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第99話

木嶋は、横浜駅に着いて歩きながら、玲のメールを読んでいたのだ。

「木嶋さんが、不安になるのは仕方ないと思うよ!彼女は、夜の仕事をしている関係で、木嶋さんと交際しているはず。深入りしないようにね。」

「やっぱりそうなのかな!麻美さんと玲さんが、はからずも同じ答えと言うのも珍しくないのかな!」疑心暗鬼ぎしんあんきになっていた。

ホームの階段を降り、改札を出た木嶋は、ダイヤモンド地下街の方向に向かいながら、はるかに電話をしたのだ。

「プルッ、プルー、プルー」呼び出し音が鳴っている。

「もしも〜し、はるかで〜す。木嶋さん、今、どちらいますか?」はるかが電話に出たのだ。

「木嶋ですが…今、横浜駅の改札口を出たところです。どちらに行けばいいのかな?」木嶋は、はるかに尋ねたのだ。

「そうですね〜。どこで待ち合わせしましょうか?今、考えますので、少し待ってくれますか?」木嶋に問い掛けたのだ。

木嶋は、

「いいですよ。有隣堂で本の立ち読みをしていますから、電話を下さい。」はるかに話したのだ。

はるかは、

「分かりました。」木嶋との会話を終え、電話を切ったのだった。

「アッ、電話をしないと…。」はるかとのデート気分に浮かれていた木嶋は、麻美へ電話をしなければならないことに気が付いた。

携帯を手に、麻美に電話をしたのだ。

「プルッ、プルー、プルー」呼び出し音が鳴っている。

「もしもし、麻美です。」木嶋に答えたのだ。

「先ほどは、電話に出れなくて申し訳ないです。」木嶋は、麻美にびていた。

「何度か掛けたのですが、話し中でしたよ。それより木嶋君、今は電話で会話が出来る状況かな?」麻美が、木嶋に確認したのだ。

木嶋は、

「うん、大丈夫です。今は、横浜駅のダイヤモンド地下街の有隣堂にいますよ!」麻美に答えたのだ。

麻美は、

「誰かと待ち合わせしているの?」

「はるかさんと待ち合わせをしていますよ。」木嶋は、麻美に話したのだ。

「木嶋君、もうラブラブじゃないの!私が、アドバイスを送らない方がいいのかな?」麻美は、木嶋を突き放すような言い方をしていた。

木嶋は、

「そんな言い方をしないで下さい。自分には、今の若い女性がどんな考え方しているのか、判らないので、メールしたのです。」麻美に伝えたのだ。

「私は、木嶋君にアドバイスをするのは、友達だからですよ。」

木嶋は、

「それは、いつも麻美さんが、自分に話していますよ!」麻美に話したのだ。

麻美は、

「私から見たら、木嶋君は、いいように利用されているんじゃないのかな?そう見ているよ。」木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「どうなんだろうね!自分は、利用されているなんて考えたことはないね。そう言えば、はるかさんは、もうすぐ成人式を迎えるよ!」麻美に話したのだ。

麻美は、

「利用されているって…。いい加減、はるかさんから目を覚ました方がいいよ。《はるか中毒症に掛かっている木嶋君に言っても無理かもね。治す薬はないよ。》成人式か…私たちにも、そんな時代があったんだよね!」木嶋に同意を求めていた。

木嶋は、

「確かに、治す薬はないかな?自分たちの成人式は、バブルの時代。今と昔では、比較すること自体、古いと言われそうだよ。」

「そうだよね。その間の10年は、【失われた10年】と言われているよね!」麻美は、木嶋に聞いていた。

「今がそうかも知れません。【失われた10年】より長く感じているよ。」木嶋は、麻美に話していた。

「木嶋君、はるかさんの誕生日に何かプレゼントをしたの?」麻美は、木嶋に問い掛けていた。

木嶋は、昨年、はるかの誕生日に、HERMESのバックをプレゼントをしたのを、思い出したのだ。

【今、麻美との会話で、はるかに誕生日プレゼントを買ったなんて話したら、自分が責められてしまう。ここは、何とか逃げないといけないな!】

木嶋は、

「誕生日プレゼントなんか買いませんよ!何か買ってとオネダリしていたが、全部無理と…」麻美に答えたのだ。

麻美は、

「それでいいですよ!木嶋君よりもっと稼ぎがいい人からプレゼントを貰っているのですから、はるかさんの物欲は凄いですからね。関わらないように…私がいるのですから、いつでも相談に乗りますからね!」木嶋に話したのだ。

木嶋は、

「別れるように努力します。」麻美に伝えたのだ。

麻美は、

「努力して下さい。」木嶋との会話を終えて、電話を切ったのだ。

木嶋の頭の中に、はるかと別れるつもりは、毛頭ないになかったのだった。


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