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第4話 相性のいい人

「失礼しまーす」


俺は生徒会室のドアを開ける。


「来たか、政宗。少し遅かったな」

「そうですかね?いつも通りだと思いましたが」


室内には生徒会長である天井院 舞先輩。

生徒会副会長である柿永 翔吾(かきなが しょうご)先輩。

生徒会書記である山口 水面(やまぐち みなも)先輩が座っていた。


「いや〜、政宗くん。会長がずっーと政宗はまだか、政宗はまだかってうるさかったんだよー。ねー、会長ー?」

「な、なに言ってるんだ!?柿永!?そんな減らず口を叩く暇があるなら早くこの書類でも片付けろ!!」

「はーい。あ、政宗くんはこの書類の最終確認よろしくー」

「了解です」


俺もいつもの席、舞先輩の左斜め前の席について仕事を開始する。


俺は生徒会会計として働いている。

といってもあまりお金の管理などはなく基本的には先輩方のサポートだ。お金の管理と言えば、部費の管理などだが、そんな毎日確認したりするほどの仕事ではないため書類の確認、暇だったらお茶でもついだりしている。


沈黙の中、書類の確認が3分の2ほど終わって俺が背伸びをしていると


「そ、その政宗。お茶にしないか?」


舞先輩が少し頬を赤らめながら俺に提案してくる。

めちゃくちゃ視線が泳いでいるためなにか緊張でもしているのだろうか?

他の2人もニヤニヤしながら舞先輩を見ているし。


「いいですよ。ちょうど俺も疲れていたところです。お茶入れますね」

「いつも悪いな」


俺は生徒会室になぜか常備されている急須に持参の茶葉を入れ、ポットからお湯を注ぐ。

注いでから約1分ほど経ってから人数分の湯呑みに均等につぎ分けていく。

この時、お茶の濃さが均等になるように急須を軽く回しながら注ぐとおいしくなる。

あとは、1人2切れずつにきった羊羹(ようかん)を皿に乗せ、お盆に乗せて運べば完璧。


「ふぅ〜。やっぱおいしぃなぁ、政宗くんのお茶」

「ほんとよね。大和撫子ってイメージがぴったり合うのが不思議」

「撫子って、俺は男なんで」

「さ、さすがだな!ま、政宗は!」


なんか舞先輩の褒め方だけぎこちなかった。

どうしたんだろう?ここ最近いつもこんな感じだ。

別に仕事に影響とかは全然出てないから気にしないけれども。


その後はみんなで雑談でもしながらゆっくり至福の時間を過ごした。

あと、母さんが買ってきた羊羹が思った以上に美味しかった。

どこの店なのかなどの質問をされたが何も知らないので答えることが出来なかったのが心残りだ。

今度母さんに聞いておこう。


「じゃあ、そろそろ仕事も終わったしみんな帰ろっかー」


現在の時刻は5時30分。

至福のお茶タイムを過ごしたあとは残りの仕事をパパッと済ませて、また少し雑談をした。

よく考えるとこの生徒会って思った以上に緩いって言うかなんというか。

まぁ、そこが居心地の良さの秘密なんだと思う。

俺は堅苦しいのが嫌いなのだ。

あの独特なピリついた空気というものにどうしても昔から馴染めない。

あ、沈黙と堅苦しいは違うからね?


「あ、僕は用事があったんだったー。忘れてたー。ということで僕はさよなら」

「あ、私も用事があったんだったー。忘れてたー。

ということで私もさよなら」


なんかめちゃくちゃ棒読みで言ったあと柿永、山口先輩が2人してダッシュで玄関から飛び出していく。

いや、はやいなおい。きづけば門から出てるし。

しかもあの棒読みは一体なんだったんだ・・・。


残された先輩と俺。


・・・・・・・・・


これって俺はどうするべきなん?

どうしよう。なんか言うべきだろうか。

といっても俺はこれから6時から8時までカフェのチェーン店でのアルバイトが待っている。

給料で本やらゲームやらを買わないといけないので休むという選択肢は存在しない。


俺がうんうん唸っていると


「政宗。ちょうどいいし一緒に帰らないか?」


なにがちょうどいいのかよく分からないが舞先輩がそんな提案をしてくる。

別に断る理由もないので承諾をすることにする。


「全然構わないですよ。あ、でもアルバイトがあるんですが大丈夫ですか?」

「あぁ。話したいこともある。途中まででいいから一緒に帰ろう」


そうして2人一緒に校門から出る。


・・・・・・・・・・


またしても沈黙。

俺は沈黙が嫌いではない。

ピリッとした空気は嫌いだが、シーンとした空気は好きだ。心が落ち着く感じがする。

舞先輩もあまり口数は多くはない、クールな性格なのでこの無言な空気についての心配をする必要性がないから、ある意味俺の1番付き合いやすい人なのかもしれない。

そのまま分かれ道まで沈黙が場を制すかと思ったら


「ま、政宗。その、提案があるんだが...」

「提案ですか?」


舞先輩が俺から目線を外して少し俯きがちながらぽつりぽつりと話す。


「あ、あのだな。そ、その。私は生徒会長だ。だから生徒会長として学園の生徒がきちんと節度を持って日常生活を送れているか見守ってやらなければならないのだ」

「は、はぁ」


正直言うと先輩が何を言っているのかよく分からなかった。

頭の中が???である。

ただ、顔を赤くしながらも話してくれる先輩の気持ちを無下にすることは出来ないからそのまま話を聞いていく。


「だ、だから...だな。そ、そのだな...。こ、今度の日曜日に一緒にか、確認だぞ!?確認のためにだな...。一緒にで、出かけてはくれないだろうか...」


「出かけると行ってもどこに行くんですか?」


「生徒たちが多くいると思われるショッピングモールにでも行こうと思うのだが...」


「了解です。行きましょう」


「ほ、ほんとうか!?や、約束だからな!?あとでやっぱりなしとかダメだからな!?」


「大丈夫ですって。そんなことしませんよ」


舞先輩がキラキラした顔で喜んでいる。

顔を赤面させたり、急にアワアワしだしたり、と思えば頬がデレッデレに緩くなったり。

怪人二十面相みたいだ。

あとめちゃくちゃ可愛い。

生徒会長としてプライドを守れたことが嬉しいのだろう。

あまり、こういう表情を見ないのでギャップにやられそうだ。


「やった。政宗とデートだぁ。えへへ」

「?何か言いましたか?」

「!?!?な、何も言ってないぞ!?ほら!私はもうあっちだからま、また明日な!!」


きづけば分かれ道にさしかかっていた。

俺が別れの挨拶をする前に先輩は50メートル走6.9秒の瞬足で走り去っていく。


「さーて。俺もがんばるか!!」


舞先輩の可愛い姿を見てからか、はたまたショッピングモールに行けることに喜んでいるのか俺の足は自分でも気づかないうちにスキップをしていた。


徐々に投稿遅れていきます。

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