一の意識は、覚醒していく。彼が目を開けるとそこは、剣を構えた兵士たちがいる部屋の中だった。

 


最後までお読み頂き有難うございます。まだまだ拙いですが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

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